幸せに生きる(笑顔のレシピ) & ロゴセラピー 

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「データ・リテラシーの鍛え方 “思いこみ“で社会が歪む」田村秀著 ”データにごまかされないように”

2020-07-23 20:00:00 | 本の紹介
・アンケートに関する基本的な5つのポイント
1) 母集団が小さい場合は全員に聞く
2) 無作為抽出によるサンプル調査が理想
  (誰でも選ばれる確率が同一)
3) 回答者数より回答率に注目する
4) 「世論調査」と「市場調査」の違いを理解する
世論調査とは、国民、市民といったある社会集団の構成員について、世論の動向を明らかにする目的でお紺われる。市場調査とは顧客のニーズなどを知るために行う各種の調査です。 
5) アンケートの質問や選択肢にも気を配る

・「不正統計問題」はいかにして起こったのか?
 厚生労働省の毎月勤労統計に関する不正の問題です。
 500人以上の事業者については全てを対象に、それ以下の事業者については無作為抽出によって対象を選び、給与などの状況を調べているものです。東京都で500人以上の事業者の調査が全数ではなく1/3の無作為抽出によって行われ、本来であればそのデータを3倍して復元すべきところを怠っていたために、実態よりも若干少ない数値が公表されていたのです。・・・。結果として賃金の高い大きな事業者の割合が低くなってしまったため、このような結果を招いてしまたのです。根本にあるのは基本的なデータリテラシーの欠如ではないでしょうか。

・無作為と作為の「抽出ごちゃまぜ」という禁じ手
東京都からも50人、鳥取県からも50人ということです。これでは人口の少ない県の声が重視され、大都市部の声がより軽視されてしまうことは明らかです。厚生労働省はサンプリングの基本的な考え方を理解していなかったのです。指摘を踏まえ、最終的には人口比で按分するということにはなりましたが、その結果と厚労省のミニターに別途聞いたものを合計して公表してしまうということを勝手に行っていました。この出来事からも明らかなように、残念ながら霞が関のデータ・リテラシーとはこの程度のものなのです。

・不本意にランキングされた場合の対処法
結果に一喜一憂するのではなく、ランキングの手法などを冷静に分析すべきです。ランキングがどのような手法で作成され、どのようなデータが用いられているのかを、しっかりと分析することです。まともなランキングかそうでないかということを見極め、次の行動に移すのです。

・税理士の平均年収3,000万円!?
2003年ごろに、大原簿記学校が大学の掲示板などに揚げたポスターの見出しは、あまりにも刺激的なものでした。これを税理士の平均年収が3,000万円と解釈するのは間違いです。我々が勝手に収入=個人の給与所得と思いこんでしまうのも悪いのかもしれませんが、むしろそのように思いこませようとした一種の釣り広告と言った方が妥当でしょう。このデータの問題点は次の通りです。
1) 引用された日本税理士連合会が行った調査1994年に実施されたもので、収入は92年ないし93年というバルブ期の影響を受けている時期のものであること。
2) 対象が開業10年以上の税理士に限られ、新人などは一切対象にしていないこと。
3) 事業所単位の収入であり、会計法人なども含まれていること。
4) 収入はあくまで事務所全体の額で、事務所の維持費など支出される分も含まれていること。
誤ったイメージを結果として流し続けたという意味では、大原簿記学校も、元の調査結果を公表した日本税理士連合会も、責任は決して小さくないです。様々なデータを見てみると、実際には1,000万円いくかどうかというのが、税理士給与の相場のようです。

・3年3割離職という話は、城繁幸氏が書いた「若者はなぜ3年で辞めるのか? 年功序列が奪う日本の未来」などの著作によって、大きく注目を集めたものです。
実際に調べてみると、これは思いこみが強すぎたと気づかされたのでした。やはり、データ。リテラシーの観点からは、データを注意深く検証せずに一面的に判断して、結果を安易に信じるようなことは避けるべきなのです。
実は3年3割離職というのは、ここ10数年で始まった話ではないのです。
1987年3月に大学を卒業した人の3年以内の離職率は、28.4%、2015年3月卒では31.8%。3ポイント程度高いとはいえ、大差ないと言えるのではないでしょうか。その後、バルブが崩壊し、就職氷河期の時代を迎えると離職率は高くなり、2004年3月卒の36.6%がピークとなりますが2010年以降は32%前後で横ばいとなっています。
ちなみに城氏の著書では、最も離職率が低かった1992年の23.7%とピークに近かった2005年の35.9%を比べています。

