『ピサの斜塔は建築中から傾いていた!』
私どものHPの冒頭に、「ピサの斜塔」の写真が使用してあります。
実は、このピサの斜塔は歴史的な「欠陥建築」なのです!
この時代の建物は、石でつくられました。
つまり、建物の重量が、非常に重いのです。
問題の物件「ピサの斜塔」は、もともとあまり地盤が良好でない場所
に建てられた建造物です。
当時の記録によると、三階あたりを建設中に、既に建物が傾斜をはじ
めていた様です。
その為に、更に上の階をつくる際に、少しづつ傾きを修正しながら石
を積み上げていったそうです。
しかし、建設当初から傾き始めた塔は、結局完成してもなおも傾き、
現在も傾き続けています。
…この塔が傾いていた事で、人類史上、重要なある実験がおこなわれ
ました。
建物が傾いている為に、最上階から落とした物体が、建物に接触せず
地面まで落下するからです。
…その実験をした人こそ、「ガリレオ ガリレイ」です。
彼の発見した「万有引力の法則」は誰でも知っていますよね。
このガリレオは、ピサの斜塔から、「重い玉」「軽い玉」を同時に落
下させ、落下音に時間差が出るかを、何回も実験したといいます。
…こんな、人類史上重要な発見をするきっかけを、与えてくれるよう
な「欠陥建築物」なら嬉しいのですが、普通は困り果てるのが普通で
す。
実は、このピサの斜塔が傾いたのと同じ原因で、大事な住まいが傾く
欠陥は多いんです。
その原因が、基礎や構造にある場合もありますが、ほとんどは地盤に
問題があります。
地盤と言うのは、生き物と同じで、ゆっくりと変化して動くんです!
我々、建築士は、その事まで見越して建物の設計をする訳ですが、小
規模の住宅の場合、地盤調査が十分でなく、建物が完成した後で問題
が生じる事もあります。
大地震の時に起こる「液状化現象」も、建築士なら誰でも予想できなけ
ればおかしいのです。
東日本大震災の際、千葉県幕張近辺の大手デベロッパーが開発した住宅
街で、「液状化現象」で大きな被害がでましたが、そんな事は、最初か
らわかっていたはずです。
被害にあった皆さんが、「こんな被害にあうなら、こんな家は買わなか
った!」と、おっしゃいます。
地盤に欠陥がある家も、やはり、「欠陥住宅」なのです!
できる事なら、最初からそんな家は買わないで頂きたいものです。