旅のウンチク

旅行会社の人間が描く、旅するうえでの役に立つ知識や役に立たない知識など。

時間のかかること

2017年05月08日 | ライフスタイル
 以前ここでも書いたことがありますが、私は自分の食べるパンを全て自分で焼いています。以前は食パンばかり焼いていましたが、最近のお気に入りはパン ド カンパーニュ。一時期、バターの入手が困難になった時期があったおかげでハード系のパンに移行したのですが、シンプルな材料と手順、そして素朴な味が気に入ってここ1年ほどはずっとこれを焼いています。

 ここ1年でパンを焼く腕もあがり、最近は失敗パンを食べることがほとんどなくなりました。今はオレンジから起こしたオレンジ酵母を使って発酵させています。

 今年学んだ事は、真冬の寒い時期、一人暮らしなのでほとんど暖房を入れない我が家では1次発酵が24時間でも不十分な場合があること。実際、1月や2月は1時発酵に2日かけたことの方が多かったのです。

 生地をこねるのに20分ほど。1次発酵が48時間。最終発酵にも3~4時間かかります。そして焼成35分。

 パンを焼く準備をはじめて出来上がるまで53時間前後かかるわけですから壮大な作業...というわけではなく、実際には一次発酵の48時間も、2次発酵の4時間も放っておくだけ。ついでに焼成もオーブンにれて35分放っておくだけなので、実際に作業をするのはこねる20分と、最終成形の2~3分でしょうか。

 つまるところ、パンを焼くのに53時間かかるという言い方もできれば、25分の作業でパンが焼けると言うこともできるわけです。

 ここから最寄りのスーパーまで10分位。往復20分かかりますから、買物をしている時間を入れれば、25分の作業時間でパンを焼くのと、買いに行くのとで費やす時間はほとんど互角という考え方もできるわけです。

 時間をかけることが良いとか悪いとか、そういう短絡的な結論は面白くないのですが、計算上、実際にパンを入手するために費やす時間には意外な事に大差がないと考えることもできます。

 ただ、1点大きな差があります。
 
 自分でパンを焼けば、上手くいったりいかなかったりで一喜一憂したりできますし、最後の焼成の段階では何度かオーブンを外から除いてドキドキしたり、がっかりしたり、ワクワクしたりすることができます。

 時間がかかるのが良いとか悪いとか、あるいは自分で焼いたほうが高いとか安いとか、いつの間にかそういう視点でばかり考えるようになってしまっているのではないでしょうか。過程でドキドキしたり一喜一憂したりすることを楽しめるかどうかという視点を忘れて、結果私達の生活は楽しむことを忘れつつあるのかもしれません。

....旅を選ぶときも.....。


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