カンボジア経済

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中央銀行 リエル41周年 使用促進を図る

2021年03月31日 | 経済
 3月20日、カンボジアの通貨「リエル」が再導入されて41年となりました。原始共産制を標榜したポル・ポト政権は、通貨を廃止し、中央銀行も爆破して破壊してしまいました。ポル・ポト政権がプノンペンを追われた直後の1980年3月20日に、通貨「リエル」が再導入されました。しかし、その後の内戦等の混乱もあって、カンボジアではドル化が進み、金融取引の8割、預金の9割以上が外貨建て(主に米ドル)となっています。
 ドル化は、カンボジアへの海外投資誘致にはプラスの効果があります。一方、中央銀行による金融政策(政策金利や通貨供給量調節等)実施が困難であること、ドルと他通貨(円、ユーロ、中国人民元、タイバーツ等)の為替変動にさらされること等のドル化のマイナス面も目立ってきています。NBCでは、脱ドル化のプラス面として、地方部での金融アクセス改善、外貨準備の強化、通貨発行益の確保、偽札の排除等も訴えています。NBCでは、脱ドル化を緩やかに進める方針で、公務員給与のリエル建て化、株式市場の建値のリエル使用等、リエルの使用促進を図っています。
 カンボジアでは、ポル・ポト時代の影響もあって、現地通貨への信頼度が必ずしも高くなかった時代が続きましたが、最近は、リエル建ての取引、預金・貸付等も伸びてきています。しかし、脱ドル化は、大変に難しい政策課題の一つであり、十年単位の時間をかけて慎重に取り組んでいくことが必要と見られます。その中で、リエルの使用促進に向けて、少額ドル紙幣の使用を減らす等、様々な方策を進めていることに加え、中央銀行デジタル通貨「バコン」を発行する等、カンボジア国立銀行の努力は評価に値するものと言えます。地道な努力が引き続き実施されていくことが期待されます。
(写真は、中央銀行のサイトより)

中央銀行のサイト
https://www.nbc.org.kh/english/news_and_events/news_info.php?id=604



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