2024.11.3
砂糖原料のビート(カブ)の収穫は機械を畑に入れる前に四隅を手で抜いておく。10月28日、今年のJAの農作業支援の最後の日はその作業だった。
帰りにビートをひとつ貰ってきた。
ビートは不味いものという学生時代の想い出があり、甘いであろう茹で汁を一度飲んでみたかった。
10月の半ば頃だったか、大学のラグビー部のシーズン納の行事に「岩内仙峡マラソン」があった。
大学の正門前からほぼ直線で45Km南下したところに岩内仙峡という景勝地があり、そこまで走って河原で豚汁を食べるというものだった。
その昔は往復したらしいが、入部した年は往路だけで帰りは確かバスだった。
山岳部が常連で参加していて優勝したりもしていた。
途中の藪で用を足すためにトイレットペーパーを腰にぶら下げて走る輩もいた。
1年目の夏に聞かされて、退部しようと真剣に考えた。短距離は早かったがマラソンは大の苦手だったからだ。45Kmを走れるはずが無い。
ずるずると当日を迎えてしまった。スタートして間もなく、先輩が「あの山の葉っぱがどんな色づきをしているか、これから分かるから。」と指さした遠く曇った日高山脈を見た時、頭がクラクラっとした。
清川という集落まで20Kmは隊列を組んで走り、そこからゴールの岩内仙峡までは競争だった。清川までは頑張ろうと必死で走り何んとか辿り着いたがダウン。伴走車に収容されることになった。
その前に水を飲ませてもらおうと寄った農家の畑にビートが積み上げられていた。フラフラする頭でビートは確か糖分が高いはずだから元気回復するかもしれないと考えてかじってみた。
何と不味いことか。それもそのはずだ。表面には土がこびりついている。卒業してから仕事でビート糖工場に行くとその時の思い出が蘇った。
貰ったビートの皮をむいて、適当に切って茹でて煮詰めること1時間。
半透明の少しとろりとした液体が鍋に残った。
舐めると甘い!
シュウ酸だろうか、微かなえぐみが野性的だ。
何回かヨーグルトにかけて味わった。その度に〝清川の想い出〟を懐かしんだ。ビートは50年を経て汚名?を挽回した。
全国大会に出場するようになって、「岩内仙峡マラソン」は時期的に膝、腰への負荷の面から中断し、今はもう行われていない。
昨日(11/22)は札幌近辺のラグビー部OBの飲み会だった。いつもの6人が集まった。
〝スローモーションのようなRugby〟をまだやっている人間が3人もいるけれど脊椎間狭窄も。。。
もう半世紀が経った。かつてのマラソンランナーが老体と付き合っている。
札幌駅前 2024.11.22 17:30
南ドイツ放送交響楽団