緩和ケア医の日々所感

日常の中でがんや疾病を生きることを考えていきたいなあと思っています

緩和ケア支援ー緩和ケア病棟への転院

2007年06月03日 | 医療

日曜日か土曜日に一週間分書き溜めたものを
少しずつアップしているこの頃です。
コンピューターをビスタに変えたら
ちょっとしたことで、ページが変わってしまって
書いていた原稿が消えてしまうことが何度も起こり
先週一週間は困った一週間でもありました。

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以前、コメントで
どちらかのがんセンターでご家族を亡くされた方から
一般病院からタイムリーな緩和ケア病棟への紹介が
なかったことに関する意見を求められたことがありました。

私は今は緩和ケア病棟に勤務していないので
関わっていらっしゃる方いらっしゃいましたら
訂正や補足をしていただけたらと思うのですが
一般的に緩和ケア病棟への紹介は
月単位の予後(残された時間)がある場合に
検討されると考えています。

緩和ケア病棟として認可を受けるには
幾つかの条件を満たさなければいけないのですが

例えば、一人一人の患者さんについて
緩和ケア病棟に入るのが適切かどうか
入棟審査会を開くことも条件になっています。
こうした、時間を必要とする条件が盛り込まれていることや
がんで亡くなる患者さんに比較して
緩和ケア病棟のベット数が少ないため
初診外来まで時間がかかったり
入院待機期間も長くなっている現状もあります。
また、療養の場を変わる時
新しいスタッフと関係を構築するためにも
時間やエネルギーの余裕があることも必要であり
予後が月単位あることは大切なことだと思います。

この緩和ケア病棟のベット数
今後増えるのだろうかということについて明日に続きます。

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4 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
ありがとうございます。 (よっしぃ)
2007-06-05 20:20:10
丁寧なお返事ありがとうございました。
また、質問させていただきます。
返信する
コメントありがとうございます (aruga)
2007-06-04 22:36:31
fiorentino先生
そうなんです。理想と現実は違い、化学療法との狭間の課題は大きいです。26日というのは、短いと思います。症状緩和をなさって早期に一度退院できているというわけではないとすると末期で入院されることが多いということでしょうか。スタッフが疲労されていませんように(深読みでありますように)

よっしぃ先生
各緩和ケア病棟で様々なようです。主治医は、緩和ケア病棟の医師が主治医になることが多いようですが、東海地区のある緩和ケア病棟のように治療科の主治医が平行移動し、緩和ケア病棟の医師がオブザーバー的なところもあるようです。(違っていたらすみません。訂正を・・)
放射線や化学療法は、緩和ケア診療報酬の中でやり繰りができるかどうかということになります。一日当り定額報酬で3780点。ここから人件費も症状緩和薬代も工面し、さらに治療費が持ち出されると赤字になってしまいます。それを、他の部門等で充填する認容性が病院の中にあるかどうかということではないかと思います。関東の某緩和ケア病棟は緩和ケア的化学療法で一時閉鎖になるのではと言われたことがありました。これらは、流動的ですので、割合は何とも言えないと思います。連携があったところでは、放射線は行うところがあっても、化学療法を行っていたのは、前述1施設だけで今はまったくされていないようです。
返信する
教えてください。 (よっしぃ)
2007-06-04 19:31:47
自身の勤務先には緩和ケア病棟はなく、どのように運用されているか興味があるのです。確かに、かわってしまうと新しいスタッフとの関係を築く時間が必要ですよね。ちなみに、同じ病院でも主治医はどうなるのでしょうか?
実際、palliativeに放射線治療、抗癌剤治療を行うことは緩和ケア病棟で行われているのでしょうか?
そのような、治療をまったくしない施設はどのくらいの割合であるのでしょうか?
質問ばかりですいません。
返信する
ホスピスへの転棟 (fiorentino)
2007-06-04 18:53:12
先生の仰るように緩和ケア病棟への移動は月単位の余命の方が理想的だと思います.しかし実際は緩和ケア病棟に行ったら終わりだと患者さんは勿論,医者でもそう考えている人がまだまだ沢山います.患者さんは体が動くうちはギリギリまで化学療法を望む人が殆どです.ですから緩和病棟に来るときはヘロヘロになっています.九州の緩和ケア病棟の平均在院日数は40日です.当院は26日でした.QOLと言う概念は薄いのではないかと思います.価値観?化学療法に対する科学的な根拠は?難しい問題です.
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