7:00
目覚ましが鳴る。朝弱い私は、いつも許す限りのリミットにセッティングする。
いいかげん早く簡単に起きれないものかとアラームを手に取る度に思案する訳だけど、そのまま赤い針は、やはりそのままの位置の毎日。
ああ、と睡魔にひしゃげられた体をやっと起こしてずるずると洗面所に向かうこと5分過ぎ。
坦々と坦々と、ここには時計が無いので勘にいつもに慣らうだけだ。
その様にいつもの様に歯ミガキに洗面を済ませて、部屋に戻ってドレッサーの前に座る。
「ん?」鏡の前に置いた、こちらを追い立てる筈の時計は7:10。
オーバーで無く短縮だから構わないか、なんてどうでもいい感じに、いつもの通りゆるゆると化粧水を叩(はた)いて一息、席を立つ。
7:15
時刻の映る番組をチョイスして、パジャマもそのままにまずは、まずはコーヒー。
昨日の残り物やらコンビニのパンやらを用意してる間にコーヒーは落ちる。
寝起き、ここに来てようやく。テレビは音を流している目は新聞に向かって手と口は、いつもの朝。なんら変わり無い日常の始まり。
コーヒーを口に運ぶ、傍ら新聞から離した目は画面に移る、二度三度。
今日は、気の所為か。新聞を置いて見上げる時刻は、やけに遅い、気がする。
「まだこんな時間か」特別焦ってる訳じゃ無いけど、何だか時間が進むのが遅く感じられるけど。「ゆっくり出来ていいけれど」まだ7:30なのか。
7:50
さて食器を片して、いざ支度。着替えは後で簡単だから、メイクが先ね面倒だから、と、いつもと変わり無い手際。時々時計をチェックして、楽勝と安心。
それにしても。ほんと楽勝、まだこんな時間。
花に水を遣って、まだこんな時間。
8:15
まだ早いけど。オフィスは歩いてすぐだけど、まだ早いけど何だか落ち着かないから。
「誰かと話して…」
「おはよう」
「おはようございます。どうしたんですか?打ち合わせでも入りました?」
「ううん。気の所為」
「は?」
「ね、それよか一人?相方は?今日は新人さんだっけ?」
「あ~遅れてる訳じゃ無いんですけど、あの子昨日買ったコーヒー豆、家に忘れてきちゃったらしくて」
「えっ、取りに戻ったの?」
「いえ、スタバへ」
「スタバ?」
「自腹切る気みたいですよ、大丈夫だって言ったんですけど、かなり焦ってましたから」
ちょっと可笑しそうにしている様子に、真面目な彼女の顔を思い浮かべる。
「可哀想に」たしなめる様に言うと、
「チーフだって」と、返された。
「筋金入りだって吹込まれてたから」
「可哀想に、全く」
「ふふっ」
意地の悪い女二人が笑っていると、うっすらと汗を滲ませて話の主が帰って来た。
「あっ、すみません」「おはようございます」「すみません」
失敗を見つけられた子供の様な彼女に、いよいよ私達は笑い出す。
なんで私が居るんだ、って思ったよね、可哀想に。
「もう済んだから、それ宜しくね」
「あ、はい」
「インスタント有るから、それで良かったのに」
「あ、でも」
「そうね、じゃ、いれてちょうだい」
「はいっ」
急ぎ給湯室へ向かった彼女は、笑っていた私達に安堵しているらしかった。
水の替えられた花瓶、空のゴミ箱、片されたファイル。
掃除の終わったばかりの部屋で時計を眺めていると、こぽこぽと香りが立ちこめて来た。
ふと懐かしい気持ちになる朝。
「ありがとう」
「あ、いえ」
「ご苦労様」
「すみません」
二人、顔を見合わせる。
「つい出ちゃうんだね『すみません』」
23:30
鏡の前で濡れた髪を解く。ドライヤーの風にあたりながら今朝の事を思い出す。
時計は変わりの無い様子。
「ふふっ」「ふふふっ」
アラームは…6:00に…なら、楽勝かな。
ピッピッピッ…
0:00
時報確認。
さて、あすは…昨日の分…あしただけ。
赤い針を、一時間戻して。
2009.7.18起・7.23脱 ?(猫目寝子)
※下記、コメント欄より転載。
Comments: (2)
2009.7.23 23:08:17 夕螺 : 何時だろ。。。
半分脳味噌は寝ている。
面倒だから寝ちゃおう。。。
しかし、、、、、
我慢はよくないから
トイレに起きる。。。。
3時かぁ。。。。
あと3時間眠れるな。
2時間後。。。。
自然に目が覚める
目覚ましがいらない毎朝
仕方ないから静かに
コーヒーメーカーに水をを入れる
ボコボコと沸騰して香が広がる
新聞を取りコーヒーをすする
鳥が鳴き始めた
2009.7.24 02:05:21 猫目 : 蝉は。まだ寝ていておくれ…
でしょうか?これからは;
ちなみに、ノンフィクションなのは「時間が遅く流れている気がする(同じく支度中の出来事)」経験のみ。
あとはフィクションです。(笑)
7/18に起稿して、気に食わなくて(見たく無くて;)二日そのまま放っておいて、7/21に直して、7/22にまとめて、7/23に細部修正して。やっとの;脱稿でした。短いのに;(爆)
