今日は、日本緩和医療学会の普及啓発活動で、
阪急西宮ガーデンズ フェスティバルガーデンで開催された
街頭イベントに参加。
厚労省委託事業委員会と博報堂さんが
企画運営をしてきたイベント。
大盛況でした。
地元、神戸の医療スタッフのミニレクチャーが続きます。
そこに、私も少しだけ参加させて頂いたことは、
本当に光栄なことでした。
若い人たちの心をつかもう!ということで、
キティも登場しました。
今、学会の専門医試験のテキストとしても活用されている
「専門家をめざす人のための緩和医療学」の
改定のための準備が進んでいます。
この作業を通して、改めて、
世界で現代ホスピスの象徴とされている
セント・クリストファー・ホスピスが
英国ロンドンに設立された経緯を読んで、
その当時、進行したがんや死の周辺が、
偏った医療に固められた状況
(つまり、効果を超えた延命処置が実施され、
痛みをはじめとする苦痛に
鎮痛薬が適切に用いられない状況)
があり、そこから、
人としての尊厳と苦痛に配慮されるということを
自分のものとして取り戻そうとしたことを読み、
人権問題として社会が動いていたのだと
今、立ち止まって
振り返ることができました。
つまり、緩和ケアは、医療における人権問題として
市民運動がおこった結果、世界に急速に波及したものでした。
なぜ、日本では緩和ケアの普及がイギリスのように進まないのか・・
それは、市民が声を上げるより前に
医療に傾きすぎたEnd-of-life(いわゆる終末期)のケアに
疑問を感じた医療者が、海外から学び、取り入れ
それに、行政も呼応して、公的保険医療として
国民皆保険制度の中で、緩和ケアを提供していくことが
できるようになったことにあるのだろうと思います。
そういう意味では、イギリスより恵まれていたといえるかもしれません。
しかしながら、大変な思いをする前に整えられたものは、
オカシイと声を上げ、自分たちの権利を守るために
動いて作り上げたものよりも、
その意味や価値は、実感できないものです。
大変な思いは、日本人はしながらも、
我慢していただけなのかもしれません。
ですから、
問題に直面して初めて、
緩和ケアにたどり着く方も少なからずいらっしゃり、
そうして、間に合った方は、
ああ・・これが緩和ケアなのか・・と
理解してもらっている、そんな印象でした。
つまり、緩和ケアは個々の体験になってしまっていて、
社会通念とか、文化とか、
自分のために要求できるものといったところまでは
まだ醸成されていないのです。
自分をありのままの自分として実感でき、
これでいいんだと感じられるように・・
もっと、シンプルに言うなら、
特別のことではなく、
普通の生活を続けていけるように
早い時期、診断を受ける前後から、
苦痛を緩和し、社会的な支援、心理的な支援を
受けることを強みとし、
緩和ケアを活用していって頂ける社会になるように
願っています。
そのために私たちは、緩和ケアの質を向上していけるよう、
また、人や場を増やしていけるよう、
さらに、相談できる最初の窓口の工夫をしていくことの
努力を続けています。
これらは、活用してくださる市民の方々がいて、
活きてくる医療・ケアなのだと思います。
キティが、辛いこと、痛いことは我慢した方がいいの?
と聞くと、小さな子供達が、ダメ―って×を出します。
ちゃんと伝えよー
困ったら、相談しよー
そうなんです。
まずは、そこから・・・です。
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気持ちを前に出す勇気を貰えるブログであると感じます。
私も、国家試験前で気持ちの上り下がりが酷いです。
が、それは仕方ないことであると感じています。
薬剤師になることがゴールになっている感じが拭えない方が多くいるなかで、私が緩和ケアに目を向けるようになれたのは本当に良かった…。
自分が将来人のためにどう、尽くしていくのかが見えて来なかったわけですから、本当に気づけたことに感謝しています。
先生がブログにブックマークをつけて居られる項目を目にしたことや、先生が本気で緩和ケアに向かわれているのを見て、私はそういう先生に師事したいと思いました。
そのためには、今を必死にやらないといけないなって感じています。
また来ます。では。
応援しています。