市議会視察第2日目です

2011-01-22 22:30:10 | 議会活動

(写真)戸田市役所前にて

広報調査特別委員会と議会運営委員会の合同の行政視察第2日目は埼玉県戸田市議会でした。朝10時に市役所を訪問しました。

戸田市は東西7キロ南北4キロで、埼玉県南部に位置し、荒川を境に東京都と隣接しています。人口12万人、市内には戸田競艇場や戸田ボートコースがあります。戸田市の市会議員は25名、平均年齢52歳、最低年齢34歳、最高年齢63歳の若い市議会です。

戸田市議会は平成15年から議会改革に取り組んで来ています。その状況を議会事務局の方から2時間にわたってお聞きしました。その取り組みの主な内容は以下の通りです。

1、委員会傍聴の見直し →市民に開かれた定例会内の常任委員会の議案や請願の審議を公開。その後定例会中の議会改革特別委員会を除く特別委員会に拡大、さらに閉会中や臨時会における委員会にも拡大されました。

2、政務調査費の見直し →透明性を高めるため領収書写しを添付して提出することになり、さらに領収書は原本添付となりました。

3、一般質問を一問一答方式に変更 →わかりやすく白熱した論戦とするために初回のみ総ざらい質問・答弁で行い、2回目から一問一答方式。質問は議員席前に設置した質問席で行なうことにしました。質問持ち時間(答弁含まず)は40分から35分にしました。

一問一答方式にするとどうしても時間が長くなり、時間配分がうまく行かず尻切れトンボになり、失敗された方もいらっしゃったようです。事前の行政当局との打ち合わせなどが重要だとおっしゃっていました。定着するまで2・3年かかったようです。やってゆく中で考えて行くことが大切とのことでした。東御市でもこの3月議会から一般質問を一問一答方式で行なうことになっていますのでとても参考になりました。

4、陳情の取り扱いの見直し →陳情は議場配布としたそうです。市民の意向を無視するのではなく、その陳情が必要なものであるならば議員同士で話し合えばいいとの説明でした。これまで陳情については会派間で意見が別れ継続審議になることが多かったそうですが、これにより議会運営が効率化されたそうです。その結果陳情そのものが出てこなくなったそうです。

5、議会中継 →議会の様子を知りうる環境をつくるためインターネットライブ中継・録画中継を実施。

6、議員信条の制定 →倫理規定について議論し、議会・議員のあり方も含めた「議員信条」を制定しています。

7、各付属機関における議会選出の委員の引き上げ →監査委員も含めた36の付属機関等のうち法律や条令で派遣が定められているものを除き、25機関から委員の引き上げを実施しました。

8、委員会のあり方 →委員会の活性化のため毎月1回の常任委員会の開催を実施。1年間の活動テーマや計画を決めて運営することなりました。また行政視察はこれまで本会議場における委員長報告のみとなっていましたが、委員会としての見解や提言ができるように検証・精査を行なうように改めました。

9、市民への情報提供・市民との意見交換会の実施 →現在他市で行われている議会報告会は当面実施しないとのことでした。これは地域の広さ、各議員個人の日常活動など総体的に判断して決めたそうです。一方一般市民に議会を傍聴し感想を提出してもらう議会モニター制度を平成23年4月より実施するとのことでした。学識経験者による議会アドバイザー制度も検討しているそうです。

10、議決事項の追加 →議会で議決を要する事項に総合振興計画の基本計画を加えることになりました。都市マスタープランなどの分野別計画の取り扱いは今後検討するとのことでした。

11、議会基本条例の制定は意見交換を継続中です。

残念だったのは議員さん自身から議会改革についてお聞きできなかったことです。事務局の方からていねいにご説明いただいたのですが、やはりその真意は議員さんでなければわからないのではないかと思いました。たとえば議会報告会の実施を行なわないと決めた点など、議員さんから直接お話しをお伺いできればと思いました。議会改革には様々な意見や思惑もありなかなか一筋縄ではいかないようです。