目覚ましが鳴る。朝弱い私は、いつも許す限りのリミットにセッティングする。
いいかげん早く簡単に起きれないものかとアラームを手に取る度に思案する訳だけど、そのまま赤い針は、やはりそのままの位置の毎日。
ああ、と睡魔にひしゃげられた体をやっと起こしてずるずると洗面所に向かうこと5分過ぎ。
坦々と坦々と、ここには時計が無いので勘にいつもに慣らうだけだ。
その様にいつもの様に歯ミガキに洗面を済ませて、部屋に戻ってドレッサーの前に座る。
「ん?」鏡の前に置いた、こちらを追い立てる筈の時計は7:10。
オーバーで無く短縮だから構わないか、なんてどうでもいい感じに、いつもの通りゆるゆると化粧水を叩(はた)いて一息、席を立つ。
7:15
時刻の映る番組をチョイスして、パジャマもそのままにまずは、まずはコーヒー。
昨日の残り物やらコンビニのパンやらを用意してる間にコーヒーは落ちる。
寝起き、ここに来てようやく。テレビは音を流している目は新聞に向かって手と口は、いつもの朝。なんら変わり無い日常の始まり。
コーヒーを口に運ぶ、傍ら新聞から離した目は画面に移る、二度三度。
今日は、気の所為か。新聞を置いて見上げる時刻は、やけに遅い、気がする。
「まだこんな時間か」特別焦ってる訳じゃ無いけど、何だか時間が進むのが遅く感じられるけど。「ゆっくり出来ていいけれど」まだ7:30なのか。
7:50
さて食器を片して、いざ支度。着替えは後で簡単だから、メイクが先ね面倒だから、と、いつもと変わり無い手際。時々時計をチェックして、楽勝と安心。
それにしても。ほんと楽勝、まだこんな時間。
花に水を遣って、まだこんな時間。
8:15
まだ早いけど。オフィスは歩いてすぐだけど、まだ早いけど何だか落ち着かないから。
「誰かと話して…」
「おはよう」
「おはようございます。どうしたんですか?打ち合わせでも入りました?」
「ううん。気の所為」
「は?」
「ね、それよか一人?相方は?今日は新人さんだっけ?」
「あ~遅れてる訳じゃ無いんですけど、あの子昨日買ったコーヒー豆、家に忘れてきちゃったらしくて」
「えっ、取りに戻ったの?」
「いえ、スタバへ」
「スタバ?」
「自腹切る気みたいですよ、大丈夫だって言ったんですけど、かなり焦ってましたから」
ちょっと可笑しそうにしている様子に、真面目な彼女の顔を思い浮かべる。
「可哀想に」たしなめる様に言うと、
「チーフだって」と、返された。
「筋金入りだって吹込まれてたから」
「可哀想に、全く」
「ふふっ」
意地の悪い女二人が笑っていると、うっすらと汗を滲ませて話の主が帰って来た。
「あっ、すみません」「おはようございます」「すみません」
失敗を見つけられた子供の様な彼女に、いよいよ私達は笑い出す。
なんで私が居るんだ、って思ったよね、可哀想に。
「もう済んだから、それ宜しくね」
「あ、はい」
「インスタント有るから、それで良かったのに」
「あ、でも」
「そうね、じゃ、いれてちょうだい」
「はいっ」
急ぎ給湯室へ向かった彼女は、笑っていた私達に安堵しているらしかった。
水の替えられた花瓶、空のゴミ箱、片されたファイル。
掃除の終わったばかりの部屋で時計を眺めていると、こぽこぽと香りが立ちこめて来た。
ふと懐かしい気持ちになる朝。
「ありがとう」
「あ、いえ」
「ご苦労様」
「すみません」
二人、顔を見合わせる。
「つい出ちゃうんだね『すみません』」
23:30
鏡の前で濡れた髪を解く。ドライヤーの風にあたりながら今朝の事を思い出す。
時計は変わりの無い様子。
「ふふっ」「ふふふっ」
アラームは…6:00に…なら、楽勝かな。
ピッピッピッ…
0:00
時報確認。
さて、あすは…昨日の分…あしただけ。
赤い針を、一時間戻して。
2009.7.18起・7.23脱 ?(猫目寝子)
※下記、コメント欄より転載。
Comments: (2)
2009.7.23 23:08:17 夕螺 : 何時だろ。。。
半分脳味噌は寝ている。
面倒だから寝ちゃおう。。。
しかし、、、、、
我慢はよくないから
トイレに起きる。。。。
3時かぁ。。。。
あと3時間眠れるな。
2時間後。。。。
自然に目が覚める
目覚ましがいらない毎朝
仕方ないから静かに
コーヒーメーカーに水をを入れる
ボコボコと沸騰して香が広がる
新聞を取りコーヒーをすする
鳥が鳴き始めた
2009.7.24 02:05:21 猫目 : 蝉は。まだ寝ていておくれ…
でしょうか?これからは;
ちなみに、ノンフィクションなのは「時間が遅く流れている気がする(同じく支度中の出来事)」経験のみ。
あとはフィクションです。(笑)
7/18に起稿して、気に食わなくて(見たく無くて;)二日そのまま放っておいて、7/21に直して、7/22にまとめて、7/23に細部修正して。やっとの;脱稿でした。短いのに;(爆)