(暗くなって、また明るくなって)
なぜかわからん
だれかが泣くと、ワシも泣く。
芝刈り機で切れ切れになったカタくんのことば
そのあいまから
晴れわたった空と
みどりの山が
交互に見えた
(雨が降って、また陽が射してきて)
心配はいらない
ユキちゃんがついている
小屋を守っている
(紙芝居のように、世界が入れかわっても)
小学生のネコがやってきた
おはよう。と言うと、
少し間があいて
おはようございます。と返ってきた
礼儀正しさが
ランドセルをしょって
おじぎしている
(ぜったいに、ボクはあきらめないよ)
そう言って彼は消えた
もうだれもいない
いったいなんのこと
だれかが笑うと、ワシも笑う。
甘すぎる柿でべとべとになったカタくんのことば
そのあいまから
空を見あげている世界に
鳥が来た
(うなだれたロスタイムが降りてくるまで)
(つづく)