De cela

あれからいろいろ、昔のアルバムから新しい発見まで

日本の選択

2011-07-10 22:03:18 | 震災と復興


圧倒的な世論は原子力発電の廃止。
NHKテレビ討論も見ました。今日は原発反対の講演会への参加を勧められましたが暑さを理由に遠慮しました。
世の中は原発稼働再開も許さない流れです。
菅さんも、原発をとめた内閣として名を残そうと必死です。

この流れは正しいです。原発を安心安全と言い続けた『嘘』に対する厳しい世論です。

私は震災以前は原発容認派でした。いまは廃絶派です。容認だったとはいえ、安全ではないことは確信していました。ただ、その程度はまさかのこんな大事故大損害しかもこれからの日本の先行きを閉ざしてしまうような大惨事があり得るとは思っていませんでした。

東海臨界事故が起こった時、このような人為的な事故は繰り返し起こる。そして周辺住民に対する人的被害も繰り返して起こる。それを国も電力会社もしっかりと住民に知らせ、避難対策を十分取ることだ。原子力施設側の壁は全部鉛入りにして、各家庭に防護服と除染設備を設ける。自治体は繰り返し避難訓練を行う。原子力施設が危険なものであることを十分知らせ、日本が原子力発電を持たなければならないという日本人の選択(決意、ディシジョン)のもとにこれを受け入れるという条件での容認派であった。

国は小中学校の教科書から原子や放射線の単元を削り取り、無知な状態にして原子力発電を安全安心と思いこませた。

この罪の重さは計り知れない。

しかしである。原発を順次停止していま全廃するということは、新たな覚悟を国民に強いることになる。その責任も政府はとらなければならない。
日本の電力の30%を賄っている原発による電力供給なくなる。それは日本の産業が30%ほど海外に出ていくことにつながる。その分失業者が急増する。
電力供給力に甘えて快適で便利な生活に慣れ切った我々個人の生活の仕方も大きく変えなければならないが、その前に日本経済が縮小して節電アイデアの出し合いで悠長な話をしている状態ではなくなる。

原発推進派の役人や自民党の脅しに負けるわけにはいかないが、そういうこともわれわれ日本人の一つの選択として受け入れる覚悟が必要である。

確かに、再生可能エネルギーによる発電で、将来原子力に頼る必要はきっとなくなるだろう。しかし、日本には風力発電設備を作る電気がなくなるということである。シリコンウエハを作る電気も工場も無くなる。それらの装置は海外から買わなければならない。その金は国債の発行で賄う。

日本は未曾有の借金国である。国内に資産を持たなくなれば、日本の破綻は1日でけりがつく。
そういうことにならないようにしながら原発を停止させ、産業の海外流出を最小限にして、貧困を受け入れる覚悟を固めなければならない。

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3 コメント

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Unknown (るり)
2011-08-08 13:39:05
大学のスピーチの授業で原子力に賛成か反対かという課題が出されました。まるで原子力に無知であった私は元旦那に意見を求めました。彼はこちらの電力会社の弁護士。もちろん彼の意見は原子力賛成でした。はじめは怒りを覚えましたが、彼の説明を聞くうちにアメリカでは原子力を廃絶することは無理なのかとも納得させられました。アメリカも日本と同じく電力の約30パーセント弱を原子力に頼っています。その他の70パーセントは風力15パーセント、コール35パーセント、ソーラー20パーセント、などいくつかの方法があります。しかし、原子力は一番確実な電力でしかも今ある原子炉を閉鎖してソーラーや風力発電の設備を作るのは莫大なお金がかかるそうです。しかし、彼も30パーセント以上の電力を原子力に頼ることは反対で今以上に原子炉を作ることにも反対だと言います。危険すぎるからです。
フランスは世界一原子力に依存している国だそうですね。70から80パーセントのフランスの電力は原子力だとか、、。恐ろしいですね。何が一番いい方法なのでしょうか? ちなみにスピーチのクラスではクラスメートの約80パーセントが原子力反対のスピーチをしていました。
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Unknown (tatter)
2011-07-11 09:28:52
今度こそ、『反対』を唱えればその分の覚悟が即必要となる日本人初めての試練。

そこまで承知してデモに参加しよう。
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Unknown (権兵衛)
2011-07-11 07:43:03
まさに、その通りですね。今度は原発即廃止に、いきなり、一色に染まってしまうことに、危惧を感じてます。俯瞰図を持ったうえでの冷静な判断が必要なのではないか?

思惟の貧困の上に生ぜしめていた豊穣感。パニックも起こさずに、つつましやかな社会への変換。容易なことではないような気がする。
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