・なぜ山梨県は自殺率が日本一なのか?
2013年、2014年ともに、人口当たりの自殺者が最も多いのは山梨県とされていました。実は紹介したデータは、警察署の自殺統計によるもので、自殺者数については発見地でカウントされているのです。山梨県には自殺の名所と化してしまった青木ヶ原の樹海があるのです。
厚労省が発表している人口動態統計では、発見地別ではなく住所地別のデータを使っています。山梨県は人口動態統計では6位に下がっています(2014年)。警察統計山梨県29.8%で1位。人口動態統計山梨県22.0%で6位。

・横浜市の待機児童ゼロ達成(2013年)は本当か?
2003年に待機児童数の定義を変更し、認可保育所に入れなくても自治体独自の保育事業を利用したり、幼稚園の一時保育を利用したりした場合には、待機児童にカウントされないこととなりました。また、保護者が育休中の場合は、自治体がカウントするかしないかを判断することとなりました。他に入所可能な保育所があるにもかかわらず、第二希望の保育所に入社するために待機している児童も待機児童にカウントされません。

・「伊勢崎市は4人に1人が外国人」という誤報の真相(2015年テレビ朝日の報道)
本来の分母は群馬県内の外国人数であるところを、伊勢崎市の人口と勘違いしたのが、そもそもの発端だったのでしょう。
テレビ朝日のスタッフは、最新のデータでもない2012年時点の24.7%という数値を、四捨五入して使ったようなのです。データの読み間違いはするわ、最新のものですらないデータを引用するわ、といった具合で何ともとほほな話であります。

・「世界の旅行先で、USJがランキング1位に楽天リサーチ」
これは「見出しに騙されるな」ということでもあるのですが、世界一の旅行先といっても日本人から見た、しかも楽天リサーチのモニターという特定の層を対象にしているもので、さらに言えばインターネット・アンケートの割には対象者数が1,467人と少ないことを考えれば、そんなものかというところでしょう。

・新潟市が金沢市をしのぐ観光地!?
「月曜から夜ふかし」という日本テレビのバラエティ番組で、2015年2月16日に放送された「北陸新幹線による闇」といもので。観光入込客数が金沢823万人に対して、新潟1,713万人とされていました。
新潟市の場合、地元の神社や祭り、花火大会の入込数から、各種スポーツ施設の利用者すうまで、ありとあらゆるデータが含まれています。金沢市はできるだけ外からの観光客数の把握に努めている荷に対して、新潟市は観光客数を増やそうと、可能な限り観測地点を増やし、結果として相当程度市民がカウントされているのです。このことは、両市の宿泊者数を見るとさらに明らかになります。観光庁の宿泊旅行統計調査によれば同一時期の2013年では、新潟市は160万人(泊)だったのに対し、金沢市は201万人(泊)と勝っていました。

・データ・リテラシーを鍛える
1) 常に比較の視点を持つ
2) 「率」か「数」に注目する
3) 「概数」で把握する
4) 「だいたい」という感覚の難しさを知る
5) パーセンテージ化する意識を持つ
6) 「平均」と「偏差」を使いこなす
7) グラフを使い分ける
8) 「すそ切り」(グラフの数値が途中から)の有無に気をつける
9) グラフの誇張には用心する
10) 日常の風景をよく観察する
11) 家計を見直す(お金の使い方や貯め方をちょっと違う角度から見つめ直す)
12) 世界情勢をデータに置き換えて把握する
13) 基本に立ち返る(データの定義や出所、算出方法)

感想;
チラシや広告のデータは良いところだけを取り出し、見ている人に誤解を与えて、良い印象を与えようとしてます。
これは”優良誤認”と言って、やってはいけないことなのです。

健康食品は「~に効果があった」ということは言えないので、それを個人の感想をして言わせています。

私たちにできることは、データ・リテラシーを高めることで、騙されないようにすることでしょう。






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