2011年の牡馬クラシック第3戦・第72回菊花賞(GI・芝3000m)が23日、京都競馬場にて行われました。「最も強い馬が勝つ」と言われているこのレース、今年は皐月賞・ダービーの2冠を制した⑭オルフェーヴルが、三冠制覇なるか注目が集まりました。日本競馬の歴史の中で、3冠馬になったのは6頭しかいません。3000mの長丁場を乗り越え、歴史的名馬の仲間入りを果たせるか?
「オルフェーヴル三冠阻止組」では、ダービーと神戸新聞杯で2着に敗れた⑬ウインバリアシオン、きさらぎ賞でオルフェに土をつけた①トーセンラー、5戦目でGI初挑戦⑰フレールジャック、セントライト記念の勝ち馬⑤フェイトフルウォー、他にも⑪サダムパテック、⑧ベルジャザール、⑱ショウナンマイティが参戦しました。
直前の単勝の上位人気は、オルフェーヴルが単勝1.4倍と圧倒的な1番人気、2番人気にはウインバリアシオン(7.8倍)。10倍以下は2頭だけで、3番人気以降はトーセンラー、フェイトフルウォー、フレールジャック、ベルジャザールと続きました。
注目のスタートでは、ベルジャザールが少し立ち上がり、オルフェーヴルはしっかりと飛び出しました。1周目3コーナーでの先行争いで、③スーサングレートと④ユニバーサルバンクの2枠2頭が好スタートを切ったが、⑮サンビームが坂の手前で先頭に立つ。2番手に⑯ダノンマックインがつけ、4番手集団にサダムパテックとフレールジャックがいる。注目のオルフェーヴルは中団の8番手に控え、フェイトフルウォーと並走気味。その後ろにベルジャザールがピッタリ追走。後続ではトーセンラー13番手、ショウナンマイティ15番手、ウインバリアシオンは最後方からレースを進めます。
スタンド前に差し掛かったところで、フレールが先頭でレースを引っ張り、前半1000mを60秒7で通過。⑩ロッカヴェラーノが3番手に浮上すると、パテック6番手、オルフェはスーサングレートと⑫ハーバーコマンドの間に挟まれて9番手の位置でゴール板を過ぎました。その後ろにフェイトフル、ベルジャ、トーセンラーと続いて、バリアシオンはまだ最後方。
1,2コーナーを過ぎて向正面に入り、先頭はフレールジャック、ヴェラーノが2番手に上がり、サダムパテックが3番手。ユニバーサルバンク5番手、ベルジャザールが6番手にポジションアップ。オルフェーヴルは9番手とまだ中団キープ。その後ろの10番手にフェイトフルウォー、トーセンラー12番手。ショウナンマイティとウインバリアシオンが坂に入るところでペースを上げる。
18頭が勝負の2度目の外回り3コーナーの坂に突入。今度はロッカヴェラーノが先頭に立ち、パテック2番手、フレールジャックが3番手に後退。そしてオルフェーブルが坂の下りで先団に進出し、3冠へロックオン!その外にトーセンラーもついている。
4コーナーを回って最後の直線に入ったところでオルフェーブルが先頭に立った!池添騎手の鞭が入れると一気に後続を突き放して独走態勢を築く!これで3冠ほぼ決まりだろう。2番手争いはサダムパテックが内で粘ると、ハーバーコマンド、トーセンラー、さらに最後方からバリアシオンが襲いかかり、残り100mのところでバリアシオンが2番手浮上。先頭のオルフェーヴルは最後流した形でゴールイン!文句無しの圧勝で見事三冠制覇!ウインバリアシオンはまたもや2着、トーセンラーが3番手でゴールしました。
全着順&払戻金
1着⑭オルフェーヴル 3分02秒8
2着⑬ウインバリアシオン 2馬身1/2
3着①トーセンラー 1馬身3/4
4着⑫ハーバーコマンド クビ
5着⑪サダムパテック 1馬身1/2
6着⑦ゴットマスタング アタマ
7着⑤フェイトフルウォー 1馬身1/4
8着⑱ショウナンマイティ ハナ
9着④ユニバーサルバンク 1馬身1/4
10着⑰フレールジャック 1馬身3/4
11着⑩ロッカヴェラーノ 2馬身1/2
12着②ルイーザシアター 3馬身
13着③スーサングレート 3馬身1/2
14着⑥シゲルリジチョウ 1馬身3/4
15着⑯ダノンマックイン 3/4馬身
16着⑨ダノンミル 8馬身
17着⑧ベルシャザール 2馬身1/2
18着⑮サンビーム 大差
払戻金
単勝 14 140円
複勝 14 110円 13 140円 1 230円
枠連 7-7 320円
馬連 13-14 330円
馬単 14-13 400円
ワイド 13-14 170円 1-14 320円 1-13 740円
3連複 1-13-14 1050円
3連単 14-13-1 2190円
史上7頭目の3冠馬誕生!オルフェーヴルが最後の直線で鮮やかに突き抜け、2着に2馬身半差の完勝で菊花賞を制覇。皐月賞・日本ダービー・菊花賞の「クラシック3冠」を見事に達成しました。3冠馬が誕生したのは2005年のディープインパクト以来6年ぶり。池添謙一騎手は今年GI4勝目で、32歳3か月の若さで三冠ジョッキーに。そして管理する池江泰寿調教師は、父・泰郎さんと並び、史上初の親子3冠トレーナーの偉業を達成です!
いや~それにしても、滅多に見られないだろう三冠馬誕生の瞬間をテレビで見る事が出来て、本当に幸せとしか言えません。直線で抜け出してぶっちぎろうとした瞬間は「すげえ!」声が上がり、ゴールした時は拍手しちゃいました。前走の神戸新聞杯同様、強すぎる走りを印象付けました。最後には勢い余って外ラチ沿いに突っ込み、池添騎手が振り落とされるシーンがありました。3冠を達成して喜びすぎたんですかねえ。今までの3冠馬で一番やんちゃかもな。
オルフェーヴルは昨年8月の新馬戦で勝って以降なかなか勝ちきれず、3戦目の京王杯2歳ステークスでは1番人気に支持されながらも10着大敗。しかし、今年3月のスプリングステークスで久々の勝利を飾ってからは連勝が続き、怒涛の5連勝で三冠タイトルを総なめ。開幕前は「本命不在」といわれていた牡馬クラシックですが、最終的にはオルフェの独壇場でした。府中・京都・阪神といったコース、馬場状態、内枠や外枠も関係なく勝ってるから、ますます強くなりそうな気がします。
三冠を制覇した後は、古馬との戦いが控えています。ブエナビスタ、アーネストリー、ローズキングダム、ヴィクトワールピサ、ヒルノダムールなどの強力な馬達を相手にどう戦うのかが見物。ジャパンカップか有馬記念で「4冠目」を獲得できれば、年度代表馬の可能性もあるでしょう。そして来年には凱旋門賞参戦という目標を掲げています。日本馬初の凱旋門賞制覇を目指して頑張ってほしいなあ。
長くなりましたが、オルフェーヴル3冠達成おめでとう!
来週・30日は東京競馬場で第144回天皇賞(秋)が行われます。今年3戦して未勝利のブエナビスタ、京都大賞典を勝って復活の兆しが見えたローズキングダム、上半期GP馬・アーネストリー、府中では5戦5勝のダークシャドウ、さらにはトゥザグローリー、トーセンジョーダン、ペルーサ、エイシンフラッシュ、レッドディザイアなど豪華メンバーが出走予定。これもまた見逃せないレースになりそうだ!