栃木県はが郡の

陶工のつぶやき

夢中になっていると・・・

2006-10-22 23:29:09 | 雑記
陶芸に夢中になり、警察官を辞めて、全国の窯場を訪ね歩いた。
その日僕は九州にいた。
ヒッチハイクで長崎まで行く気だった。
お決まりのポーズ。
左手の親指を上に向けて立てて、道路の端で立っていた。
向こうから車がくる。
一台目・・・30代の女性。
ちらっと見ただけで通過。
二台目・・・おじいちゃん。
何度も振り返りながら、スピード落とさず通過。
ちゃんと前見ないとあぶないよ。
三台目・・・50代の女性。
何事も無かったように通過。
やっぱり女性は乗せてくれない。
その後20分くらい立っていたが、あきらめて歩きだした。
すると・・・
「どこまでいくと?」
振り向くと、30代の男性が運転する貨物車。
「長崎まで!」
「秋田か?」
ん?・・・
「言葉でわかる。」
な・が・さ・き・まで、でわかるもんなの?
ともかく乗れという。
ありがたく乗せていただく。
「自分は何してる?」
自分は運転してるんじゃないの?
しばらく話していると、自分と言うのは、僕の事を言ってるようだ。
九州では相手のことを自分というらしい。
焼物を見学して、全国を旅している事を告げた。
「家に泊まっていけ。」と言う。
えっ!
言われるまま、小さな縫製工場に入っていった。
隣に自宅があった。
「若いの拾ってきた。」
「え!」
赤ちゃんを背負った、奥さんが出てきた。
「この人はいつもこうなんだから。」と言いつつ、僕を歓迎してくれた。
風呂に入らせてもらい、洗濯物を出せといわれ、夕食をごちそうになり、朝食をごちそうになり、弁当までもたせてくれた。
そのうちは、5歳4歳3歳1歳の4人の子どもがいた。
とても賑やかだった。
そして、
「うちで作ってるんだ。もってけ。」
と真っ白いTシャツをもらった。
僕は今までの事、これからの夢、りゅっくの中身など見せてあげた。
この時はじめて「きびなご」と言う魚をごちそうになった。
今になって思うと、一つの事に夢中になっている若者は、助けてあげたくなるものなんだろうと思う。
もちろん、この家族はとても素敵な人たち。
後に、僕が独立してから、僕の家に遊びにきてくれた。
いまだに、年賀状のやり取りをしている。


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2 コメント

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(T-T )( T-T)ウルウル (えいみ~)
2006-10-23 00:50:24
世の中捨てたものじゃないね。。

本当に今の世の中は本当に、自分の利益や人をねたみ突き落とす事ばかり考える人が沢山いるじゃない。。

物騒だし。。人を信じられないような今日この頃だけど、そういう人がいると本当に

まだまだ世の中捨てたものじゃないな。。と思います。。

まぁ。。どんぐりまんさんが見るからに

一生懸命で大丈夫そうな人だと思ったのでしょうけど。。

警察官でしたから。それは全然問題ないでしょう。。(^ー^* )フフ♪

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えいみ~さんへ (donguriman)
2006-10-23 09:09:12
悪い人ばかり目立つけれど、良い人もいっぱいいると確信しています。

そんな人と出会えた事に感謝しています。
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