縁あって某NFLチームのスカウトの方たちと食事をした。彼らの仕事は暇があればドラフトプロスペクトの選手たちのフィルムを観て、時間を作り実際のプレーを観に行くことだ。残念ながら、そんな彼らの興味は日本には全く向いていない。それもそのはずで、NCAA加盟の1200校とその他の体育協会(NWCAなど)にまでアンテナを張っている彼らにとって海外の選手にまで注意を注ぐことは物理的に不可能なのである。では、どうすれば良いか。こちらからガンガン売り込むしかない。客観的に考えて、コネクションを通じこちらから売り込み続ければトレーニングキャンプへの参加は認められそうな選手はいると思う。問題は開幕ロスターに残れるかどうかであるが、ここは相当にハードルが高い。よく言葉の壁が問題などといわれるが、それは当然のことで学校を受験するのに、受験する学校が出題する問題を理解ができなければ話にならないのと一緒である。アメリカ人選手と日本人選手の決定的違いは自己肯定感であり、アメリカ人は謝ったら負けみたいな文化の中、常に競争を煽られて育ってきているので闘争心が半端ではない。そんなアメリカ人選手に気後れせずに生き残るメンタリティを持たなければいけない。三つ子の魂百までも、というように幼い頃から右に倣えで指導されてきた日本人にとっては、メンタルを切り替えるのは並大抵の努力では難しいだろう。これらのことから結論としては、ユース世代からの英才教育が必要で、かつ組織として個人を支援する仕組みが必要ではないかと考える。日本のフットボールに携わる者として、「いつかは日本人NFLプレーヤーが出るだろう」などという考えは捨て自らが主体的に動く必要があると切に感じる。
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