かまくらdeたんか 鹿取未放

馬場あき子の外国詠、渡辺松男のそれぞれの一首鑑賞。「かりん」鎌倉支部の記録です。毎日、更新しています。

写真入り 馬場あき子の外国詠 135(ネパール)

2021-01-20 18:44:14 | 短歌の鑑賞


陽がさす前のニルギリ

※ニルギリはとても崇高で美しい山でしたが、フィルムを使うぼろいカメラの映像をデジカメ で撮って載せているため、美しさが伝わらずに残念です。
 ぜひ、ネットで検索して美しい山の姿をご覧ください。
 一例をあげます、中程にニルギリとダウラギリが載っています。 
       https://cannergy.sakura.ne.jp/theme/mt3.html

  馬場あき子の外国詠16(2009年1月実施)
    【ニルギリ】『ゆふがほの家』(2006年刊)83頁~  
     参加者:K・I、N・I、T・K、T・S、N・T、
         藤本満須子、T・H、渡部慧子、鹿取未放
     レポーター:T・H 司会とまとめ:鹿取 未放
                    

──── ネパールのアッパームスタンに「こしひかり」を実らせた
       近藤亨翁をたずねてジョムソンに行った。
(この詞書のような2行は、「ニルギリ」の章全般に掛かる。鹿取注)


135 眠りゐしをとめ醒むると声をのむほのかなりニルギリの初(う)ひのくれなゐ

      (レポート)
 夜のとばりに包まれていたニルギリが、仄かな朝日に照らされて、目を覚ますと(光が当たってくると)、全く息を呑む美しさである。その紅の色は。(T・H)


       (まとめ)
 山のいちばん高いところ、針のような一点に紅色が射す。そして徐々にその紅色が広がり山を覆っていく。初めて朝の陽光が射した瞬間の紅色の新鮮な感動を、眠っていた清らかな処女が目覚めたととらえた。誰も登ったことの無い処女峰だからをとめに見立てているのだが、「初(う)ひのくれなゐ」というほどに犯しがたく神々しい山の夜明けを伝えている。(鹿取)


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