わたし自身、「働くということの大変さ」について何か語れるほどの人間でもないなあ……とは思うものの、最近ちょっと思うことが色々あったので。。。
少し前に、ある看護師さんが鬱病になった――という話を聞きました。まあ、職業柄「お医者さんも看護師さんも、鬱病になるか燃え尽き症候群にならないのが不思議なくらいの職業」とは思います。また、これはかなり昔に聞いたことなんですけど、ストレスを10段階で示した場合、お医者さんとか看護師さんっていうのは大体常にストレス値が8~9くらいを示している職業でもあるとか(ちなみに、この調査をした大学の研究者の方のストレス値は1とか2でした^^;)。
今は新型コロナウイルスも少し落ち着いて、病院のほうも業務のほうが以前より通常の状態へ戻りつつあるのかな……となんとなく思うのですが、元の状態に戻ったところで、職業的にストレスの強い仕事であることに変わりないような気がしたり
看護職や介護職の方は、一度資格を得て仕事に従事するようになると、他の職業に転職される方は比較的少ないような気がしますよね。わたしが話として聞く限り、「べつに向いてるわけじゃないし」、「仕事が好きとか物凄く熱意があるってわけでもないんだけど」、「なんかなっちゃったらもう辞めるってわけにもいかないんだよねえ」……みたいに口にされる方は結構多かった気がします。
つまり、看護学校や専門学校などを卒業して、それなりにお金もかかってる以上、それ以外の職業は許されない気がする――というのでしょうか。そうした周囲の圧迫が強いがゆえに、「本当はやめたいんだけどやめられない」とか、「だから結婚して早く仕事やめたーい!!」(=この理由なら親その他周囲も納得するから)といった話もよくあった気がする。。。
ここからは、看護職とか介護職とか関係ないんですけど、わたしが若い頃色々アルバイト・パート・正社員含めて仕事してみて思ったのは、たとえば時給が……ええと、今北海道の最低賃金は920円くらいだそうなので、これでいくと、この920円の中には、純粋な労働提供料としての賃金以外にも、実は色々なものが含まれてるんだな、ということがわかりませんでした。
なので、たとえば「気の合わない上司がいる」、「キライな同僚がいる」、「上司・部下・同僚その他の間に挟まってる人間関係がツライ」……といったことが、この賃金の中には実は含まれている、ということがまったくわかってなかったと思います。かといって、「(この安い賃金で)この労働量はないよな~」と思ったことは一度もないのですが、純粋労働の他に何やら色々面倒な人間関係がくっついてくる――ということが苦痛だったんですよね。
かといって、今パッと「この上司とは気が合わなかった」という人の顔も思い浮かばなければ、「キライな同僚」についても、「誰かいたような気はするものの、顔や名前まですぐ思い浮かばないな~」という感じだったりはするのですが、「人間関係」っていうのは、自分にとって心地好いばかりとは限らない基本的に「気持ち悪いもの」と、個人的に思ったりしてます。
もっとも、これも若い頃は「そんなもんだろ」くらいに理解していて、そんなに分析的に考えたりもしなかったのですが、自分が人生で悩むことの他に、人からも色々人生の悩みとか苦しみについて聞いたり、相談にのったりするうち……最終的にそう思ったんですよね。「人間関係っていうのは気持ち悪いもんだけど、そういう中でそれなりに自分の居場所を見つけて生きていくというのが人生というものらしい」といったように。
たとえば、仕事じゃなくても、親戚づきあいその他、「人間関係の気持ち悪さ」に耐えなきゃならない局面っていうのは、基本的に誰でもあると思うんですよね。それが上司でも同僚でも親戚の誰かでもなんでも、「この人とはこんくらい☆」といったような適度な距離を取る、その距離感を学ぶことでお互いなるたけ不愉快にならないようにするとか。あるいは、そんなことには関係なく相手が常にこっちの領域にズカズカ入り込んでくるから、最初から最後までバリヤーを張って、出来るだけ害を受けないようにするなど……ある程度年を取ったりすると、親戚のみならず、親兄弟姉妹とも、そんな味気ない関係だ、むしろ電話がかかってくると早く切りたくて堪らない――など、これもまたその家族によって問題は様々と思います。
「人間関係っていうのは、気持ち悪いし面倒なものだけど、仕方のないもの」、また自分にしても誰か人にとってはそんな程度の存在なのだと知ること……とはいえ、今も若い方の中には純粋なユートピア探しをされてる方は多いかもしれません。つまり、「自分は繊細で悪意なく、善意で仕事してるだけなのに、上司Aや同僚Bのあの態度は一体なんだ!」とか、「毎日一滴も体から水分が残らないほど働いて、この程度の賃金か」、「もっと自分に合った職場が絶対どこかに存在しているはずだ」――などなど、言い分は様々と思うんですよね。
また、そんな場所はないとも個人的には思いませんし、ブラック企業から転職して、驚くほどいい職場に転職、人間関係も良好だ……となれる方も実際たくさんいらっしゃるだろうと思います。ただ、なんらかの「気持ち悪さ」や不満、不愉快な何かしらというのは、それが人間関係じゃなくてもついて回るもので、むしろその「何かある」のが人生とも思います。
つまり、アルバイトの最低賃金にですら、「上司に無駄に説教され料」や、「気の合わない同僚に危うく文句言いそうになったけど、のちのことを考えグッと堪え料」、「人から何かこっそり悪口言われ料」、「身に覚えのない噂話を立てられたけど、じっと我慢料」など、あのお給料と呼ばれる賃金の中には、そもそも含まれているらしいっていうことに、わたしが気づいたのが、結構いい年になってからのような気がしたり(^^;)
わたしも人のことは言えませんけれども、特に若い方の中には「もうそうしたストレスをちょっと感じただけでも、何もかもが嫌になる」、「働きたくない」……みたいな傾向って、結構強いのかなという気がします。これは単なる怠けとか弱さといったことではなく、問題としてはすごく根深いものがあると思うんですよね。今の時代だったら特に、SNSといったものとも無縁ではないと聞いたりします。
学校の仲良しグループで自分だけラインのグループから突然ブロックされたとか、そういうのって職場でも今はあるっていいますよね。新人を除いた他の古参社員だけで、業務後に色々ネットで悪口言われたり、仕事ぶりを評価されているだとか、考えるとキリがないような気もしたり。。。
ええと、わたしの聞いた話としては、職場の女性とおつきあいして別れることになった方がいたんですけど、今はSNSというものがあるので、その男性はそのライングループの中で色々暴露されちゃったという。つきあってる間、アイツはあーだったとかこーだったとか……で、その方はツイッターのフォロワーもみるみる減ったり、元彼女のその女性しか知らないようなことを言われたとか、「まあ、地獄っスよ」という話でした。「でも、今日も明るく生きてるぜっ!!」という。
その方の場合は何かこう……同じようにSNSで発信し続けたわけです。同じ職場の女性とつきあって別れたら、今こんな状況になってるとか、色々。それで、「元カノにやり返してやったぜ!」といったような下品な感じでもなく、とにかく自分の状況をさらに晒し続けた。すると、やっぱり「がんばれよ!」とか、「自分もこういう目にあったことがある」とか、「落ち込んでたけど、お宅ほど悲惨でもないと思ったら元気でた」的にリツイートしてくれる方がいたり。。。
わたし的には「今はそんな時代なんだなあ」と思うと、ついていけないという感じではあるのですが、とにかく、今は鬱病にならない人のほうが少なくなりつつあるのではないか……と思ったという、何かそんなお話でした。。。
それではまた~!!
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