北海道ばかりでなく本州からも熊との遭遇、被害が伝えられている。
自転車旅をしていて、「北海道を走るのは怖い。」と言われることがある。
何故かと聞くと「熊。そこらにいるのですか?」と問われる。
私は「北海道で生まれ育ったけれど、70年以上も会ったことがありません。」「殆どの人は一生涯会わないと思いますよ。」と答えてきた。
ところが最近は住宅街の傍でも羆の目撃情報が多い。
夏に自転車旅をした下北の薬研温泉キャンプ場で、熊が近くの道路を渡っているのを目撃したという旅人の話しを聞いた。
熊に遭遇する確率は高まってきているかもしれない。
4年前にJAの畑作業で行った馬鈴薯畑の傍の林に珍しくコクワがなっているのを見つけた。
以来、今頃の季節に採ってきて焼酎に漬け、〝コクワ酒〟を楽しんできた。
薬用酒のような風味があって、いかにも疲れた時に元気が出そうな気がする。
今年もその場所に行ってみた。
見事になっていない!
どうしたことか。
今年の夏の猛暑のせいだろうか。
コクワは山ブドウなどと共に熊の冬眠のための大事な食べ物である。
熊との遭遇の多発。
原因はいろいろあるようだが、彼らの食料が絶対的に不足してきているのかもしれない。
吉村昭の小説『羆あらし』も冬眠をし損ねた大型の羆が開拓部落を襲うという実際にあった惨劇である。
再び起きないとも限らない。
かつて行われた春熊の計画的な駆除など、猛暑の夏を踏まえた熊対応の議論を始める必要があるのではないかとコクワ酒を飲みながら思った。
2023.10.9 朝の自転車散歩で。
ベニテングダケは猛毒だが、エゾシカは好物というから自然は不思議だ。