緩和ケア医の日々所感

日常の中でがんや疾病を生きることを考えていきたいなあと思っています

親や家族の一大事を経験する子どもたちと伴走するために

2018年01月21日 | つれづれ

がんと診断されること・・

頭は真っ白になって、
医師の話は現実感がないまま
流れて行くような感じだった・・



こんな風にお話しくださることがあります。


親ががんになった。
親にとっての一大事は、
実は、子どもにとっても一大事・・・


そんな一大事を経験しようとしている子ども達、
経験した子ども達・・・


そんな子ども達を支援するための
カフェが月1回
板橋区で開催されています。


コアラカフェⓒ
https://www.facebook.com/koalacafe.teikyo/



今日は(も)私は
学会の理事会のため、
参加は出来なかったのですが、
中心となって開催してくださっている
仲間たちが、フェースブックに
記事を掲載してくれていました。

上の写真は、コアラカフェⓒのマーク。

そして子ども達とのアクティビティ



昨年の第22回日本緩和医療学会学術大会に来てくださった
シンシア・ホワイトさんが
米国ポートランドのダギーセンター
(『死ぬ瞬間』の作者のキューブラ・ロスが
 手紙を送った「ダギーへの手紙」に出てくる
 ダギーにちなんで作られたセンターで、
 大切な人を亡くした子ども達のためのセンター)
のプログラムを国内に紹介してくれたものの中の
子ども達のサポートグループのあり方を
基礎とした支援グループです。

特徴は、徹底して子ども達の気持ちに合わせていく
プログラムであること。
そして、安全が守られる空間の提供であること。



詳しいプログラムの実践的な内容は
この本にまとめられています。




アマゾンでも買えます。
   ↓
(下のタイトルをクリックしてくださいね)
『がんの親をもつ子どもたちをサポートする本
 ~親のがん、家族の一大事を経験する子どもたちと伴走するために』


がんがあるかどうかに関わらず、
この本には、子どもたちの発達プロセスを知り、
家族全体でサポートしていくことについて、
子ども達とのコミュニケーションスキルのことも書かれていて、
子どもたちに関わるすべての人に役立つヒントがあります。

学校の先生、学童保育、児童館の方、
親御さんやおじいちゃん、おばあちゃん、
沢山の方に手に取ってもらいたい一冊です。



また、コアラカフェⓒの
かなり詳細なプログラムや
アクティビティ集もあり、
遊びの作り方も満載です。

最近、CLIMB®の日本版のHope treeなどに代表される
既存のプログラムも増えてきました。

コアラカフェⓒがそうしたものと異なる点があります。




既存のものは、
6回程度を一セッションとして修了することが多いのですが、

コアラカフェⓒは月1回の継続で、
終わりにするかどうか、卒業するかどうかは、
参加している子どもたち自身が決めます。



既存のプログラムが構造化しているものに対し、

出来る限り、子どもたちの感情に合わせて
プログラムは進行していきます。

例えば、「今日は悲しみのお面を作りましょう」といった提案をするのではなく、
「今の気持ちでお面を作ってみる?」という声かけをしつつ、
それを選ばないことも大切な感情として捉えます。




本当に素敵な場所です。


月1回、開催しています。
2月のお知らせも、

コアラカフェⓒ
https://www.facebook.com/koalacafe.teikyo/

にて。その内に。。。



直接お問い合わせも可能です。

【場所】  帝京大学板橋キャンパス4号館1階
【開催日時】毎月第3日曜日(時々変更があります)13時30分~16時頃まで
【お問い合わせ】
     ① koala@med.teikyo-u.ac.jp
     ② 電話03-3964-1211(モバイル8773)南川さん宛て
     ③ コアラカフェⓒのフェースブックの
      メッセンジャーから連絡を入れてもOKです!

(保護者の方のお茶会もあります。)


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2 コメント

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るぶさん (aruga)
2018-01-28 19:03:32
いつも、コメント、ありがとうございます。
大切なこととお書きくださり、心から感謝です。
必要な子供たちに、きちんと届けられるようにしていかなければ。。と思っています。
まずは、国試がんばってくださいね。
子ども達に安全な場所を提供するために、見学はちょっと難しいことが多いのが実際です・・
返信する
親を亡くすことで子に負担がかかっていく… (るぶ)
2018-01-25 11:46:43
卒試前ですが、記事を見てふと感じたことを少し。

私の父、母のように日常茶飯事に癌による死を看取っている現場に身を置く者からするといちいち故人への思いを持っていられないのかもしれません。

ただ、癌で親を亡くすのは子供にすればかなりの打撃であるし、残された家族とどのように向かい合っていくべきかわからない場合が多いのではないかと思います。残された家族が、悲しみを共に癒していけるそんな関わりができる場を持つことがどれだけ大切かを感じています。一度でもいいから見学してみたい…そう思いました。

前にコアラカフェの記事を読んだ時に書きたかったのですが、書けなかったので書きました。

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