かまくらdeたんか 鹿取未放

馬場あき子の外国詠、渡辺松男のそれぞれの一首鑑賞。「かりん」鎌倉支部の記録です。毎日、更新しています。

馬場あき子の外国詠 231(中国)

2019-05-03 20:56:33 | 短歌の鑑賞
馬場あき子の旅の歌30(2010年9月実施)
      【李将軍の杏】『飛天の道』(2000年刊)180頁
      参加者:N・I、曽我亮子、T・H、渡部慧子、鹿取未放
       レポーター:曽我 亮子 司会とまとめ:鹿取 未放


231 仏教とイスラムと激しくたたかひしその骨深く蔵(しま)へり沙漠

      (レポート)
 前漢の時代、武帝によって敦煌が「河西廻廊」の最前線と位置づけられて以来、仏教徒と異教徒が激しく戦った歴史は多々あり、双方の戦死者の骨や武器等がそのまま地中深く埋もれて今日に至っている。沙漠は敵味方、人種を超えてあまたの人々の骨と魂を砂中ふかく抱えながら悠久の時を刻んでいる。作者はその哀れと悲しみを詠っておられる。(曽我)


     (当日意見)
★アウトラインはレポーターのいうとおりですけど、イスラムって固有名が出ているから、少しイ
 スラムに特化しても考える必要があるかなと思いますが、難しいですね。この歌、骨が出てくる
 から武力衝突ってことですよね。イスラムでなければ、中国の歴代の王朝はずっと北方民族と戦
 って来たんで分かりやすいけど。イスラム教は7世紀にはじまったそうですが、中国に伝わる過
 程で、また伝わってからも武力でのせめぎ合いがずっと行われていたんでしょうか。明の時代の
 1404年、ティムールが中国遠征の為、20万の大軍を率いてサマルカンドを出発したという
 記事が教科書なんかに載っていますけど、具体的な衝突については調べてもよく分かりませんで
 した。(鹿取)


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