欠陥建築バスターズ

土地・建物の調査研究が専門。日本の地震や災害に備えた建築や、不動産市場や世界経済の未来鳥瞰について述べています。

歴史的欠陥建築物(欠陥住宅) No.4横浜赤煉瓦倉庫

2013年02月19日 20時06分22秒 | 歴史的欠陥建築物(欠陥住宅)





『横浜の観光名所、赤煉瓦倉庫はかつて耐震性に問題があった!』




最初に、誤解があってはいけませんので…

現在の赤煉瓦倉庫は耐震補強工事が施されているので、全く危険性は

ありませんので、念のため…


現在、保存され、おしゃれなお店がテナントとして入っている「赤煉

瓦倉庫は二棟並んでいます。


でも不思議ではありませんか?


一棟は長くて、もう一棟は短いのです!

こんな事、言われないとあまり気が付かないかもしれませんが、私の

場合、非常に気になっていました。


なぜならば、同じ建物を二棟設計する方が、仕事が楽ですし、コスト

も安くつくからです。


実は…


建築当初は、同じ形同じ大きさの「赤煉瓦倉庫」が二棟あったのです。

それが、関東大震災の時に、そのうちの一棟の一部が崩れ、建物が短く

なってしまって、現在に至ります。


…関東大震災で崩れた「レンガの建物」は他にも一杯あったんです。

それらの瓦礫処理に困って、海に捨てた場所が、横浜のデートスポット

として有名な「山下公園」なのです。


「赤煉瓦倉庫」が強烈な揺れによって全壊しなかった理由は、「倉庫」

ならではの構造上の特徴があったからです。


「倉庫」と言うのは、荷物を保管する為につくられた建物なので、窓

等の開口部が小さく、柱の数が通常の建物よりも多く、その柱の径も、

太くつくられています。


その事が、この歴史的建造物「赤煉瓦倉庫」を関東大震災からまもった

理由です。


しかしながら、レンガを積み重ねてつくった建物は、地震に大変弱い

建物である事を忘れてはいけません。


明治以降、日本は欧米諸国に追いつく為に、多くの西洋式建築物を建て

ました。

当時は、「レンガの建物」が地震に弱いと言う事を、あまりわかって

いなかったのかもしれませんね。


もし、皆さんが横浜「赤煉瓦倉庫」を見学する機会がございましたら、

二棟の倉庫の長さが違う点を検証してみてください。



この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 歴史的欠陥建築物(欠陥住宅... | トップ | 歴史的欠陥建築物(欠陥住宅... »
最新の画像もっと見る

歴史的欠陥建築物(欠陥住宅)」カテゴリの最新記事