ブログ版 清見糺の歌 8(修二会) 鎌倉なぎさの会
66 毛のごとき性欲なびく低くのびる声に青衣(しょうえ)の女人よぶとき
「かりん」95年7月号
「青衣(しょうえ)の女人」には有名なエピソードがある。一二一〇年頃だというが、修二会の過去帳奉読の際、目の前に青衣をまとった女性が現れ、「なぜわが名を読み落としたるや」と恨めしげに言ったので、とっさに「青衣(しょうえ)の女人」と言ったのが始まりだという。それから八〇〇年、素性の分からない「青衣(しょうえ)の女人」の名は過去帳に記され読まれ続けているという。胎内にいるような感覚でうずくまって聞いている奉読、妖しく艶なエピソードをもつ「青衣(しょうえ)の女人」のイメージが、毛のごとき性欲につながったのだろう。青い衣を纏った女人の髪の毛のように細くて、しかし後を引くようなそんな性欲。(鹿取)
66 毛のごとき性欲なびく低くのびる声に青衣(しょうえ)の女人よぶとき
「かりん」95年7月号
「青衣(しょうえ)の女人」には有名なエピソードがある。一二一〇年頃だというが、修二会の過去帳奉読の際、目の前に青衣をまとった女性が現れ、「なぜわが名を読み落としたるや」と恨めしげに言ったので、とっさに「青衣(しょうえ)の女人」と言ったのが始まりだという。それから八〇〇年、素性の分からない「青衣(しょうえ)の女人」の名は過去帳に記され読まれ続けているという。胎内にいるような感覚でうずくまって聞いている奉読、妖しく艶なエピソードをもつ「青衣(しょうえ)の女人」のイメージが、毛のごとき性欲につながったのだろう。青い衣を纏った女人の髪の毛のように細くて、しかし後を引くようなそんな性欲。(鹿取)