Dr.K の日記

日々の出来事を中心に、時々、好きな古伊万里について語ります。

伊万里 染錦 白粉解(おしろいとき)三段重

2020年09月02日 14時50分01秒 | 古伊万里

 今回は、「伊万里 染錦 白粉解(おしろいとき)三段重」の紹介です。

 これも昭和55年に(今から40年前に)買ったものです。

 当時は、一応、古伊万里コレクターを目指していましたので、皿や鉢に限らず、いろんな古伊万里を買い求めていたんです。

 特に、ちょっと珍しいもので、「これは何に使ったものなのだろう・・・?」と思うようなものは、個人的には好きではなくとも、優先的に購入していました。これも、そういった類のものですね。

 

 

伊万里 染錦 白粉解(おしろいとき)三段重

 

立面

 

 

 この三段重は、三段重とは言っても、1番下の段が幅広で、下から2段目と下から3段目は幅が狭くなっている三段重です。全部が等間隔の三段重というのも存在します。

 

 

斜め上方から見たところ

 

 

下から2段目と3段目を合わせたままにして全体を開けたところ

 

 

全部の段を開けたところ

 

 

蓋(表)

 

 

蓋(裏)

 

 

下から2段目と3段目を合わせたままにしたところ

 

 

下から2段目と3段目を開けたところ(上面)

 

 

下から2段目と3段目を開けたところ(下面)

 

 

下から1段目

 

 

下から1段目の裏面(底面)

 

 

製作年代: 江戸時代後期

サ イ ズ : 蓋径;7.7cm  高さ(蓋共);9.4cm

 

 


追記(令和2年9月4日)

 「古伊万里再発見」(野田敏雄著 創樹社美術出版 平成2年発行)に依りますと、水を入れる容器としては、別に「白粉解水注」というものがあったようです。

 したがって、この白粉解三段重は、水を入れるためには使用しなかったものと思われます。


 或る方に依りますと、この三段の役割は、白粉を入れるところ、白粉を水で溶くところ、そして刷毛を入れておくところの役割ではないかとのことです。私も、その見解に賛同するものです。


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7 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Dr.Kさんへ (遅生)
2020-09-02 16:01:41
これは、かわいい道具ですね。写真で見ると、相当大きく見えます。

こういう品は、外人女性が好むので、お土産に買おうと思ったことがあります。が、結構なお値段で諦めました(^^;

茶道でも白粉解というのがあるそうですけれども、この品が、本家の白粉解ですね。どんな女性が使っていたのか気になります(^.^)
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遅生さんへ (Dr.K)
2020-09-02 18:29:33
おっしゃる通り、実物は、写真よりも小さく、可愛らしいサイズですね。

このような品は、外人女性が好みますか。それでは、お土産にするために買いたくなりますよね。
でも、この手の化粧道具、お値段は、可愛くないんですよね(-_-;)
おいそれとはお土産に出来ないですよね(-_-;)

この白粉解、どのような女性が使ったんでしょうね。考えると気になります(^-^;
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Unknown (tkgmzt2902)
2020-09-02 20:11:40
どんな風にして使うのでしょうか?粉を入れるところ、水を入れるところ、粉を水で溶くところ、これで三段・・・ですよね・・・。
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tkgmzt2902さんへ (Dr.K)
2020-09-03 09:34:49
私は化粧をしないものですから、具体的にどのように使用するのかは知らないんですが(笑)、本に依りますと、水を入れる容器としては、別に「白粉解水注」というものがあったようです。
或る方に依りますと、白粉を入れるところ、白粉を水で溶くところ、そして刷毛を入れておくところの三段ではないかとのことです。
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こんにちは (つや姫日記)
2020-09-03 10:03:05
美しい化粧道具ですね。
思ったより小さいのでしょうか。

薄い皿の方はパレットのような役目なんでしょうね。
水おしろいを解いたり
薄い皿では紅の調整などもしたのでは。。。

旅の芸人さんなどはもとめられなかったでしょうね?
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Unknown (tkgmzt2902)
2020-09-03 10:35:01
なーるほど、納得しました。
細かいことでも、一つずつわかっていくとスッキリします。
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つや姫日記さんへ (Dr.K)
2020-09-03 11:33:29
実物の大きさは、最初の写真より、ちょっと小さめです。

確かに、薄い皿の方は、白粉を溶いたり、パレットのような役割を果たしていたのだろうと思います。
ただ、薄い皿では紅の調整はしなかったのだろうと思います。多分(-_-;)
この器にも、紅を溶いたような赤い痕跡が残っていません。

当時、紅は非常な貴重品で、紅皿とか紅猪口と言われるものの内側に紅を塗って販売されていて、指や筆を水でしめらせ、その紅皿とか紅猪口と言われる容器の内側に塗り付けてある紅を唇につけたようですね。
ただ、高貴な方は、紅溶き用の紅猪口と言われる別途の器に、必要ある毎に、その紅溶き用の紅猪口内に紅を溶かし、指ではなく紅筆を用いて唇に紅を塗ったようです。

段重ねですと、運搬時にガタガタして破損する恐れがありますよね。
そのため、旅の芸人さんは使用しなかったかもしれませんね。
段重ねではなく、単品を持ち歩いていたのかな~と思います。
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