戸田市議会事務局の皆さんには私達の質問に最後までお付き合いいただき、大変お世話になりました。ありがとうございました。

市議会視察第1日目です

2011-01-20 04:26:54 | 議会活動

(写真)群馬県吉岡町役場の前にて

19日から二日間の日程で、市議会の広報調査特別委員会と議会運営委員会の合同の視察が行なわれました。この日も明け方から冷え込み、川霧が立ち込めていました。集合時間の10時過ぎには霧もあがり出発するころには青空が見えてきました。今回の視察に参加するのはそれぞれの委員会に所属する10名の議員と議長・副議長を加えた13名、そして事務局から1名、合計13名です。

第一日目の視察先は群馬県吉岡町です。吉岡町は群馬県のほぼ中央に位置し、西に榛名山がそびえ東に利根川が流れる西高東低の緩やかな傾斜地にあり、前橋市・高崎市・渋川市の3市に囲まれたベットタウンの町です。人口は1万9千人で、それも毎年250人ずつ増えているそうです。

視察目的は吉岡町の「議会だより」の編集状況です。毎年町村議会議長会では「議会だより」全国コンクールを実施しており、その中で吉岡町は優秀賞を受賞しています。現在当市でも議会だよりの刷新を行なっており、ぜひお話しをお聞きしたいと思っていました。

視察には町長さんはじめ議長さん、そしてすべての議会広報委員の皆さんに出席いただき、細やかな心のこもった応対をしていただきました。お聞きしたら町長さんは当市に仕事でこられたことがあり、力士雷電についてもご存知でした。議員の皆さんは19年に当市に視察にこられたことがあるとのことで、終始和やかな雰囲気のうちに視察研修が始まりました。

研修で学んだことは以下の5点です。
第1に、編集委員の方お一人おひとりの議会だよりに対する編集意識の高さです。「住民が議会だよりを手にとって開いてみたくなるようにするにはどうしたらいいか」ということを常に考えていらっしゃるということです。

第2に、委員さんの編集能力の高さです。一般質問は当市では本人が執筆していますが、吉岡町では編集委員が執筆されているそうです。全員がパソコンを使いこなし、記事のレイアウト、見出しなどもすべて委員さんがこなしています。そのための研修などにも参加されているそうです。

第3に、企画力の高さです。「私もひとこと」や「よしおかクイズ」など市民の方による投稿のページがあり、子供さんのイラストなども掲載されていました。また「一般質問の行方追跡」では、一般質問で取り上げた項目がその後どのように実現されたのか追跡するという連載がありました。

第4に、編集会議の的確な運用です。企画(Plan)・編集(Do)・反省と次号の企画(Check)というマネジメントシステムがきちんと行なわれていました。

議会だより発行に当たってはまず本会議の前、議案書配布後第1回目の会議が持たれます。ここでレイアウトや掲載内容の検討、執筆分担を決めます。本会議閉会後1週間以内に第2回目の会議が開催されます。この時には最初の粗原稿が出来上がっており、レイアウト、写真の確認が行なわれます。第3回目の会議には実際の紙面イメージで構成された版下が届き校正を実施、第4回目は最終確認が行なわれ、次号の素案の検討を行なうとのことでした。発行後反省を兼ねて慰労会を行なっているそうです。

第5に、議会だよりの発行がスピーディに行なわれていることです。議会終了後1ヶ月以内に発行しているとのお話しは驚きでした。そのためには本会議閉会後1週間ですべての原稿をまとめているとのこと、時には徹夜することもあるそうです。

当市の場合12月議会の内容を掲載した議会だよりが市民の皆さんのお手元に届くのは2月始めになります。

1時間半の視察は極めて濃密なものでした。当市の議員からの質問に対し吉岡町の議員さんは全員が活発に発言されており、議会だより発行に対する意識の高さを感じました。お聞きしたら広報委員長を除き全員が1期生の議員さんとのこと。感じ入るばかりでした。

