日刊魔胃蹴

暑すぎてつらい。

競馬界の暗いニュース

2012年02月03日 | 競馬
2月2日は競馬界にとって暗いニュースが相次ぎました。かつての名門牧場が2か所も閉鎖されれば、現役時代にスプリンターズSを制し、その後母となったスリープレスナイトが急死しました。


一部報道によると、北海道浦河町野深にある「オンワード牧場」が、後継者不在を理由に1月31日をもって閉鎖していた事が判明。この牧場は、大手アパレルメーカー「オンワード樫山」の創業者・樫山純三氏が1960年に創設し、1970年の朝日杯3歳ステークスの勝ち馬・オンワードガイ、障害の重賞競走を2勝したオンワードボルガ、東京ハイジャンプを制したオンワードメテオなど、重賞勝ち馬を多く輩出しました。
ピーク時の昭和60年代には180頭の馬がけい養されていましたが、その後は馬の数が減り続け、昨年9月には42頭まで減少。現在では従業員4人と繁殖牝馬1頭のみだったそうです。1月下旬には創業者の娘である樫山章子さんが牧場を訪れ、お別れの会が開かれました。
樫山氏は馬主としても有名で、1956年に牝馬2冠を達成したミスオンワード、1958年の有馬記念馬・オンワードゼア、1972年のフランスダービー(ジョッケクルブ賞)を制したハードツービートなどを所有していました。

また、日本ダービーや天皇賞などGI7勝を挙げた歴史的名牝・ウオッカ、2002年のダービー馬・タニノギムレット、2010年の菊花賞馬・ビッグウィークなど多くのGI馬を生んだ「カントリー牧場」(新ひだか町静内豊畑)も閉鎖されることが明らかになりました。オーナーの谷水雄三氏が健康上の理由で経営を断念したらしいのですが、9日の記者会見で詳細を明らかにするとのことです。


そして夕方に入り、突然の訃報が届きました。2008年のスプリンターズステークスの優勝馬であるスリープレスナイトが、けい養先のノーザンファームで右橈骨(とうこつ)骨折のため午前11時頃に死亡したとJRAのサイトで発表されました。8歳でした。
スリープレスナイトは2004年2月7日に父・クロフネ、母・ホワットケイティーディドの間に生まれ、3歳だった2007年1月に栗東・橋口弘次郎厩舎からデビュー。2008年6月のCBC賞で初重賞制覇を果たすと、北九州記念も制して重賞V2、そしてスプリンターズステークスでGI制覇を成し遂げ、その年のJRA賞最優秀短距離馬を受賞。2009年に右前屈腱炎で引退を表明して繁殖牝馬入り。繁殖入りしてからは、初年度にディープインパクト産駒の牝馬を出産。先月23日には2頭目の仔馬を出産したばかりでした。
現役時代は重賞3連勝の勢いで短距離界の頂点に上り詰め、母親としても期待され、これからだというところでの矢先での突然の悲報。2頭目の仔馬を産んでからわずか10日後に不慮の事故で天国に逝ってしまうなんてとは…。残された仔馬たちには母親の分まで活躍してほしい。スリープレスナイトだけでなく、アストンマーチャン、サンアディユ、カノヤザクラといった短距離戦線で活躍した牝馬が若くして亡くなりますね。カレンチャンには長生きしてほしい。






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