DEEP ACIDなんでもかんでも日記・ヤプログ!より移行

有馬銅羅魔「競演」@浅草リトルシアター

 牧瀬さんのお芝居は1月末以来。あの時は高円寺でかなり広い小屋だったが、今日はいつものリトルシアター。50分もあれば移動+食事の時間が取れるかな、と思ったが、銀座線一本なのに移動時間が思いの外かかり食事する暇なし。開演直前に到着したらほぼ満席、手洗いを済ませたらすぐに前説。
 語り芝居2話で1時間15分ほど。牧瀬さんは前半に井上知之さんの語りで登場。
 なんとも不思議な話だ。内容は2話とも悲劇。ストーリーの問題ではない、言葉だけの語りと言う世界で、こうもリアルに光景が浮かぶものかと。昼間は意味の分からない専門用語の大海に溺れかけながら生きている身にとって、こうもダイレクトにイメージを喚起する言葉があると言うことにブッ飛ばされた。確かに最近は小説も読んでないし、言葉そのものを忘れて、あれ、とか、これ、とか指示代名詞でごまかしてしまうこともあるほど。中国の科挙の受験生の落ちぶれた物語だったり、盗人が吉原に身売りされた姉を救い出すも病に散る話など日常とは程遠い物語が、実感とは別にものすごいコンテンツ性を持った言葉のつむぎ方、語り方の技には驚いた。落語とか、浪曲とか、語りと少しばかりの楽器演奏(もちろんエイコさんの三味線)だけで構築されるドラマはまさに浅草の真髄としか言い様がない。これまでも有馬さんは不思議な存在感のあるお方でしたが、今日の芝居は特に五臓六腑を揺るがすようなリアリティ溢れるドラマにやられました。
 牧瀬さんは出自はストリップと言う言葉のない世界からスタートしているが、一方で小説や短歌をものし、エッセイ連載も持つなど、言葉だけの対極的な世界を渡り歩いている人。語り部役ではないのでセリフは少ないですが、白霞で亡霊ならではの色っぽい存在感は若い子には絶対できない。華やかと言うより単色世界の水墨画のような力強い世界観を見せてくれた素晴らしいお芝居でした。
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