今年はシャコが獲れない、スミイカが少ない、サバフグが多い、とテンヤスミイカファンにとってはシビアな年なんですが、その代わりを補って余りあるのがモンゴウイカ。
いつもの小柴港。朝が暗くなりました。
スミイカの代役のように思われているモンゴウイカですが、釣り自体は面白いし味も良し、じっくり専門に狙いたいなと思っていて、今年はそのチャンス。
きっかけはこのときの釣行。餌木アオリとも餌木スミイカとも違う、モンゴウイカ独自の釣り方があるのではないかと思い、使えそうな竿を買ったり準備してたのですが、うかうかしているうちに乗合が出なくなってしまった^^;
その後も、モンゴウイカが交じりそうなポイントでは仕掛けや釣り方に工夫してみたのですが、いかんせんスミイカ釣りの合間にちょっと狙うことばかりで、なかなか結果が出ない。そんなところ、今年はモンゴウイカ専門、一日中モンゴウイカを狙うそう。
したら、今日はモンゴウをターゲットに絞った釣り方を試してみましょう、そうしましょう。
そんな感じで作ったのが、上の仕掛け。
通常のダウンショットスッテは、捨て糸 < 枝素、という関係です。例えば捨て糸が25cmで枝素が50cmといった感じ。
これを、捨て糸 > 枝素の関係で作りました。捨て糸60cm、枝素45cmといった感じ。
上の写真のように、仕掛けを吊るすとオモリが下にきて、餌木がぶらさがります。
これをダウンショットエギングと呼んでみます。DSE釣法とアクロニムの方が若者ウケは良いでしょうか。スッテを使うダウンショット釣法とダウンショットエギングが似た名称で紛らわしいので、以下ダウンショットエギングのことをDSE釣法と表記します。
ダウンショットではスッテを底に這わせ潮に乗せるので誘いは恣意的になりますが、DSE釣法は意図的に誘いをコントロールするアクティブな釣り方です。
これは、スミイカと比べ獰猛とされるモンゴウイカに適した釣り方かと思います。
後ほど、誘いパターンを記します。
とりあえず、タックルはテンヤスミイカと一緒。21世紀スミイカSPとABU6500ガンナー。
ポイントは竹岡沖の水深25m前後です。
船中1杯めはわたしの竿に。
ずっしり重いキロオーバーのモンゴウイカ。
DSE釣法を説明します。
3つの誘いパターンがあります。
(1) オモリを底に着けたまま、糸を張って待ちます。
このとき、海底からちょっと上で餌木は水平バランスを取っています。これが基本パターン。
(2) (1)の状態から竿先をシェイクさせ、糸のテンションを変更します。
このとき、海底からちょっと上の位置で餌木がチリチリと振動している状態をイメージします。この振動の動きがDSE釣法における誘いのメインになります。
(3) (1)の状態から竿先を下げて意図的に糸ふけをだします。
このとき、餌木は着底し頭を底に着けて尾部を斜め上に向けて静止します。浮いている餌木をフッと沈めるアクションが誘いになります。
(1),(2),(3)のパターンを組み合わせ、餌木を動かし、そして止めて、イカを誘います。
シェイクの強さや時間、静止時間などの組み合わせは∞。
いずれのパターンもオモリは動かしません、海底に付けたまま。
あるていど誘って止めたら、テンヤスミイカの要領でしゃくります。イカが乗っていればこのときにハリ掛かりします。
ただししゃくり幅はテンヤスミイカよりも大きく、枝素の長さx2(1m前後)にします。これは餌木のフォール距離を大きくとってアピールを高める目的です。
この日は3号の餌木を使いました。
2kgモンゴウで嬉しそう。(写真提供:三喜丸)
2kg級のモンゴウイカになると迫力抜群、バケツの中で斜めになるほど。
この日は餌木もスッテもオレンジ系が乗りが良かったです。
9杯釣りあげ、バケツからあふれるほどのボリューム。
400g級は1杯のみであとはキロクラス、水揚げは10kgオーバーいってると思います。
本日の船宿ブログはこちら。
この日の釣り客は5人、わたしは胴の間に入れてもらいました。他の4人はダウンショットかエギテンヤで、DSE釣法はわたしだけ。胴の間で竿頭だったので、DSE釣法がモンゴウイカに対して優秀な手法である可能性が示されていると思います。
ただ、この日は一日を通して潮は穏やか。後半に効き始めた下げ潮では、潮先のダウンショットの人に猛追されたこともあり、潮具合に応じた誘いの使い分けはこれからの課題かなと思います。
餌木の色選択もけっこう重要で、獰猛なモンゴウイカはアオリイカともスミイカとも違ったカラーセレクトが必要な気がします。いくつかアタリカラーは目をつけていますが、変な色です。
それと、今回はテンヤスミイカのタックルを使いましたが、DSE釣法には異なった調子の竿があっていると思います。ティップをもっと柔らかくして穂持ちを手元に寄せる感じの竿で、市販の竿には無い調子です。マルイカのゼロテンロッドをスケールアップしたような竿があれば、誘い(特にシェイク)が入れやすいかなと思います。
あとアタリですが、上記(3)の落とし込みで糸が引かれるような動きをし、即合わせで乗ったことが1度ありました。タックルバランスを調整すれば、アタリを取って掛けるような釣り方も可能ではと思います。
などなど、モンゴウイカのDSE釣法にはブラッシュアップしたいことがたくさんありますが、もう昔のように通い詰めて探求することは無理なので、折をみてのんびりぽちぽちと試行してみます。
[小柴港 三喜丸]
http://www.miki-maru.com/
p.s. やっぱり海の上はいいなぁ。