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アルバム「&」のライナーノートには、
一青窈さん本人によると思われるワンフレーズの詩?が
随所に載っている。
たとえば、「さよならありがと」の歌詞のページには、
「もっと してほしい事がふえても
嫌いにならないでね」
---------- キリトリ -----------
たとえどんな苦難を伴うリクエストでも、
心から愛するヒトが望む「してほしい事」なら、
全てを差し置いて完遂するんだろう。
まして、嫌いになんかならない、んだろう。
…本当にそうだろうか。
それは、いわゆる恋愛至上主義に溺れた妄想ではないのか。
全身全霊捧げたい相手だからこそ、
時には盲目的になってしまい、
我を見失う。
そして、自己の破滅でさえ迎えることだってあるのではないだろうか。
そんなことを全て見越しているからこそ、
一青窈さんは言ったのだ。
「嫌いにならないでね」、と。
恋とか愛とか、呼び方はいろいろあっても、
人類を魅了して止まない異性(もしくは同性)への一途な想い。
そんな魔術師のような恋心は
自分をも相手をも、時として狂わせる。
その感情が暴走して行き着く先は、
テポドン発射ではないにしても、
逆に相手に対する嫌悪感を招く発火点、なのかも知れない。
かわいさ余って…とか言うでしょ。百倍。
きっと一青さんは、そんな残酷とも言える愛憎の心象を、
「嫌いにならないでね」というひと言に込めたんだと思う。
というか、自分が勝手にそう解釈している。
---------- キリトリ -----------
「嫌いにならないでね。」
「素っ気なくしないでね。」
「無視しないでね。」
「いままでそんなことがたくさんあった気がするから。」
…そんなことは、一度ならず何度でも表出する、ということだ。
他人に対して、自分を見放さないでと懇願するということは、
あまりに残酷な所作とは言えないだろうか。
いや、
世界最凶の身勝手ではないだろうか。
馬鹿を言ってはいけない、と
僕の心象風景に佇む独裁者の主席がおっしゃっている。
---------- キリトリ -----------
「今でもきっと
僕、の方が」 と、
一青窈さんは「さよならありがと」で語る。
僕の方が、ではない。
いつも僕だけが、と
心のミニチュア世界の民主集中制の大統領がおっしゃっているのだ。
---------- キリトリ -----------
できもしない約束ばかり。
果たせもしない誓いばかり。
嘘八百のキレイごとばかり。
自分の身を絶対安全の圏内に置いて、
決して穢れること無き女神性をまとう。
卑怯な所作が、世界中のあちらこちらで巻き起こっているということだ!
---------- キリトリ -----------
「さよならありがと」。
さよならも
ましてや ありがと も、
こんな荒涼とした夜の風のバランスの中では
何の意味も持たない。
他人に対する感謝の感情なんかも持てないという事だ。
そんな感情は、
心に150%の余裕がある人間の特権なのだ。
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