馬屋記ーヤギとクリの詩育日誌

詩育日誌10.04いま世界はうなだれている⑦そのあいまから

(暗くなって、また明るくなって)

なぜかわからん
だれかが泣くと、ワシも泣く。
芝刈り機で切れ切れになったカタくんのことば
そのあいまから
晴れわたった空と
みどりの山が
交互に見えた

(雨が降って、また陽が射してきて)

心配はいらない
ユキちゃんがついている
小屋を守っている

(紙芝居のように、世界が入れかわっても)

小学生のネコがやってきた
おはよう。と言うと、
少し間があいて
おはようございます。と返ってきた
礼儀正しさが
ランドセルをしょって
おじぎしている

(ぜったいに、ボクはあきらめないよ)

そう言って彼は消えた
もうだれもいない
いったいなんのこと
だれかが笑うと、ワシも笑う。
甘すぎる柿でべとべとになったカタくんのことば
そのあいまから
空を見あげている世界に
鳥が来た

(うなだれたロスタイムが降りてくるまで)

(つづく)


ランキングに参加中。クリックして応援お願いします!

名前:
コメント:

※文字化け等の原因になりますので顔文字の投稿はお控えください。

コメント利用規約に同意の上コメント投稿を行ってください。

 

  • Xでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

最新の画像もっと見る

最近の「文学」カテゴリーもっと見る

最近の記事
バックナンバー
2024年
2023年
人気記事