今回は、「染付 山水文 八寸鉢」の紹介です。
これは、先日の令和3(2021)年7月12日に紹介しました「染付 山水文 角鉢」とよく似ています。
先日紹介しました「染付 山水文 角鉢」の場合は、見込みの真ん中に山水文が描かれ、その周辺には花らしき文様が陽刻されていたわけですが、この「染付 山水文 八寸鉢」の場合は、やはり、見込みの真ん中に山水文が描かれているところまでは同じですが、その周辺には山水文らしき文様が陽刻されています。
当時は、見込みの真ん中に山水文を描き、その周辺に陽刻文を施してチョッピリ華やかさを演出するというパターンが流行ったのでしょう。そして、かなり分厚く作られ、重量感のあるように作られているところも特徴的です。
表面
側面
底面
生 産 地 : 肥前・有田
製作年代: 江戸時代中期~後期
サ イ ズ : 口径;24.0cm 高さ;5.0cm 底径;14.5cm
でも、大きさや裏側は非常によく似ているので、だんだんわからなくなりました(^^;
両方とも、やはり、江戸中期~後期なのでしょうか。
どちらが古いかですが、ちょっと分かりませんね(~_~;)
同じようなものですね。
今回の丸鉢の方には降り物がありますので、そのほうが古く見えるかもしれません。
時代的には、やはり、両方とも、中期の終り頃から後期の初め頃かなと思っています。
ふりものというのは
茶色く見えるモノのことでしょうか?
これ、なかなか大きくて立派ですよね(^_^)
大皿、大鉢は、江戸初期の頃は大名屋敷で使われました。また、江戸後期になりますと、代官屋敷や大農の家で使われました。
江戸中期には、大皿、大鉢はなく、このような中程度の大きさのものが登場するんですよね。
食生活の習慣が変わったのでしょうね。
ただ、個人用のものではなかったのだろうと思います。そのためか、少々、立派に作られているのだろうと思います。
そうです。「ふりもの」というのは、表面に点点と見える茶色く見えるものです。
窯の中で、燃料の松の木の灰が降り落ちてしまい、それが釉薬のようになって色が付いてしまったわけですね。
そのようなことを避けるため、一級品の場合は「サヤ」という窯道具の中に入れて焼きすから、そのようなことが生じません。
ということで、これは、当時としては、一級品ではなかったという証拠にもなりますね。