午前中は個人発表。以下、専門的な議論をする立場ではないので、個人的感想レベルで。
○『耳の中世化』ーEDMから考える音楽史ー(田中公一朗氏)
Deadmau5と中世の雅楽などを同じ遡上に載せると言う大胆な仮説は面白い。その一方、やはり研究のアプローチの仕方に対する指摘が多い。あと、そもそも論もいくつかありました、「なぜEDMと中世音楽が似ていると考えたのか」と言った具合。歴史学の参考文献が現状の中世化を論じていることにヒントを得たと言うが、その要点は聞きたかったな(まあamazonのブックレビューとかで調べればよし)。
○同人音楽における声と少女性をめぐって(藤下由香里氏)
同人音楽に限った話ではないかもしれない、つまりアイドルと言うものが今や性的欲望の対象と言う一元的なものではない、女性自身が少女キャラクターに積極的にコミットして同人のコミックやアニメに連動する同人音楽にボーカルを提供したり、作詞作曲に関わる、と言う話。確かにラブライブとかはアイドル☆マスターとかは少年向けコミックではなく少女コミックの系統。まあ今どきのアイドルが分からないのは、歳をとったこともあるが、細分化が激しいのも大きな理由だろうな。
あと、表現の匿名性と言うのは確かにコミケカルチャーで重要な視点かも。表現者ではあるが、顔出ししないし、いわゆる“等身大の自分”とはかけ離れた、虚構の世界の世界観。こうしてネット依存性な自分(自爆)も、ある意味等身大の自分なんてクソなものとかけ離れた世界をここで作りたいのかもしれない、方向性は全然違うけど。
○ポピュラー音楽メディアとしてのコンピュータゲームーゲーム構造および楽理面から見たゲーム音楽の構造分析手法に関する検討ー(伊藤彰教氏)
楽理的な話は分かりません(正直)。ただ、音楽がCDなどのパッケージメディアで流通していた時代とゲーム音楽と言う形で音楽消費のアプローチの仕方の違いの大きさはかなり衝撃的だった。別にラジオでたまたま聞いた音楽を好きになった、と言う経験は昔だってあったのに、今や本気で作者を知らずに作品を消費すると言うのはごく当たり前になったらしい。これじゃ特定アーティストのライブなんか行かずにフェスなどでなんでもありのライブしか行かなくなるよね。
午後のワークショップセッションについては後ほど。
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