最後に全員で私達のバスまでお見送りに来ていただきました。学ぶべきものがたくさんあった視察でした。私が当初期待していたこと以上の収穫がありました。この成果をぜひ活かしたいと思いました。吉岡町の皆さんありがとうございました。

さて、今日は視察第2日目、議会改革のテーマで埼玉県戸田市議会を訪問します。今日も実り多い視察になることを願っています。このブログは宿泊先のホテルで書いています。最近のホテルではインターネット環境が整備されているところが多く、とても助かります。

ホームページを考える

2011-01-18 13:21:53 | 議会活動
議会にとって情報発信の一番のツールは、何といっても議会ごとに年4回発行される「市議会だより」です。情報の量も多く各ご家庭ごとにお届けしているのでどなたでも目にすることがあります。

しかし「市議会だより」はスピィーディな情報伝達には向きません。こうした時、ホームページが有効です。そこで今回は東御市議会のホームページの見直しについて考えてみたいと思います。ここに掲載されているのはすべて私の個人的意見です。皆様のご意見をお寄せください。


ホームページの勉強会を計画しています。


ホームページではどんな情報が求められているか考えてみました。


当市の場合スピーディな情報提供は必ずしも十分ではありません。
議会事務局のマンパワーも考慮して改善に努める必要があります。


昨年訪れた東京都千代田区議会のホームページの充実度はピカイチでした。
区議会のホームページに依存するのではなく自前で運用していました。


当議会のホームページを見直しできるところから改善するべきだと思います。


最大の問題は市議会のホームページが病院などと一緒のくくりで、二元代表制の一方であるという扱いにはなっていません。これは周辺の市と比較しても大きな問題だと思います。見やすいところにバナーもつけて載せてほしいと思います。


議員紹介のページもそっけないものです。他市では議員の写真を載せたり連絡先を明記しています。市民にとっても相談する時など、議員の連絡先がわかった方がいいのではないでしょうか。


もっと議会に興味を持ってもらうためには傍聴へのお誘いや、CATVやFMとうみでも視聴できるとのご案内は必要ではないでしょうか。


陳情や請願は市民の権利です。しかしその方法は必ずしも明らかにされていません。もっと細やかな情報発信が必要です。


議会だよりはPDFファイルで公開されています。いつでも見ることができとても便利です。


本会議のスケジュールはすでに公開されています。できればさらに踏み込んでそれぞれの議員の一般質問の内容を事前に公開したらどうでしょうか。市民の方に興味を持っていただけ、傍聴に訪れていただけるかもしれません。


お金に対する市民の目には厳しいものがあります。議長交際費なども公開したらどうでしょうか。


議会のスケジュールは毎回更新されています。とてもいいことです。


本会議に上程された議案や条例などを掲載したらどうでしょうか。陳情や請願の対する審議結果なども公開されるといいと思います。問題は議会事務局のパンパワーとその効果です。


市民の意見を募集するページもあってもいいではないでしょうか。手軽に意見を投稿できる仕組みがほしいところです。


政務調査費も公開したらどうでしょうか。どのようなことにお金を使っているか市民にお知らせすることで、議会に対する理解が深まると思います。


請願や陳情についてもその審議過程と結果をお知らせしたらとても親切ですね。これもマンパワーとの関係がありますね。


行政視察についても行先と目的、そしてどのような成果があったのかを情報発信したらどうでしょう。行政視察は観光旅行ではないかという市民の誤解に応えることになりますし、あわせて議会に対する理解が進むことになります。


