仕事から帰ってきて、「あー疲れたなー」とか思いながら風呂入ったんですよ。
んで、髪とか洗ってたんですけどね。
その時にふと、本当にふと思い出した事があったんですよ。
それはおっさんがまだ高校一年生だった頃。
今みたいに擦れてなくて、純真無垢な童貞だった頃ですよ。
世間知らずというか、ちょっとズレているというか、
あの頃は「どんな人間とも喋れば仲良くなれる」と本気で思い込んでいたわけですが。
さてそんなおっさん、校内・・・確か渡り廊下で見知らぬ先輩方に声を掛けられました。
今では声も顔も思い出せない先輩方なのですが、その先輩方がこう言うんですよ。
「ツレが女を妊娠させちゃったから、カンパ金を集めてる」
「500円でいいからくんねえ?」
と。
俺は驚きました。
高校生ってのはそんな事もあるのか。
俺は女の子とも上手く話せないけど、この人達はそんなレベルじゃない悩みを抱えているのか、と。
慌てて財布を確認する俺。
財布の中を見たら、なんと8円しか入っていない。
うわ、そういえば、昨日『ゆず』のシングル買ったんだった!!
俺はションボリしながら素直に、
「すいません、今8円しか無いッス・・・ごめんなさい、お役に立てなくて・・・」
と財布を見せました。
先輩方は一応財布を確認して、ちょっとヒキ笑いを浮かべつつ、
「あ、うん。 そっか、ごめんな」
それだけ言ってどこかに行ってしまわれました。
なんて事だ。
俺は何の役にも立てないのか。
あの人達どうするんだろう。 妊娠させちゃった先輩どうなっちゃうんだろう。
そんな事を考えながら、己の無力さを恥じておりました。
その後、時は流れ体育祭前。
うちの高校では、体育祭前には1年~3年が集まり、
応援の練習をしてたんですよ。
んで、いつもの様に大声で練習してたんですが、
そこで例の先輩方のうちの一人を発見。
「あ、先輩! この前はすいませんでした! ・・・大丈夫でしたか?」
と心配しながら声を掛ける俺。
「えっ、あっ、うん・・・大丈夫だったよー」
何やら困惑気味の先輩でしたが、なんとかなったようで良かった。
ホッと一安心。
「そうですか、よかったです。 お役に立てず申し訳ありませんでした」
「いや、いいよ、うん。 ありがとうね」
なんて心の広い先輩だろう。
こんな役立たずにも気を遣ってくださるなんて。
俺もこんな先輩になれるように頑張ろう。
・・・。
そんな事を思い出しながら、髪を洗ってました。
うん、心温まるお話やね・・・。
あれ?
あれってカツアゲだったんじゃね?
16年目にして知る真実。
ていうかなんで今の今まで気付かなかったんだ俺は。
とか身体を拭きながら戦慄しておりましたとさ。
んで、髪とか洗ってたんですけどね。
その時にふと、本当にふと思い出した事があったんですよ。
それはおっさんがまだ高校一年生だった頃。
今みたいに擦れてなくて、純真無垢な童貞だった頃ですよ。
世間知らずというか、ちょっとズレているというか、
あの頃は「どんな人間とも喋れば仲良くなれる」と本気で思い込んでいたわけですが。
さてそんなおっさん、校内・・・確か渡り廊下で見知らぬ先輩方に声を掛けられました。
今では声も顔も思い出せない先輩方なのですが、その先輩方がこう言うんですよ。
「ツレが女を妊娠させちゃったから、カンパ金を集めてる」
「500円でいいからくんねえ?」
と。
俺は驚きました。
高校生ってのはそんな事もあるのか。
俺は女の子とも上手く話せないけど、この人達はそんなレベルじゃない悩みを抱えているのか、と。
慌てて財布を確認する俺。
財布の中を見たら、なんと8円しか入っていない。
うわ、そういえば、昨日『ゆず』のシングル買ったんだった!!
俺はションボリしながら素直に、
「すいません、今8円しか無いッス・・・ごめんなさい、お役に立てなくて・・・」
と財布を見せました。
先輩方は一応財布を確認して、ちょっとヒキ笑いを浮かべつつ、
「あ、うん。 そっか、ごめんな」
それだけ言ってどこかに行ってしまわれました。
なんて事だ。
俺は何の役にも立てないのか。
あの人達どうするんだろう。 妊娠させちゃった先輩どうなっちゃうんだろう。
そんな事を考えながら、己の無力さを恥じておりました。
その後、時は流れ体育祭前。
うちの高校では、体育祭前には1年~3年が集まり、
応援の練習をしてたんですよ。
んで、いつもの様に大声で練習してたんですが、
そこで例の先輩方のうちの一人を発見。
「あ、先輩! この前はすいませんでした! ・・・大丈夫でしたか?」
と心配しながら声を掛ける俺。
「えっ、あっ、うん・・・大丈夫だったよー」
何やら困惑気味の先輩でしたが、なんとかなったようで良かった。
ホッと一安心。
「そうですか、よかったです。 お役に立てず申し訳ありませんでした」
「いや、いいよ、うん。 ありがとうね」
なんて心の広い先輩だろう。
こんな役立たずにも気を遣ってくださるなんて。
俺もこんな先輩になれるように頑張ろう。
・・・。
そんな事を思い出しながら、髪を洗ってました。
うん、心温まるお話やね・・・。
あれ?
あれってカツアゲだったんじゃね?
16年目にして知る真実。
ていうかなんで今の今まで気付かなかったんだ俺は。
とか身体を拭きながら戦慄しておりましたとさ。