6センチほどの頭部に数ヶ月かけ、坐骨神経痛で仰向けに寝たまま作り続けたところを見ると、余程作りたかったとしか思えないが、個性的で斜め45度を向いた禅師の肖像を真正面から見るためには、もっとも実像に近いと思える陰影のないフラットな肖像画に陰影を与えて立体化の後、こちらを向いてもらうしかない。それというのも、各地に残された蘭渓道隆像が、それぞれ別人の様相を呈していたからである。噂話だけを元に作られたかのような物もある。そもそも国宝である肖像画と、亡くなった直後に作られたであろう彫刻が、同じ建長寺の収蔵物でも別人に見えた。私にはこの方法しかない。
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