本会議や委員会での審議経過やその結果は「議会だより」でも入手できますが発行は1か月半先です。こうしてホームページでスピーディに情報発信すれば便利ですね。


こうしたことを踏まえたうえで、まず取り組まなければならないことを5つにまとめました。これから議会の中で大いに議論して行きたいと思います。

議会広報委員会がありました

2011-01-18 05:22:43 | 議会活動

(写真)市議会だよりの表紙のゲラ刷りができてきました

17日の朝も雪が積もっており雪かきをしました。それでも日中は日が射すのでいくらか雪も融けてきていますがさすがに底冷えの一日でした。

17日はあの阪神大震災の日です。1995年1月17日。16年前になるんですね。私は当時八十二銀行の軽井沢支店に勤務していました。朝職場に出勤してこのニュースに接しました。横倒しになった高速道路やビル、あちこちから煙があがっている住宅街など強烈な画像がテレビに映し出されました。

その後何年かたって淡路島でこの時できた断層を見たことがあります。地面が裂けて横にずれている様子が保存されていました。大地のエネルギーのすざまじさを思い知りました。忘れることはできません。

そういえば過日静岡県の浜岡原発を見に行ったことあります。あの地下にも断層があり東海地震の震源域に設定されているそうです。万が一ということを考えると恐ろしくなります。人間は自然に対して謙虚でなければいけません。

午前中市役所建設課で公共工事の入札についてお話をお聞きしました。12月議会で同僚委員が一般質問で「工事発注についてはできるだけ地元業者が潤うよう対処してほしい」と指摘されていました。私も地元建設業者が仕事がなくて困っているのを知っているので、実際の発注がどのようになっているのか調査したものです。

午後は広報委員会でした。前回の委員会は集まった原稿のチェックでしたが、この日はゲラ刷りができており出来上がりのイメージがつかめます。表紙も新しいデザインに変わっていました。原稿の内容や見出しにまでこだわって検討しました。その結果私も再度原稿を書き直しました。いいものができればと思っています。

事務局から議会のホームページにおける議員紹介のページを、顔写真入りのものにしたらとの提案がなされました。次回の委員会で検討したいと思っています。徐々にではありますが見える化が進んできていると感じています。

広報委員会終了後、会派の打ち合わせを行ないました。先日会派で行なったの大津の自治体セミナーでの研修と、三重県亀山市議会の視察の報告がありました。私は身内の不幸のため欠席となりましたが、お話しをお聞きするととても良かったとのこと。これからの議会活動に活かせればと思います。

郷土史研究会の新年会です

2011-01-17 06:24:02 | 趣味・野良仕事
16日は朝起きたら大雪でした。積雪15センチぐらいでしょうか。今シーズン初めての雪かきをしました。冷え込みが強いせいかサラッとした雪でした。これまで山陰や北陸地方での大雪が報じられていましたが、いよいよこちらにもやって来たという感じです。

今日は一日中屋敷郷土史研究会の新年会です。新たに2名の入会があり総勢14名になりました。新年会はまちの福祉センターで行ない、事業報告や会計報告のあと懇親会となりおおいに交流を深めました。いま郷土史研究会は活気づいています。私をはじめ団塊の世代が退職して帰ってくるようになり、もっとふるさとのことを知りたいという思いからか入会者があいついでいます。

今年の春の研究視察旅行は群馬県の富岡製糸工場です。ここ3年ほど計画するのですが、その都度様々な要因が重なり中止になっています。昨年は4月17日に計画したのですが時ならぬ大雪に見舞われ、急遽中止となってしまいました。今年こそ実現したいと思っています。

夕方から雪が強くなり、夜半にはさらに積もりました。

新旧区長さんの引継ぎ会でした

2011-01-15 22:04:32 | 雑感
15日は長野県の事業仕分けに行くつもりでしたが急遽予定変更し、滋野地区外の「議会だより」配りを行ないました。午後4時から滋野地区の新旧区長の引き継ぎ会がありました。これまで1年間ご苦労いただいた22年の区長の皆様、ご苦労様でした。23年の区長の皆様、どうぞよろしくお願いします。

