日大アメフトの所謂「悪質タックル問題」で、内田正人前監督と井上前コーチによる「反則行為の指示はなかった」と警視庁が結論づけた。
つまり法的には問題なしということ。
にもかかわらずアメフトの関東学生連盟は「除名処分」を撤回しないという。
これってどうなんだろうね。
法治国家であるはずの日本で、お咎めなしとなったにもかかわらず復権できないってありなんだろうか?
「指示もないのに一選手があんな異常な反則をするはずがない」と、未だに多くの人が思い、警察の判断に異を唱えている。
全てはタックルをした宮川選手の記者会見に起因する。
素早く潔い会見は国民の支持を得た。
被害者である選手の父親までもが擁護に回った。
テレビのコメンテイターも挙って監督、コーチを批判する。
これで監督とコーチが「悪」という構図が完全に出来上がってしまった。
ボクも当初はそう思った。
ところが時間が経つと、あの会見の手際よさが逆に「胡散臭く」見えてきた。
ちょっと「手際よすぎ」ないかい?
それにあの一件で一発退場処分(除名)は重すぎる。
過剰だと思った。
第三者委員会も学連も、世間の風を意識しすぎている。
内田、井上=大人、不純、悪。
宮川=子供、無垢、善。
この固定観念にとらわれてあの一件を見過ぎている。
「潰してこい!」という指示は、「怪我をさせろ」とは同義ではないという極めて真っ当な警察の解釈。
それをスランプの宮川選手が焦りゆえの判断能力の低下か、あんな愚行に至ってしまったと見るのがボクには一番スンナリ来る。
「火をつけてこい!」と叫んだ明石市長だって本気で「火をつける」とは思っていない。
あそこで部下が本当に火をつけたようなもので、普通はそんな言葉を本気で実行する人間がいるとは想定していないはず。
「アホか!死ね!」と言って、「ハイ」と死ぬ人間はそうそういないようなもの。
ところが、それを実行した人間がいたということ。
「アホか!死ね!」と言って、死なれたとして、それで自殺教唆罪に問われるとは思えない。
余程の圧力が無い限り、たった一言で罪に問われるなどと言うことはあり得ない。
だとしたら「悪質タックル」が、あのような結論に至ることは何の不思議もないと思う。
正し道義的責任は残る。
しかしながら道義的責任だけであそこまで断罪していいとも思えない。
第三者委員会などが「指示あり」の根拠とした証言も「撤回」されているのである。
宮川選手は復帰したし、確かタックルされた選手は最優秀選手かなにかに選ばれたはず。
元気にアメフトやれているのだ。
あの2人だけ抹殺されるのは如何なものかと思うのである。