3ヶ月以上前にリリースされた作品のレヴューを書く、というのは如何なものかとも思いますが(苦笑)
とりあえず、書こう!という感じになかなかならなかった1枚で、それはインパクトよりスルメ的要素の強さかな、とも思うのです。
KAKOiMIKU(カコイミク)
『DIGIDIGI LALA』
2009/7/8リリース
PATCH WORKS LABEL
PWSR-1021
以前、メジャーレーベルからミニアルバムを2枚リリースしていた女性ヴォーカリスト、カコイミク。
その時に、私はこんな記事を書きました。
それから2年以上が経ち、彼女はインディレーベルから復活の狼煙を挙げることとなります。
以前のサウンドは、実に私の好みで大好きだったんですが、彼女自身は最近のインタヴューで、違和感を感じてたコトを吐露しています。
確かに、今聴き返してみると、ヴォーカルよりもサウンドの方に比重が掛かっている様に感じられる気もする。ま、私はその辺りも含めて好きでしたが(笑)
そんな彼女が今回選んだプロデューサーは、昨今センスのいい音作りで話題の“大橋トリオ”こと大橋好規。
コレが実に上手くハマっているのだ。
以前よりもヴォーカルがフロントに出てくる。しかも、サウンドは控えめに主張をしつつディテールに細かい拘り。彼女が持つ“ブラックテイスト”を押し出しすぎず、ありきたりなR&B系サウンドに嵌め込まなかったプロデュースワークに脱帽です。
全6曲の詩は彼女自身が書き、作曲は4曲を大橋氏。大橋トリオのサポートを勤めるギタリスト、椎谷求氏が2曲を書いています。
全部の曲に共通して漂うのは、柔らかくも力強いヴォーカルを暖かく包み込むオーガニックなサウンドとメロディ。いい空気感です。
ちなみに、彼女と大橋氏は同じ事務所で、大橋トリオのmyspaceで音を聴いて気に入り、事務所を探し自ら売り込みに行ったというお話。密なコミュニケイションが作品の雰囲気に出ている気がしますねぇ・・・・
私が最も好きな曲はタイトルチューンの「Digidigi Lala」。ピアノやハモンド(?)の鍵盤が印象に残るミドルグルーヴ。彼女のスモーキーでソウルフルなヴォーカルと実にマッチした音が自然と身体を揺らしてくれます。
彼女のmyspaceで、ちょこっとずつ試聴できます。是非聴いてみてください。
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