滋野地区区長会はこの地域の10の区(集落)の区長さんと、滋野地区選出の議員(3名)で構成されています。今年の区長会長さんは大石の関さん、そして議員団長は私です。区長さんの顔ぶれを見ると以前から知っている方と今回はじめてお会いする方がいらっしゃいます。1年間滋野地区のために力を尽くしたいと思っています。

昨年末新しく建設する滋野保育園の用地が決まり、今年はどんな保育園にするのか検討が始まります。より良い保育園にするために区長の皆さんや保護者の皆さんなど、地域の声を集めておおいに語り合いたいものです。

懇親会が終わって外に出るとうっすらと雪が積もっていました。

やっと地区内が完了しました

2011-01-14 07:09:15 | プロフィール


身内で不幸があったりして、このところ娘が孫を連れてやってくる機会が増えました。3才と1才の男の子なのでそのお守りも大変です。それでも下の子はお誕生日を1ヶ月過ぎて歩くことを覚えどこにでも行きます。食欲も旺盛でもりもり食べています。

さて、13日で滋野地区内の「議会だより」配布も終了しました。様々な行事の合間をぬってですから時間もかかりました。今日からは地域外の配布になります。来週19日からは1泊2日の予定で群馬県吉岡町へ「議会だより」の編集について、埼玉県戸田市へ議会改革についての視察があります。それまでには何とか終わらせたいと思っています。

15日は長野県の事業仕分けがあり私は自費での視察を予定しています。午後は滋野区長会があります。16日は地元の郷土史研究会の新年会があります。来週までなにかとスケジュールが詰まっています。

市民の信頼を取り戻すために

2011-01-14 07:06:27 | 議会活動
「議員に対する3つの不信に応える」というブログをご覧になった方から以下のようなコメントをいただきました。

「定数、報酬、仕事の内容、それぞれについてよく言われる批判です。小さな政府論を論拠にしているのかな。私は、若林議員の意見を多とします。ただ、マスコミで評論家や政治家が声高に議員批判をし、それが一定程度の支持を得ていることも確かです。なぜ支持を得ているのか。やっかみなどを別にしても、議員活動に疑問を起こさせる弱点があることを自省する必要もあるでしょう。」

まさにその通りだと思います。不信をまねいたのは少なからぬ要因は、現在の議員活動が市民ニーズに応えていないからだと思います。市民からの議会に対する不満をまとめてみると以下の3つになります。

1、議員は何をやっているかわからない。
2、市政のチェックができていない。
3、市民の声を聞いていない。

先日のブログにも書かせていただきましたが、宮城県名取市の住民意識調査では「議員や議会が何をやっているかわからない」という声が一番多く聞かれました。

こうしたことを踏まえて議会が市民の信頼を取り戻すためにやるべきことを考えてみました。

まず第1は、議会の閉鎖的な体質を見直し、広く公開することです。

議会活動の中で唯一市民に広く公開されているのは一般質問だけです。一般質問はケーブルテレビやコミュニティラジオでも生中継され誰でもご覧いただけます。しかし委員会質疑や全員協議会などは一般的には公開されていません。

一方昨年実施したような議会報告会やインターネット、市議会だよりなどで積極的に情報公開を行なうべきでしょう。とりわけ市民の厳しい目にさらされている政務調査費などはどのように使われているかオープンにするべきでしょう。

第2は、議会が行政のチェック機能をきちんと発揮し、政策提言をするなど積極的な議会活動を行なうことです。

議会活動が市民から見えないため、市民は議会と行政との談合体質を疑っています。議会がその機能を発揮し積極的な議会活動を行なうことです。中でも行政から提案されたことだけ審議するのではなく、議会としての政策提言が求められています。

第3は、議会活動への市民参加の道を開くことです。

前述した委員会審議の公開とともに、陳情や請願などの際、参考人として市民が本会議で発言する機会をつくるなど広く市民の声を取り入れる工夫が必要です。

第4は、議会がもっと市民の前に出て市民の声に耳を傾けることです。

行政には各地域ごとに開催する地区懇談会という制度があります。議会にはそのような市民から意見を聞くという制度がありません。議員一人ひとりはそれぞれ日頃から市民の意見を聞いていることとは思いますが、直接議員を知らない市民にとってはなかなか言い出しずらいものです。

