ブルックナー5番を、「観る」。

2006年01月14日 02時06分12秒 | 巻七 ブルックナーが私に語ること
自分がブルックナーの交響曲第5番を溺愛するようになったのは、
もしかして唯一聴いたことのあるティーレマン盤の演奏のせいなのかも、とも思っていたけど、
決してそればかりではない、曲自体にその理由があることを再確認。

---------- ブル5 -----------

ギュンター=ヴァント指揮、北ドイツ放送響。
シュレスヴィヒ=ホルシュタイン音楽祭のライヴ(1998)。
「聴く」ばかりでは飽き足らず、「観たい」と思った。
だから、DVD。


恥ずかしながら自分が聴いたことがあるのはティーレマンだけなので、
それが当然基準になる。
まー所詮、何の知識も感性もない自分の勝手な感想。

ヴァントさんのこの演奏は、(ティー盤に較べ)全体的に早めのテンポをとる。特に第3楽章までは。
それでも決してあっさりすることなく、むしろディティールは鮮明。
これは、映像を通している効果でもあるのかな。

ブルックナーの「常套手段=語り口」として、
「ブルックナーゼクエンツ」という表現方法がある、と言われている。
同じフレーズを繰り返しながら、どんどん盛り上げて頂点に持っていくという、
言わばかなり「ベタ」な語り口。
このヴァント盤では、そのゼクエンツがとても印象的。
レンジが広いと言うか、小→大の幅がとても豊かで、
一種迫り来るものがある。
ここではあらゆる「ブルックナーゼクエンツ」が、そうだ。と思った。
これが、かの「ブルックナーゼクエンツ」なんだな、というか。

この曲に限らず、ブルックナーの交響曲は、
というか、あらゆるオーケストラ作品は、
結局のところホルンの出来?次第なのかな、とか敢えて乱暴に言ってみる。
折角いい感じで進行していても、
聴かせどころのホルンがハズすだけで、全体の印象が降下しちゃったり。
逆にいえば、ホルン奏者にとってほんとに「おいしい」曲なんだろう。この5番。
素人にはようわからんが。
同じことは、7番以降の「ワーグナーチューバ」にも言えるかも。
そういうことを踏まえて、この演奏のホルンは、あーいいなぁ、と。
いや、素人考えですけどね。

---------- ブル5 -----------

個人的な嗜好を敢えて好き勝手に言わせてもらえば、
イマのところはティーレマン盤の方が「好み」かな。
フィナーレのティンパニーの硬質なところ、ある意味攻撃的なところとか、
終局の絶頂感とか。

巨匠ヴァントに対してなんと無礼な(笑)
ごめんなさい。ほんとに。

結局結論は、
やっぱりブル5至上主義。
80分の大曲のはずなのに、
全然長く感じない。
そこには永遠の響きが照射しているというのに!

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2 コメント

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まずはティー盤でしょうか (stonez)
2006-01-16 12:47:25
こんにちは!コメントとTB頂きどうもありがとうございました。

いいですね、ヴァントDVD私も気になっています。ただ、このブル5はヴァントのCDでしか聴いていないということで、やっぱりまずは別の演奏がいいですね。ティーレマンの演奏は未聴ですが、とても興味があります(^^

DVDはとりあえず置いといて(笑)ティー盤をチェックしてみようと思います。
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こんばんは (朱 厚照)
2006-01-16 20:35:05
ティーレマン盤、自分は何の予備知識もなく聴いて、勝手に激しく気に入ったわけですが、同様に「よい」という方の話もちらほら聞くので、あながち的外れな感想でもなかったのかな~とか思う次第です。

好きな曲はいろんな演奏で聴いてみたくなるものですね。小遣いのある限り(笑)
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