今回は、「染付 鳥文 アワビ形深皿」の紹介です。
伊万里では、アワビ形皿は、人気があったのか、長期間にわたり、多くが作られているようです。
その中にあって、このように深さのあるアワビ形皿は珍しいように思います。
コレクターというものは、この「珍しい」というものに弱いんですよね(~_~;) ちょっと変わったものに出会いますと、ついつい買ってしまうんです(><)
見込み面
鳥文部分の拡大
昆虫を捕まえた鳥が、キツイ、鋭い目つきでこちらをにらみつけています。
捕らえた獲物を横取りされてたまるか、と警戒しているのでしょうか!
斜め上方から見た面
側面(その1)
普通のアワビ形皿よりも、かなり深さがあります。
側面(その1)の反対側の側面
普通のアワビ形皿よりも、かなり深さがあります。
底面
生 産 地 : 肥前・有田 湖東焼
製作年代: 江戸時代中期後期(安政年代頃)
サ イ ズ : 口径;20.0×15.2cm 高さ;7.8cm
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
追記 (令和3年4月22日)
これをインスタグラムで紹介しましたところ、echizenyaheitaさんから、
「これは湖東焼です。間違いありません。私は、湖東焼を50点ほど所蔵し、そのうち、アワビ形皿は10点ほど所蔵していますので、よく分かります。これは、長径が20cmですから、湖東焼のアワビ形皿の中では、大型、中型、小型の内の小型になります。
したがって、製作年代は、湖東焼ですから、江戸中期ではなく、安政頃の江戸後期となります。時代は下がりますが、なにせ、幻の湖東焼です。良い物ですし、希少価値が段違いです。」
という旨のコメントが寄せられました。
私としても、このアワビ形皿につきましては、コレクションノートに「製作年代=江戸時代後期、瀬戸辺りで作られたものかもしれない」と記載がありましたので、これを江戸時代中期の古伊万里として紹介することにはためらいがありましたが、それを無視して、江戸時代中期の古伊万里として紹介してしまったわけです。
染付の文様の描き方が、ちょっと、普通の伊万里に見られるタッチとは違っているな~とは感じていたんです。それじゃ、伊万里ではないとすれば何処かということになるわけですが、あちこちの生産地を思い浮かべ、それぞれを消去法で消していって、最終的に、瀬戸辺りかな~と思うようになったわけです。それで、製作年代も江戸後期というように考えて、ノートにはそのように記したわけですね。
echizenyaheitaさんのコメントに接し、なるほどと思い、これまでの疑問が氷解したわけですが、まさか、あの幻の湖東焼とは思っていませんでした。
echizenyaheitaさん、ありがとうございました(^-^*)
ということで、この「染付 鳥文 アワビ形深皿」の生産地を湖東焼と、製作年代を江戸時代後期に訂正いたします。
昆虫を咥えた鳥なんて、珍品中の珍品ではないですか。
深い器形も貫禄十分。
縁の模様は唐草紋でしょうか。鳥をたくさん並べたように見えます。
名付けて、鳥唐草紋。命名、遅生、所蔵、Dr.K(^.^)
して、用途は?
繋がっていないので、唐草文様とは違うようですよね。
なるほど。言われてみれば、「鳥をたくさん並べたように見えます」ね(^-^*)
「銘:鳥唐草紋。命名、遅生、所蔵、Dr.K」
に賛同です(^-^*)
用途は何だったのでしょうね。
あまりに深すぎますし、側面・裏面のほうが立派に作られていますので、食器ではなく置物だったのでしょうか、、、?
本当にアワビの形をした皿があるということに驚きます。
中の絵が鳥。。。
私はやっぱりお料理を入れたと思います。
もずくとか少し汁のあるもの。
しかし おもしろいものをつくっていたのですね。
伊万里から陶工を招いて作り出した、彦根藩の藩窯の湖東焼のようです。
採算を度外視して作っているようですから、良い物を作っているんですね。
裏面など、本物のアワビみたいですよね。
ははは、中の鳥はモズでしょうか、、、。
それで、中には、もずくみたいなお料理を入れたわけですね(笑)。
それは冗談ですが、湖東焼ですから、やはり、飾の置物ではなく、実際に、お料理をいれたのかもしれませんね。
琵琶湖で捕れた魚料理でも入れたのかもしれませんね、、、。
ネットは便利ですねぇ。一瞬でルーツが分かり、それが価値あるものだということが分かるとは。
まるで舞台を見ている感じです。
私も読んだことがありますが面白かったです。
湖東焼は民窯からスタートしますが、藩窯となり、藩主井伊直弼が暗殺されてから衰退し、やがて廃窯となります。
このアワビ形深皿は、藩窯時代の湖東焼のものなようですね。
その時代のものは、採算を度外視して作られた優品が多いようです。
これもそのうちの1点でしょうけれど、古伊万里コレクターの私としては、鑑定を誤ったわけで、恥ずかしいですし、好きな古伊万里ではなかったことになり、ガッカリしているところでもあります(~_~;)
ということで、手元の湖東焼の図録をめくりました。
おお、あるではありませんか、鮑型の器。図録では、染付◯◯鮑形鉢、となっています。
こう言っては何ですが、伊万里とは比べ物にならないほどの価値ですね。
間違いないようですね。
echizenyaheitaさんからご指摘を受けたとき、古伊万里コレクターとしては、鑑定を誤ったわけですから恥ずかしく感じましたし、好きな古伊万里ではなかったわけですから、ガッカリもしました。
言い訳がましいですが、私のコレクションノートには、これについては、「製作年代=江戸時代後期 作られたのは瀬戸辺りかもしれない」と記してありました。
しかし、今回、紹介するに当たり(これの紹介は初めてです)、購入時(平成6年)の購入金額が6桁でもありましたので、金額に目が眩み、コレクションノートへの記載メモを無視し、江戸中期の古伊万里として紹介してしまったわけです(><)
金に目が眩んでは、鑑定も鈍るという証拠です(><)
若い頃、必死で見ていた頃の目のほうが確かなようですね。
結果的に、古伊万里コレクターとしては、恥をかいてしまったことになります(~_~;)
長いこと古伊万里を愛し続けますと、あばたもえくぼになり、見る物が皆古伊万里に見えてきてしまいます。しかも、それらが、皆、古くて良い物に見えてきてしまうんです(~_~;)
これから、心してかからねばと反省しております。
古伊万里コレクターとしては、これが、古伊万里の名品であってほしかったですが、でも、まったく価値のないものを掴んだわけではなかったわけで、その点では、多少は救われます(^_^)