昨年議会主催ではじめて市政報告会を行ないましたが、ここでは一方的な報告ではなく市民からの意見をお聞きする時間も設けています。今後さらにこうした機会をつくるべきでしょう。

第5は、議員自身さらに研鑽を積み、政策提言能力・情報発信能力の向上に取り組むことです。

よりよい議会活動のためにはまず議員自身の研鑽が第一です。特に政策提言のためにはそのための綿密な調査が欠かせません。こうした際一番有効なのがインターネットによる情報収集です。しかし議員の中にはそうした方面を苦手にする方が少なくありません。先進自治体を訪問して見識を高めるとともに、こうしたIT技能向上にも取り組むべきでしょう。

第6は、議員自身日頃から自分を支持していただいている方々に対して議会活動の報告を欠かさないことです。

ややもすると議員活動は議会で審議することだと思いがちです。しかし議員にとって自分自身の支持者をはじめ市民に対して議会の様子を伝えることもまた大切な仕事です。名取市の議会に対する住民意識調査の中でも、議会の情報を議員個人の議会だよりから得ているという意見も多く寄せられています。

いま東御市議会議員の中で定期的に「後援会だより」や「議会だより」を発行している方は半分強といったところでしょうか。原稿のとりまとめ・印刷・配布などハードルは高いですがぜひとも挑戦したいところです。

以上、6点を掲げ、コメントをいただいたkiriさんへの回答としたいと思います。議会が市民の信頼を取り戻し、より良い市政実現のためにこれからも力を尽くしたいと思います。

市議会に関する住民意識調査

2011-01-12 23:05:10 | 議会活動
「議会だより」の刷新を進めるためには、市民の皆さんが現在の「議会だより」をどのように受け止めているのか調査することが大切です。しかし実際にアンケートを行なえば多額のお金がかかります。

そこで宮城県名取市議会の住民意識調査の結果から一般的な動向を考えてみたいと思います。名取市議会の皆様、ネットに公開されたデータを拝借いたします。


宮城県名取市は仙台市近郊の人口7万人余の市です。平成21年3月に「名取市議会に関する住民意識調査を実施しました。こうした調査を行なっている市議会はわずかで、公開されたデータは貴重なものです。


市議会に対して関心あるとされた方は7割にも及び、住民意識の高さがうかがわれます。


市議会に対して関心がないと回答された方の中で興味深いのは、「仕組みがわからない」と回答された方が4割近くいらっしゃることです。議会広報の問題なのでしょうか。


市議会が開かれているかとの質問に開かれている18%、いない31%、わからない45%となっています。わからないは40代以下では5割を越えています。議会の情報提供が不十分なのでしょうか。


開かれていない理由は「市民との接点がない」36%、「活動がわからない」28%となっています。開かれているか判断する以前に、そもそも議員が何をしているかわからないという段階にあります。議員は自分では市民と話しているつもりでも、市民の側からすればそれでは足りないと感じているのでしょう。


「市議会だより」は8割の方が目を通されています。だから市議会の情報は伝わっていてもいいはずなのですが、これまでの質問の回答からもわかるように「市議会は何をしているかわからない」と感じているのです。せっかく「市議会だより」を編集して市民の方にお届けして、市民は読んでいるのにもかかわらずかわらず、市民は「わからない」と言う。これはどこに原因があるのでしょうか。

少なくとも「市議会だより」に掲載されている記事では、市民は議員の活動がわからないと思っているのです。市民が求める情報が掲載されていないのです。市民は何を求めているのでしょうか。


たとえば東京都千代田区議会の場合、上記のような「審議一覧表」を掲載しています。ここには議員一人ひとりが議案の採決にあたってどのような態度をとったのか、〇×で表示してあります。市民がどのような情報を求めているのか考える必要があります。


