ルイガノ旅日記

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台湾縦断4日間④(天燈上げ体験@十分)

2023年05月09日 | 海外旅行
ふたたび台湾旅行記に戻ります。今回は三日目からスタートです。
前日と違って、この日の朝は比較的のんびり。朝食時の混雑もなく、ゆっくり過ごすことができました。

午前中、高雄のホテルから台中駅まではバスでの移動。その時間を利用して、今も「台湾で最も尊敬されている日本人」と言われる八田與一のアニメ映画『パッテンライ!! 〜南の島の水ものがたり〜』が上映されました。
台湾総督府の土木技師だった八田與一は、古くから干ばつに悩まされてきた台湾南部・嘉南平原の治水・灌漑工事に、身命を賭して取り組んだ人物。初めは彼を信頼しなかった台湾の人々ですが、日本人も台湾人も分け隔てしない姿勢や、自ら率先して危険な現場に足を運ぶ姿に心を動かされます。そして遂に、10年の歳月をかけて大貯水池・烏山頭ダムが完成。嘉南平原一帯には地球半周にも及ぶ水路が張り巡らされ、雑草も生えない不毛の地は豊饒な大地に生まれ変わりました。
統治する側のエゴではなく、私心なく台湾の開発・発展のために尽くした八田技師と現地の人々との心の交流についついほろり。題名の「パッテンライ(八田來)」とは、台湾語で「八田がやって来た」という意味。主題歌「受け入れて」を担当していたのは一青窈さんでした。
豊かな穀倉地帯へと変貌を遂げた嘉南平原では今も、米はもちろん、サトウキビ、マンゴー、スイカやバナナなどが栽培されています。


台中からは、台湾新幹線(台湾高速鉄道 Taiwan High Speed Rail)で台北へ。
高雄から台北までの全長345kmを90分で結ぶ台湾新幹線。個人旅行では、とても効率的な移動手段だと思います。私たちは台中で1泊、高雄で1泊しましたが、上手く使えば台北から高雄までの日帰りも可能かもしれません。


駅の構内や新幹線ホームは日本と変わらない印象でした。線路はドイツ、システムは米国が手掛け、車両は日本が担当(700系がモデル)したので、日本の新幹線と同じく3席と2席のシートです。この日、車内は満席。途中で降りる人がいても、すぐに次の客が席を埋めていました。スーツケースなど、大きな荷物の置き場所が少なかったように思います。


台中から概ね1時間ほどで台北駅(台湾語で台北車站)に到着。1891年に開業した台北駅は、何度も移動や改築を経て、1989年に現在の駅舎が竣工しました。


駅舎全体はこんな感じです。台湾高速鉄路(高鉄THSR)、台湾鉄路管理局(台鉄TRA)及び台北捷運(MRT)が地下に乗り入れる台北駅は、敷地面積も利用者数も台湾随一。台湾北部の交通の要衝となっています。


台北駅からは、バスに揺られながら山道を辿って十分(シーフェン)に向かいました。十分は、ノスタルジックな町並み散策や天燈上げで有名な人気の観光地です。


バスを降りて、中心街の十分老街(シーフェンラオジェ)に向かう坂道。すでに長蛇の列ができていました。


そんな人混みをかき分けるように、タクシーは進んでいきます。


線路の両側に広がる十分老街。実際、1時間に1本くらい列車が通るので、観光客はその合間を縫って線路上を散策し、天燈上げを体験します。この日も混みあっていましたが、コロナ前はこれどころではなかったそうです。


私たちは見ることができなかった列車の通過。日本人の感覚からすると、驚きの光景ですよね。(写真は「台湾に行きたいわん!」のサイトからお借りしました)


ずらりと並んだ天燈屋さんの一軒に入り、いよいよ天燈上げ体験の始まりです。


天燈には4面あり、私たちもツアーでご一緒したご夫妻と一緒に願い事を筆書きしました。


私たちの天燈にも火がともされ、いよいよ天燈上げの瞬間です。


勢いよく空に舞い上がっていく天燈。手を離すタイミングが少し遅れてしまったのですが、幸いバランスを崩すことなく上がってくれました。


十分老街の空に昇っていく天燈を見上げていると感慨もひとしお。想像以上に感動的な体験でした。
次は、九份でノスタルジックな町並みを散策します。

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8 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (azm)
2023-05-09 13:29:00
こんにちは。
台湾の街並みはノスタルジックな佇まいがしてどこもいいですね。どこな昭和の面影も感じます。
高雄はまだ行ったことがないので次回はぜひ訪ねてみたいと思います。
勢いよく天に昇る景はいいですね!
今年はいいことがたくさんありそうな予感がします^_^
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Unknown (Duke)
2023-05-09 14:03:33
azmさん、こんにちは。

都市部は近代的ですが、古い町は昔ながらの面影や情緒が残されていますね。
十分や九份は、本当に昭和初期あるいは大正時代のような雰囲気がありました。
(そんな時代を直接知っている訳ではありませんが……💦)

