子どもの頃、家ににあった子供向け世界文学とかいうシリーズの中で「阿Q正伝」という題名をみて、変な名前だなぁ、と感じたのを覚えているのですが、手にして読むまでは至りませんでした。
光文社古典新訳文庫で出ていることを知り、この歳になってやっと、読んでみようという気に^^;
魯迅(ろじん、ルーシェン)は文学革命時代に活躍した中国の作家。
こちら裏表紙の内容説明。
中華民国建立の怒涛の時代に生きた作家で、中国文学においても大きな変革期であり、文章からは新しい息吹が伝わってくる一冊でした。これは子どもの頃に読むより、歳くってから読んだ方が良かったと思った。おそらく子どもが読んでもわからん話だと思う^^;
著者プロフィール。
翻訳者プロフィール。
短編集で、吶喊(とっかん)は1923年に発行された小説集です。この中に、魯迅の代表作である「阿Q正伝」が収録されています。中国農村部の村社会を達観的、アイロニックに捉えた小説です。
いずれの作品も、淡淡とした文章から、当時の中国の姿が伝わってくるような気がします。
この本を読むことを機会に、清から中華民国へ、辛亥革命から国共内戦、中国人民共和国の成立までの歴史を勉強しなおしました。
(高校時代、数IIIや物理IIばかりやってて、世界史を勉強していなかったのが今になって悔やまれました^^;)
朝花夕拾(ちょうかせきしゅう)は、魯迅の自伝回想記。「藤野先生」からは魯迅の日本時代の暮らしや考え方が、「范愛農(ファンアイノン)」からは、清朝末期の混乱、徐錫麟への思いが伝わってきます。
付録には、魯迅の最初の白文小説「狂人日記」がありました。被害妄想に囚われた友人の弟の日記なのですが、これが実話なのか、それとも恩師を処刑した清軍への抗議なのか、、?と、思いましたが、訳者解説を読むと、ベースになる出来事はあって、さらに被害妄想というのは一面的な捉え方で、迫害病という聞きなれない表現が翻訳者のこだわりのようです。
全体を通して、すらすらと読める、面白い一冊でした。
書誌情報。
吶喊は、1932年に井上紅梅訳で出てから、いくつかの翻訳がありますが、Wikipedia に詳しいです。
p.s. 今日は昼飲み。
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