今日、法務省から、司法試験予備試験の受験者数が発表されました(但し、速報値です)。朝日新聞社が、今日の17時16分付で「司法試験の予備試験受験者、初の1万人超」として報じています。
予備試験が始まったのは2011年で、これまで受験者数が増え続けています。今年は1123人増の10347人です。ちなみに、出願者数は昨年の段階で1万人を超えています。
昨日(5月18日)、全国7会場で短答式試験が行われました。その後、7月12日および13日に論文式試験が札幌市、東京都、大阪市および福岡市で、10月25日および26日に口述試験が東京都(またはその周辺)で行われることとなっており、合格発表は11月6日です。
予備試験そのものには受験回数制限がありません。また、予備試験に合格することにより、法科大学院修了者と同等の資格が得られますので、司法試験(本試験)を受けることができます(但し、回数制限も加わります)。
昨年行われた司法試験で明らかになっていますが、予備試験の合格率は2割程度であるものの、予備試験合格者の司法試験(本試験)合格率は非常に高く、どの法科大学院よりも高いという結果も示されています。今後、法科大学院ではなく、法学部が気合いを入れて予備試験対策などをする必要がある、と言えるかもしれません。
獨協大学の場合、今年、入学試験の実施を予定していました。しかし、それを取りやめた訳です。内部事情はわかりませんが、相当に追い詰められての結果でしょう。
今年に入ってから、募集停止、すなわち事実上の撤退表明を行った大学が増えています。入試の時期を考えると、2015年度入試を行わないことを発表する法科大学院がこれからも増え続けるというのは考えにくいのですが、受験者が減り続けることは確実でしょう。そうなると、2016年度入試を行わないことを決定する法科大学院はさらに増えるでしょう。
募集停止を行い、しばらくして募集を再開するという事例は僅少です。何年間かは存続しますが、学生が全員修了すれば法科大学院は閉校となります。こうなると、法学部などを中心に教員の再配置という大問題が発生します。法科大学院制度が発足した時とは逆の動きになる訳です。
現在のところ、国立大学では島根大学、信州大学、新潟大学、鹿児島大学、香川大学・愛媛大学(連合)の順に募集停止を発表しています。今後も、募集停止を発表する大学が増えることでしょう。
法学部の一教員として、様々な意味で困ったことです。
当初の定員は50名で、2004年度はこの定員を上回る入学者がいたのですが、2005年度から定員割れを起こし、2010年度に定員を30名としたものの、定員割れが解消されなかったとのことです。
これまで320人が入学しており、そのうちの45人が司法試験に合格しています。
定員割れを起こしたのは2008年度からで、2010年以降にはそれまでの30人から20人に定員を減らしたのですが、それでも入学者の減少を抑えることができず、今年の入学者は3人であったとのことです。
これまで153人が修了し、そのうちの28人が合格しています。