花咲灯台。根室市花咲港。
2022年6月14日(火)。
納沙布岬灯台前から根室半島南岸の道路を走り、早朝見学した「根室市歴史と自然の資料館」前を通って、太平洋方向へ下り、15時15分ごろ花咲岬の駐車場に着いた。女性が乗った車が1台停まっていた。
資料館を見学したときに、根室車石の存在を知ったが予定になかったのでチャシ見学を優先した。見学時間は無くなりかけていたが、見たいという気持ちが勝った。
ところが、駐車場から少し歩いた地点から花咲灯台を見ると下り坂の遊歩道は長くかかりそうだったのでため息が出たが、ここまで来たら行くしかなかった。
花咲灯台は、花咲岬突端に立つ赤と白に塗られた四角形の灯台で、日本の灯台50選。周辺は、公園として整備され、太平洋を望む風光明媚の地である。1890年(明治23年)11月1日初点灯。1951年(昭和26年)6月15日改築。
花咲灯台の横に、根室車石(くるまいし)の案内板がある。ここからさらに波しぶきがかかる海面近くまで降りないと根室車石は観察できない。
国天然記念物・根室車石。
「根室車石」は放射状節理の構造をしたアルカリ粗粒玄武岩で、方沸石を含む球状の岩体をしており、根室半島花咲岬附近一帯に広く分布している。その奇観と大きさは、世界でも類を見ない。海底に堆積した泥などの中にマグマが流入し、広い岩床を作りながら急速冷却を受ける過程で形成された枕状溶岩が、さらに冷却され、内部に放射状柱状節理が生じる。これを輪切りにすると中央から放射状に割れ目が入るさまを車輪の形状にたとえて「車石」とよばれる。
その形成時代は、白亜紀(6千万年 - 1億3千万年前)と言われた時代で、アンモナイト・イノセラムスなどの動物が住めるような今より暖かい海であった。
その海底の地下深くより千度以上もの温度を持ったドレライトマグマが上昇し、海水を含んだ泥(根室層と言われている)の附近で水平に方向を変え、溶岩となって泥の中へ浸入し、そこで泥の中の海水は、この溶岩を冷やすことになる。
表面は冷やされるため、初めは柱状節理と言われる柱のようになった割れ目ができるが、内部はまだ溶けており、後方から送られる溶岩によって先に進んでいき先端部より海水が浸入し内部を急冷する。
このような溶岩を「枕状溶岩」といい、この半島での岩質は粗粒玄武岩と言われており一般に長径1 – 2m、最大で6mにおよぶものもある。
このような火成岩の典型的な放射状節理構造は例も少なく、学術上貴重であり、太平洋に面する断崖に球状岩体が多数重なる様は、一大奇観を成している。
花咲港。駐車場から眺める。
10年連続水揚げ日本一のさんま漁,やサケマス漁など北方海域での漁業基地。ロシアからの魚介の輸入をはじめ地域の物流拠点として国際的にも重要な役割を担っている。
15時35分ごろに出発して、別海町の国史跡・旧奥行駅逓所の見学に向かった。
根室市 納沙布岬 北方館 貝殻島 寛政の蜂起和人殉難墓碑 納沙布岬灯台