最近読んだ論文。
Marie Fallon , Peter J. Hoskin , Lesley A. Colvin , et al.
Randomized Double-Blind Trial of Pregabalin Versus Placebo in Conjunction With Palliative Radiotherapy for Cancer-Induced Bone Pain
JCO., 2016, 34(6):550-556
〇PICOは・・・
(P:対象患者、I:介入、C:コントロール、O:アウトカム)
がんの骨転移痛がNRS4/10以上ある患者において、放射線治療にプレガバリンを併用することは、併用しないことに比較して、疼痛をより緩和することができるか。
〇患者は、
一か所以上の骨痛に放射線治療が予定(8Gy(1fr)または20Gy(5fr))
予後2か月以上の見込み
疼痛NRS4以上
〇除外基準は、
ガバペンチンまたはプレガバリン投与中
腎機能がCcr<60mL/min
放射線治療の照射野が広範囲の患者
試験前に疼痛に影響のある抗がん治療に変更があった患者
Marie Fallon , Peter J. Hoskin , Lesley A. Colvin , et al.
Randomized Double-Blind Trial of Pregabalin Versus Placebo in Conjunction With Palliative Radiotherapy for Cancer-Induced Bone Pain
JCO., 2016, 34(6):550-556
〇PICOは・・・
(P:対象患者、I:介入、C:コントロール、O:アウトカム)
がんの骨転移痛がNRS4/10以上ある患者において、放射線治療にプレガバリンを併用することは、併用しないことに比較して、疼痛をより緩和することができるか。
〇患者は、
一か所以上の骨痛に放射線治療が予定(8Gy(1fr)または20Gy(5fr))
予後2か月以上の見込み
疼痛NRS4以上
〇除外基準は、
ガバペンチンまたはプレガバリン投与中
腎機能がCcr<60mL/min
放射線治療の照射野が広範囲の患者
試験前に疼痛に影響のある抗がん治療に変更があった患者
〇介入方法
割り付けした患者数はN
プレガバリン投与群(N=116):
プレガバリン(75㎎)1カプセル、1日2回(12時間毎)、35日間
割り付けした患者数はN
プレガバリン投与群(N=116):
プレガバリン(75㎎)1カプセル、1日2回(12時間毎)、35日間
コントロール群 (N=117): ;
プラセボ
プラセボ
放射線治療は
8Gy(1fr)または20Gy(5fr)で実施され、
8Gy(1fr)または20Gy(5fr)で実施され、
鎮痛の改善は、
NRS≧2の減少
NRS≧2の減少
and/or
患者が鎮痛目標は達成したと感じることができた場合
患者が鎮痛目標は達成したと感じることができた場合
ベースライン評価(放射線治療24時間前)し、
割り付けられ、
投薬35日間+放射線治療
その投薬は、
1日目より プレガバリン150㎎ 2X
8日目からは 300㎎ 2X
15日目 450㎎ 2X
割り付けられ、
投薬35日間+放射線治療
その投薬は、
1日目より プレガバリン150㎎ 2X
8日目からは 300㎎ 2X
15日目 450㎎ 2X
22日目 600㎎ 2X と増量
〇結果
2008年8月13日~2012年4月30日 スクリーニングN=1970人 腎機能障害(19.0%)拒否(8.7%)、プレガバリン等を使用してしまったこと、疼痛不足から n=233人
前述の割り付けで、
最悪の疼痛、平均の疼痛、EuroQOLに差なし。
HADS(抑うつと不安の評価尺度 )に差あり。
調整平均差 -1.1(95%CI、-2.1〜0.1、 P = 0.031)
HADS(抑うつと不安の評価尺度 )に差あり。
調整平均差 -1.1(95%CI、-2.1〜0.1、 P = 0.031)
突出痛
回数、強さ、長さ、予測可能性(随伴性)、鎮痛薬の投与に差なし
回数、強さ、長さ、予測可能性(随伴性)、鎮痛薬の投与に差なし
持続時間(分)に差あり P=0.037
AE(副作用)
プラセボ群/プレガバリン群;53%/43% 認知障害;9%/3%
つまり・・・
骨転移痛がある患者さんで放射線治療を行う場合、
すっきりと痛みが取り切れないことが少なからずあるため
(完全な除痛に至るのは20%程度との文献が引用されており)
プレガバリンを併用するとよいのではないかという仮説を立て、
プレガバリンを600㎎/日まで併用してみたけれど、
鎮痛効果は
突出痛の持続時間が短くなった程度で、
回数や強さは変わらず、
患者さんは痛みがよくなったと自覚できなかった
というネガティブな結果。
副次的に、うつうつとした気分に対しては、
プレガバリンの持つスタビライザーによるものか
効果があったとのことでした。
でも・・・
600㎎/日も内服しても効かないのですね・・・
日本人は眠くて、フラフラしてしまいそうな量なのに、
被検者の英国人のこの試験では、
副作用には眠気、ふらつきは生じておらず、
人種差はないだろうと思ってはいますが、
驚いた結果でした。
つまり・・・
骨転移痛がある患者さんで放射線治療を行う場合、
すっきりと痛みが取り切れないことが少なからずあるため
(完全な除痛に至るのは20%程度との文献が引用されており)
プレガバリンを併用するとよいのではないかという仮説を立て、
プレガバリンを600㎎/日まで併用してみたけれど、
鎮痛効果は
突出痛の持続時間が短くなった程度で、
回数や強さは変わらず、
患者さんは痛みがよくなったと自覚できなかった
というネガティブな結果。
副次的に、うつうつとした気分に対しては、
プレガバリンの持つスタビライザーによるものか
効果があったとのことでした。
でも・・・
600㎎/日も内服しても効かないのですね・・・
日本人は眠くて、フラフラしてしまいそうな量なのに、
被検者の英国人のこの試験では、
副作用には眠気、ふらつきは生じておらず、
人種差はないだろうと思ってはいますが、
驚いた結果でした。