DEEP ACIDなんでもかんでも日記・ヤプログ!より移行

ふなっしー人気の秘密

 書き忘れていたが、月曜のなんとNHK夜9時のニュースにあのふなっしーがゲスト出演していた。あわせてゆるキャラの名付け親、みうらじゅん氏まで格調高いNHKニュースに出ていてビックリ。
 まあそのことは本題ではない。ふなっしーのインタビューで人気の自己分析をしていて、「非公認からひたすら頑張ってきた努力の物語に応援することで自分も物語に参加していると感じられるから」と語っていた。あぁ、それってAKBと同じじゃん(特に指原莉乃)。ダメな子が努力してトップに立つ、と言う物語に共感して彼女たちを応援するのと同じだ。今の時代ってそういうのが多いなあ。
 以前から、僕は音楽に関して、作品とアーティストは別物で、たとえアーティストが悪いことして捕まっても、それで作品の価値がなくなるなんてことはない、と言う主張を繰り返してきた。これは芸能人についても言えることで、その人の努力云々なんてことは芸の評価には何も関係ない、と言う考え方。
 ここまでは個人的趣味の話だが、実際こういう他者の体験を自分に重ね過ぎるのはあまり冷静なことではないと考えるので心配だ。例えば、東北楽天イーグルスの日本シリーズ優勝は東北地方に熱狂的な盛り上がりをもたらしたが、それで東北の人たち1人ひとりが頑張れるのは結構なこと、しかしお祭り騒ぎで冷静さを失うマイナス面も気になるのだ。実際政府は復興のための予算についての審議よりも特定秘密保護法みたいな議論ばかりやっている。むしろこうした盛り上がりを隠れ蓑にしてこうした自己都合の法案審議を図っているように思えてならない。
 こういう心理的傾向は東日本大震災以降、増えているように思える。確かに災害の規模があまりに大きすぎて、現実を直視するよりも祝祭的気分に逃避したくなるのは大変よく理解できる。しかし自然災害なんてものは1人で抱えきれるものではなく、外に向かって訴えることの方が重要に思える。宗教的祝祭が失われた現代において、こうした勝利の物語が取って代わるのは分からなくもないが(宗教的祝祭の方が「神様に」訴えている分、まだましに思える)。
 と言うことで、ゆるキャラなどで盛り上がるのは良いけれど、冷静さを失うことのないように、と言うお話。
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