ゴールデンウィーク2日目を迎え、昭和の日だった4月29日は、京都競馬場春の古馬№1決定戦「第145回天皇賞・春」(GI・芝3200m)が行われました。阪神大賞典でまさかの大暴走で2着に敗れた⑱オルフェーヴルが、5冠目のGIタイトル獲得なるか期待が集まりました。オルフェ以外にもGI馬が集結し、昨年秋の天皇賞馬⑯トーセンジョーダン、⑤ジャガーメイル、⑮ヒルノダムールの歴代春天王者、GI2勝の⑭ローズキングダムが参戦。GIホース以外では、阪神大賞典でオルフェを破った⑧ギュスターヴクライ、ダービー&菊花賞で2着の⑪ウインバリアシオン、春天7年連続出走となる10歳馬②トウカイトリック、ダイヤモンドステークスを逃げ切った⑩ケイアイドウソジン、③ナムラクレセントなどが参戦しました。
直前の単勝オッズでは、オルフェーブルが1.3倍の圧倒的1番人気に推され、ウインバリアシオンが2番人気(9.8倍)。3番人気はトーセンジョーダン、ギュスターヴクライ4番人気。5番人気以降はヒルノダムール、ローズキングダム、⑫クレスコグランドと続きました。
注目のスタートで、オルフェはゲートを出た直後に後方に下げる。1周目向正面での先行争いで、①ビートブラック、⑥ゴールデンハインド、ナムラクレセントの3頭が飛び出し、3コーナー時点でビートブラックとゴールデンハインドの2頭がレースを引っ張り、クレセント3番手。離れた4番手に⑦ユニバーサルバンク、5番手にケイアイドウソジンとトウカイトリック、7番手の位置にトーセンジョーダンとギュスターヴが並走。バリアシオンは中団に控え、その後ろにジャガーメイルとヒルノダムール。注目のオルフェーヴルは後方2,3頭目。ローズキングダム最後方。
スタンド前に差し掛かり、ゴールデンハインドが単独先頭、ビートブラック2番手追走、クレセント3番手と続く。後は縦長で、ジョーダン7番手、ギュスターヴクライ8番手、ウインバリアシオン、ダムール、ジャガーは13番手集団、オルフェ16番手でゴール板を通過しました。
1,2コーナー~2周目のバックストレートのところで、先頭集団と3番手との差が大きく拡がる。ハインドとビートブラックの2頭は積極果敢に逃げ続け、ナムラクレセントはポツンと3番手。更に離れた4番手にユニバーサルバンク、ドウソジン5番手、6番手にトリック。トーセンジョーダン7番手、その後ろにギュスターヴ、9番手に⑬フェイトフルウォー、④モンテクリスエス10番手。11番手に⑰トウカイパラダイス、ウインバリアシオンとジャガーメイルが12番手で並び、13番手にクレスコ、ダムール14番手。オルフェーヴルはまだ17番手、ローズキングダムしんがりという展開。
外回り3コーナーの坂に入り、今度はビートブラックが先頭に浮上。3番手のクレセントと4番手・ユニバーサルの差が縮まり、ジョーダン6番手に進出し、ギュスターヴもペースアップ。オルフェも徐々に追い上げ始め、前との差を詰めようと必死だ。4コーナーから最後の直線に入り、ビートブラックが逃げ粘り続け、オルフェーヴルは大外に回したが、全く伸びてこない!これは大ピンチだ!トーセンジョーダン、ギュスターヴクライ、ウインバリアシオンが追い上げ、2番手のゴールデンハインドに迫る。残り200mでビートブラックが2番手以降を一気に突き放し独走態勢。トーセンジョーダンが2番手に浮上し、ウインバリアシオンが3番手争いまで。ビートブラックがそのまま押し切ってゴールイン!今年の春天は大波乱だ!!
最終成績&払戻金
1着①ビートブラック 3:13.8
2着⑯トーセンジョーダン 4馬身
3着⑪ウインバリアシオン 2馬身
4着⑤ジャガーメイル クビ
5着⑧ギュスターヴクライ 1馬身1/2
6着⑦ユニバーサルバンク 1馬身1/4
7着⑥ゴールデンハインド ハナ
8着②トウカイトリック 1/2馬身
9着③ナムラクレセント 1馬身1/2
10着⑰トウカイパラダイス クビ
11着⑮ヒルノダムール ハナ
11着⑱オルフェーヴル 同着
13着⑬フェイトフルウォー クビ
14着⑨コスモロビン クビ
15着⑭ローズキングダム 1馬身
16着⑩ケイアイドウソジン 3馬身
17着④モンテクリスエス 1/2馬身
18着⑫クレスコグランド 大差
単勝 1 15960円
複勝 1 3720円 16 400円 11 350円
枠連 1-8 3580円
馬連 1-16 61570円
馬単 1-16 208630円
ワイド 1-16 8400円 1-11 8870円 11-16 760円
3連複 1-11-16 97140円
3連単 1-16-11 1452520円
どうしたオルフェーヴル!?圧倒的1番人気に支持されながらも、最後まで見せ場なく11着の惨敗。阪神大賞典の時とは一転して、後方でしっかり脚を溜め、しっかりと折り合いを見せていたので、最後一気に爆発して強さを見せつけてくれるんだろうなと思っていました。しかし、大逃げする馬達を捕らえる事ができず、直線で大外を回しながらも全く伸びませんでした。「圧勝か暴走か」のはずが、まさかの大凡走…。4冠を制した時のような強い走りが全く感じられませんでしたね…。強いオルフェを見続けていた分、今回の惨敗劇には信じられない気持ちでいっぱいです。
今年に入ってからは2連敗、春天を勝って凱旋門賞に挑戦するというプランを掲げていましたが、惨敗の結果を受けて白紙撤回になりそうです。「日本最強」と言われた馬が迎える挫折と試練、宝塚記念で強いオルフェーヴルが蘇れるか?「ただの馬」になり下がるのはまだ早い、このままでは終われない…。
さて、今年の春の天皇賞を制したのは、単勝14番人気だったビートブラックでした。スタートから果敢に先行策を取り、ゴールデンハインドと共にレースを引っ張り続けました。3コーナーで先頭に躍り出ると、最後まで失速する事無く駆け抜け、2着に4馬身差の圧勝。鞍上の石橋脩騎手は、デビュー10年目での嬉しいGI初勝利。レース後の優勝インタビューでは「信じられない。ラッキーだった」と本人も驚きを隠せませんでした。
ビートブラックの父はミスキャストで、現役時代は目立った実績はありませんでしたが、種牡馬になって大きな花を咲かせました。春の大一番で強豪馬を抑えて大金星を挙げたビートブラック、宝塚記念以降は春天での勝利がフロック出ない事を証明する活躍を期待したいところです。
来週・5月6日は、3歳マイル王決定戦「NHKマイルカップ」が東京競馬場で行われます。2歳王者のアルフレード、デビュー3連勝のカレンブラックヒル、アーリントンカップを勝ったジャスタウェイ、チューリップ賞で桜花賞馬のジェンティルドンナを破ったハナズゴール、ファルコンステークス覇者・ブライトライン、セイクレットレーヴ、マウントシャスタなどが登録しています。日本ダービーに繋がるようなレースになるといいのですが…。