「短歌と書」展より
かあさんは手紙ひらけばそこに在る夕枯野よりやって来るひと 渡辺松男
2024年度版 渡辺松男研究42(2016年9月実施)
『寒気氾濫』(1997年)【明快なる樹々】P143~
参加者:M・S、鈴木良明、曽我亮子、渡部慧子、鹿取未放
レポーター:鈴木 良明 司会と記録:鹿取 未放
349 春さむき大空へ太き根のごとく公孫樹の一枝一枝のちから
(レポート)
公孫樹の枝は、欅の繊細な枝などとは異なり、幹からいきなり太い枝を差し出す。まだ寒さの残る春に、そのような公孫樹の裸木が大空に向かって「太き根のごとく」 枝を差し出している姿を目にして、公孫樹の「一枝一枝」のみなぎる「ちから」を作者は感じているのだ。(鈴木)
(当日意見)
★大空に向かって根のような枝が伸びるのが面白い。(曽我)
★「一枝一枝」の部分をレポーターの鈴木さんは「ひとえだひとえだ」 と読まれました
が、私は「いっしいっし」 と読みました。ルビは振られていないのですが、「いっし
いっし」 の方が音数に収まるし、枝の伸びる力強さが出るように思います。(鹿取)
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