そんな中、「市議会だより」以外に情報を入手するための重要な手段として、議員個人が発行する報告書(個人版の議会だより)が読まれていることに驚きを感じました。またホームページは意外に活用されていないように見受けられます。


議員活動への満足度は11%で不満が28%にもなりました。一番多かったのは「わからない」の54%でした。満足と回答された方が1割そこそこだというのはショックでした。やはり「わからない」が多いことが気にかかります。


不満の一番大きな理由は「議員活動がわからない」の60%でした。いかに議員活動が市民の皆さんに知られていないことか。議員は市民は当然知っているはずだと思っています。双方のこのミスマッチはこれまで十分認識されてきていませんでした。

「知っているはず」という思い込みはこれからは許されませんね。議員はありとあらゆる機会に議員活動を市民に知らせる努力をしなければなりません。


議員に対してと同様、市議会に対しても聞いてみました。反映されているは4割、反映されていない2割、わからない35%でした。議員個人より議会に対する評価はやや高いようです。


反映されていない理由は「市民との対話の場がない」が7割でした。やはり議会報告会など市民と率直に語り合う場の重要性が浮き彫りになった形でした。


そんな中、半数近い方が議員数は多いと回答されています。それでは何人が適当ですかとさらに聞いたところ、平均で17.43人(現在より7人減)という結果になりました。


議員報酬についても議員定数と同様の結果になりました。

● まとめ 
その1 議員としては「市議会だより」などで情報発信しているつもりでも、市民にはほとんど伝わっていない。
その2 議員が伝えたいことと市民が知りたいことの間には大きな落差がある。
その3 委員数と報酬については市民の厳しい目があることを忘れてはならないこと。

こうした傾向は東御市でもほとんど変わらないと思います。他山の石として今後の「市議会だより」の刷新の中に活かしてゆきたいと思います。

和顔愛語ということ

2011-01-12 00:11:04 | 雑感
昨日は私の身内の葬儀でした。故人は私が心から信頼し、私の父や母の葬儀の時にも大変お世話になった方でした。昨年暮れにはお元気な姿をお見かけしていましたが、年があらたまってから体調が急変し、帰らぬ人となりました。誠に痛恨の極みです。このため消防出初式にも会派の視察研修にも欠席することになり、各方面にご迷惑をおかけいたしました。

故人は温厚で誠実な方でした。私達にいつも笑顔で語りかけ優しく接していただきました。その笑顔を見れば安心することができました。そんな故人を称して、忌中の席で同級生というN先生が「彼は和顔愛語の方だ」とおっしゃっていたことが印象に残っていました。

寄託してからネットでこの言葉について調べてみました。「和顔愛語」は「わげん・あいご」と読み、『大無量寿経』という書物の中に出てくる言葉で仏教用語で、「おだやかな表情で優しい言葉をかける」という、人に接する心を表した言葉だそうです。すなわち「和顔」とはやさしげな顔つきのこと、「愛語」とは親愛の気持ちがこもった言葉のことだとのこと。

この「和顔愛語」を実践すると、周囲の人に幸せを施すだけでなく、自分にも幸せが舞い込んできます。笑顔でいると、自分の心もパッと明るくなり、体にもよい作用があるそうです。あらためて故人の偉大さを心に刻むとともに、私たちの心に残された優しい思い出を大切にして行きたいと思います。

以前福島県の元矢祭町長の根本さんのお話しをお聞きしたことがあります。矢祭町は議員日当制や合併しない宣言で有名な町です。そんな根本さんの座右の銘として「内省不疚」(ないせい・ふきゅう)という言葉をお聞きしました。「自らの心に問うてみて、やましいところがなければ恐れることはない」という意味です。

この「和顔愛語」も私の座右の銘に付け加えたいと思います。故人が私たちに残して行ってくれた大切な宝物です。

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