徒然なるままに

子供の頃から活字が好き。読んだ本のこととか日々の暮らしの中で感じたことを綴っていきます。

「最強のふたり」を仕方なしの二人で

2012年09月27日 | Cinema&ドラマ&劇&音楽
最近はアメリカ映画はあきあき。
迫力ある暴力的な場面の多い映画ばかり。

近くのシネコンで公開されたので「最強のふたり」を観てきた。
多くの方々の感想を読んで、まぁ大体予想できるような内容だろうけどよさそうかなって。
映画は一人で観て涙を流したり笑ったりしたいのだけど、仕方なしにツレアイに声をかけた。
「いって来い」と言ってくれるのを期待して・・それはやはり甘かった。
誘われたと思ったんだろうか(笑)

どこの国にも貧しさはあるんだなってまず思った。
アメリカの下町っぽい情景もあったけれど、主役の一人が黒人だから余計感じたのかな。
黒人っていうとアメリカ映画のイメージがある。

わたしは今の仕事に変わるまで長いこと、この主人公よりも重度の障害者の方のボランティアをしていた。
わたしも彼のように、相手を可哀想とか同情とかそういう感覚が一切なかったので、いつも言いたいことを言い合ってめちゃ楽しかった。

彼女があるときぽつんと、「死にたい」
こんな身体で生きていても自分ではないもできない、人の世話になるばかりと思ったんだろう。頭が痒くても自分ではかけない。聞きづらいけどお話だけができる。

「無理無理、美人薄命って言うでしょ?だからあんたもわたしも死ねないよ~。100まで生きちゃうんだよ」ぎゃははってな調子。

彼女は先月の和太鼓のフェスティバルもヘルパーを頼んで介護タクシーでワザワザ応援に来てくれた。
わたしのネット友達も、愛知万博の時、ボランティアとして関東から駆けつけてくださった。
函館に行ったときも、やはり初めて会うネットの友人がホテルまで訪ねてきてくださった。

彼女とわたしと友人たちは不思議な友情で結ばれている。

生まれた時からずっと障害者に比べれば、後天的障害者は恵まれている。人生を二度経験できる。とわたしは思っている。

この映画はウィットに富んでいて、楽しかった。
さすがフランス映画。なのに最後に涙がこみ上げてきた。

障害者という言葉さえ気を遣い「障がい者」と表記することが理解があるとされているけれど、彼らにとって害があるということで、彼らが害ではない。

「あんたは運が悪かった」(事故でこうなったから)
決して可哀想という同情心は持っていない。
傍からみれば、はらはらするようなやり取りだ。

真の対等に立った関係だからこそそこには友情が芽生えるのだろう。

彼が障害者となった原因のパラグライダー(?)にまた挑戦する場面で流れた曲がめちゃくちゃよかった!

俳優の名前も何も覚えられないけど、ロバートデニーロをもっといい男にしたような主役だった。
品のいいつまらない誕生日のパーティの最後に踊りだした介護人は、しびれるような踊り。
黒人にはかなわないよな~~って思った。
でも楽団のクラシックの名曲の数々には酔いしれた。
ビバルディいいな。

主人公に笑顔がだんだん増えてくる。こっちまで笑顔になる。

エンドロールはとても長かった。読めないけど必ず最後まで観る。
この映画に携わった方々の名前が全部流れるから、ちゃんと最後まで観るのが敬意をあらわすことかなって。
8割がた席が埋まっていて驚いたけど、ほぼ全員シニアだった。

結局、教養、氏素性、違っても人間対人間として友情ははぐくめるんだってことと、介護ということの真髄を垣間見た気がした。
いい映画だった。
何年経ってもわたしの映画のポケットに残っている映画になるのかな。



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