読む日々

テーマばらばらの読書日記

落陽

2017-11-03 | 小説・近代
朝井まかて「落陽」



明治帝崩御。三流紙の記者が、明治神宮造営に纏わる出来事を追ううちに、明治時代とは何か、明治天皇とはどういう御方か、ということに思いを侍らすお話。

当時の国の様子もよくわかるし、東京へ下った当時の明治天皇を青年、とみて、心境に思いを巡らせたり、日本にとっての天皇とは?みたいな、人々の心に刷り込まれている天皇への畏敬の気持ちなんかがなるほどな、と思えて、とても面白かったです。

あとは、針葉樹林は東京には育ちづらいゆえに、広葉樹で森を作ったことや、神社と森(杜)の関わり、樹木の性質や成長について、なども、なんだかとっても分かりやすくて、読み終えたあと物知りになったかのよう。

お話としても、時代時代に生きた人々の生きざまを感じ取れてとても楽しかったです。

満足度90

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