幸せに生きる(笑顔のレシピ) & ロゴセラピー 

幸せに生きるには幸せな考え方をすること 笑顔のレシピは自分が創ることだと思います。笑顔が周りを幸せにし自分も幸せに!

「カップル・カウンセリング 関係修復のための実践ガイド」マーティン・ペイン著 ”ナラティブセラピーの手法活用”

2025-02-27 03:33:55 | 本の紹介
・私自身の経験に照らしてみると、初心者のカップル・カウンセラーには、たとえ個人カウンセリングの経験が豊富であったとしても、多くの罠が待ち受けていることがわかります。これらの罠を予測し準備しておかないと、それはすぐさま取り組みに影響を与え、その効果を脅かしたり、最悪の場合にはカップルが抱える問題を悪化させてしまいます。しかし、私の経験からすると個人向けのトレーニングを受けたカウンセラーも、新しいアプローチを検討し、ワークショップに参加し、広く本を読み、良いスーパーバイザーと取り組みについて話し合うことを厭わなければ、カップルカウンセリングを成功させることができます。

・個人カウンセリングとカップル・カウンセリングの違い
①時間的制約
②三者の相互作用
③諍(いさか)いの即時性
④カウンセラーの私生活からの反響
⑤中立性
⑥異なる目的(スプリットアジェンダ)
⑦非現実的な期待
⑧倫理的ジレンマ

・応用可能なスキル
①カップル間の対立をめぐるカウンセリング経験
②中立性を持ち合わせた共感
③専門家ではない姿勢
④リフレクシヴィティ(省察性)と専門性の発展
⑤倫理的実践
⑥個人的な経験

・カップル自身が課題をどう見ているか、そして二人の知識、意味づけ、価値観を引き出し、認証し、正当性を確認し、それらに焦点を当てる。

・初回ジョイントセッションのフレームワーク(70分)
①オープニング(約10分)
②必要であればフレームワークを離れて当面の緊急課題に対応する(このステップだけで60分)
③初回セッションの構造を設定する(約5分)
④カップルの一方と会話し、もう一方がその会話を聞く(約15分)
⑤カップルのもう一方と会話をする(約15分)
⑥要約し、問題に名前をつける(約5分)
⑦問題を正常化(ノーマライズ)し、それに取り組む意向を確認する(約5分)
⑧一つか二つの例外を調べる(約15分)
⑨カップルとセッションに来た目的を再確認してから、簡単な課題を提案し、次回のセッションを調整する(約5分)

・初回後のジョイントセッションのフレームワーク(60~75分)
(「悪いことが起きた」場青のプロセス)
①新たに語られた問題、または継続的な問題の説明を求める(約20分)
②例外を特定する(約5分)
③例外の意義を探る(約20分)

(「報告することが何もない」場合のプロセス)
①本当に新しいものがないかを確認する(約10分)
②例外の意義を考えてもらう(約25分)

(「良いことが起きた」場合のプロセス)
①悪いことが起きていないかを確認する(約5分)
②例外を特定し、探求する(約25分)

「セッションのクロージング」
①カップルのそれぞれが小さな変化を実験に参加するように招く(約15分)
②確認文書の作成を提案し、その内容と性質について話し合う(約10分)
③次回のセッションを調整する(約5分)

・一般的に、例外をめぐるカウンセラーの質問は、
「何をしましたか? 何を考えましたか? それは何を意味しましたか?」
を基盤としています。

■本書の主な目次(北大路書房)
第Ⅰ部 概念と実践
第1章 個人カウンセリングとカップル・カウンセリング
第2章 ナラティヴ・セラピー
第Ⅱ部 カウンセラーとカップルに与える社会文化的影響
第3章 カップル関係をめぐる文化的に形成された考え方
第4章 カウンセラーと異なる性的指向、年齢、文化的背景のカップル
第Ⅲ部 セッションの構造
第5章 初回ジョイントセッションのフレームワーク
第6章 初回後のジョイントセッション
第7章 必要に応じた個人セッション
第8章 アドバンスド・プラクティス
第Ⅳ部 固有の問題
第9章 危機を招く恐れのある緊張関係
第10章 友人や家族との問題
第11章 性的な問題
第12章 不貞
第13章 暴力と虐待

感想
 個人カウンセリングしていても、カップルカウンセリングにはまたその注意事項があるので、それを学び経験しないと上手く行かないようです。
 本書はナラティブセラピーの手法でカップルカウンセリングを行っています。

 カップルカウンセリングに二人が来るのは、二人は何とかやり直したいとの気持ちがあるからのようです。

 面白いと思ったのは”例外”探しです。
「カウンセリングで例外の探求に焦点を当て続ける理由は、カップルが自分たちの関係において、困難によって脇に追いやられ、見えなくなっている側面を認識し、内面化できるような見方を徐々に構築していくのを支援するためです。ですから、単に例外を特定するだけではなく、その例外が自分たちの関係のどのような側面に光を当てているかを考えるよう、カップルに誘いかけることが重要になります。」
 その例外が解決するヒントを与えてくれるかもしれないとのことです。
その例外が何を意味しているかも大きいようです。
 例えば二人の間が上手く行かないとき、上手く行っている時がないか? それはどんな時か? なぜ上手く行ったのか? など例外を探して、そこから二人が上手くいくヒントが見つかるかもしれないと言ことです。
 相手がいつも機嫌が悪いとすると、例外はないのか? あるとするとどんな時か?など省察してみるようです。

 品質保証でも、例外(それだけ違うデータ)は何か意味があるのかもしれないのです。それを突きつめていくと、大きな改善のヒントが見つかる場合があります。
 
 「何も出来ない」「やる気が起きない」場合でも、いろいろ探ってみると、多くの「出来ていること」があるかと思います。
トイレに一人で行ける。お風呂に入れる。食べる。
自分で自分が出来ないと思うことが”楽”だからかもしれません。
イソップ寓話「酸っぱいぶどう」で自分に言い訳を与えて、正当化すると楽だからなのかもしれません。
 そこには、やはり、「意味への意志」、何かしたいとの思いがないとなかなか人生を生きるにはハードなように思います。
そしてその意味は自分よりも他者に向いていると大きいと仏教では教えてくれています。
 瀬戸内寂聴さんがよく言われていた「亡己利他」のようです。
そこにさらに意味があると生きるための大きなエネルギーになるように思います。
「意味への意志」を考えるヒントを与えてくれるセラピーがロゴセラピーです。
 精神
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心⇔身体
通常のセラピーは心を取り扱っています。
ロゴセラピーでは精神を取り扱います。
「意味への意志」、そこには”精神”が大きく関わっているのだと思います。

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