祈りを、うたにこめて

祈りうた・いのちうた(連祷)

連祷


1 息子たちの入院前夜に
―二〇二五年〇月〇日


今日が来る
今日が来ることを待っていた
今日が来ることを恐れていた
どちらもの今日が ついに来る

―肝臓の移植、それがいま治療と言える唯一のことです
医師はおだやかに告げた
―臓器提供者(ドナー)、それが見つかりさえすれば良いのです
生体肝移植―初めての診察の予期しなかった告げ知らせ

―自分は受けたくない
弟の拒みは強かった
ドナーの兄の言葉 それがこころに沁み入るまで
兄の愛を裏切れない そう思い至るまで

―移植のほかに治療はないのだナ
その自答までの 父母のためらい
―移植手術をすること それを医師に託そう
その決断までの 父母の葛藤

心配が胸で弾ける 不安が足の先から湧いてくる
真っ暗な天井 打ち続ける鼓動
来て欲しかった、来て欲しくなかった
息子たちの入院 どちらもの日がとうとう来た



2 声

―祈っていてください
という 信頼の・熱い・切なる声

―祈っています 
という 静かな・温かな・力強い声

虹を仰ぐ者同士の
望みは叶うと信じる者同士の 声



3 神の領域
神は信頼に値する方です。(新約聖書「コリント人への手紙一」十章)

祈っています ということばの温もり
信じる方に出会ったひとの温もり
ありがとうございます と頭を下げる
神の領域のまんなかに十字架が立っている 

雲間に青空がみえる
それがわずかでも 光だとわかる
妻とわたし 胸の波がなだらかになっていく
感謝の祈りがわいてくる



4 手術日前日の祈り

今日一日 息子ふたりを守ってください
今日一日 心がなだらかでありますように
今日一日 体調が穏やかでありますように
今日一日 おいしく食べられますように

今日一日 家族が心配やおびえで震えませんように
今日一日 手術チームが十分に備えられますように
今日一日 祈り手の魂を祝福していてください
今日一日 妻と私の手をあなたに繋がせていてください





◆言葉に愛を宿したい。
◆いつも読んでくださり、ほんとうに有難うございます。


  • Xでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

最新の画像もっと見る

最近の「伴走・再生」カテゴリーもっと見る

最近の記事
バックナンバー
人気記事