天燈上げはそれほど期待していなかったのですが、勢いよく天に昇っていく天燈を見ていると、ちょっと胸が熱くなりました (^-^)ゞ
何かいいことがあるといいですね〜♪
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雰囲気たっぷりの記事ですね! (keelongkeelong)
2023-05-10 02:43:10
Dukeさん こんばんは!初めてのコメントです。
Dukeさんの台湾の記事はあまりにも素敵なので、
雰囲気が溢れていて、説明もリアルで生き生きして、
歴史の勉強は力を入れるし、本当に感心してしまい、
素晴らしい~ 私はその十分の一も出来ないのです。
「十分」の“天燈上げ”に、家庭健康、夫婦円満を
書いてましたね。 私は、前回行った時にちょうど
お母さんの調子が悪い頃で、天燈の4面に全て
“お母さんが健康な体になりますように”と書いた。
今は、母はともあれ、元気にやっております。(笑)
今度、もし個人で行くなら又違う事を味わえるから、例え、
「十分」の路面電車、現物は正に“懷古”の雰囲気たっぷり。
勿論、その中に一番一層楽しめるのは台湾の食事とおやつ、
上から、一流ホテルでのバイキング(私が大好き)や豪華料理、
下では、下町の定番&郷土料理、露天&屋台のB級グルメも、
食べる事が大好きなDukさんはきっと知ってますね。(๑´ڡ`๑)
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re:雰囲気たっぷりの記事ですね! (Duke)
2023-05-10 09:24:52
keelongkeelongさん、おはようございます。
丁寧なご感想をいただき、ありがとうございました。
台湾ご出身のkeelongkeelongさんに褒めていただけるなんてとても光栄です。
私もkeelongkeelongさんの美味しそうな料理の数々、素敵な庭や旅先の記事など、いつも楽しく拝見させていただいています。

天燈上げは本当にいい体験でした。
お母さまのご健康、願いが叶ってよかったですね。
私は願い事の三つめに、これからも日台の素晴らしい交流が続くことを願って、「日本と台湾の友好と安全」と書いたんですよ (^^ゞ
十分での滞在時間は1時間もなかくて、電車の通過シーンも見られず、十分老街の散策もほとんどできませんでした。
今回はツアーだったので、十分だけではなくどこも十分な時間が取れなかったのが残念です。
以前keelongkeelongさんがブログで台湾の料理屋さんの紹介をしておられたので、本当はそんな店に行ってみたかったのですが、とてもそんな時間はありませんでした。
次はぜひ個人旅行で訪れて、ホテルでのバイキングや、keelongkeelongご紹介の定番・郷土料理、屋台など、時間をかけて台湾を味わってみたいと思っていますヽ(^o^)丿
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Unknown (chorus-kazeアッコ)
2023-05-11 23:03:16
こんばんは
台湾は、主人が健在の頃台北の有名な観光名所に
会社の先輩に連れて頂いただけでしたので
十分(シーフェン)という町のノスタルジックな
随分昔の古い日本の景色を彷彿とさせる雰囲気に
何だか懐かしさを覚えます。

私がハマっている中国ドラマの時代劇では
恋人同士が白い天燈に願い事や名前を書いて空にあげる
ロマンティックなシーンがよく出てきますし
花火をあげるシーンもすごく多いです。

台湾ドラマはそれほど沢山見たわけではないのですが変わった形の高層ビルがいっぱい乱立する
急激に近代化が進んで、それを誇張しているような
現代劇の中国本土とは真逆な
古き良き時代を感じさせる内容のドラマを観ることがあると
本土とは少し国民性が違うように感じますね。
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Unknown (すず)
2023-05-12 06:17:00
私も体験しましたっ!

あのアニメも🚐の中で見て、感動したものです。

最初は個人旅行のひとり旅。
2回目は父とパックツターでした。
懐かしい記事と写真をありがとう!
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Unknown (Duke)
2023-05-12 08:43:57
chorus-kaze アッコさん、おはようございます。

台湾にもご主人様とご一緒に行かれたのですね。
懐かしい思い出がいろいろおありのことと思います。
私が30年くらい前に行った時は、個人旅行で台北市内だけで過ごしました。
故宮博物院や蒋介石の中正記念堂、龍山寺のほかは、もっぱら食べ歩きに時間を費やしてしまいましたので、今回は台湾の違う側面を知ることができてよかったです。

天燈を上げるのは、中国圏の伝統的な文化なのですね。
十分では、元々は山賊に対抗するための住民の連絡手段だったと解説されていました。
日本の「狼煙」のような使い方だったようです。
清の時代には辺境の地とされてきた台湾は、日本統治や戦後の民主的な発展を経て、中国との国民性の違いは拡大しているのではと思います。
台湾の現状や安全が、平和的に守られるよう願ってやみません。
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Unknown (Duke)
2023-05-12 08:50:26
すずさん、おはようございます。

天燈上げ、すずさんも体験されたのですね。
願い事を書いた天燈が空高く上がっていく様子は、ちょっと感動的でした。
贅沢を言えば、線路を列車が通過する場面や、十分老街の町をもう少しゆっくり見たかったけれど、天燈上げだけでもいい体験ができました。
機会があれば、もう一度個人旅行で訪ねてみたいです。
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