飯澤天洋作
御細君閣下
~第七集~
当時の女性たちの生活環境は今よりずっと厳しく、
結婚して夫のため子どものため家事に専念し、
仕事といえば針仕事といった内職や小商いなどが中心でした。
おしとやかで家庭につくすことが、良妻賢母の鑑。女性のたしなみとされていたのです。
「青鞜」が唱えた女性の社会進出、男女同権の思想と運動は世間に衝撃を与え、反発もかいました。
伝統的な価値観を支持する人々に不良と呼ばれ、
彼女たちは偏見と長い戦いをしいられることとなります。
今回紹介する絵葉書も、解放運動する女性を揶揄した内容のものです。
男女同権をうたった新婚夫婦を描いた滑稽絵葉書で、妻がヴァイオリンの稽古をしており、
夫が子どもを背負ってあやしながら楽譜を掲げて手伝ってます。
妻の無茶な注文にも、夫は自分の能力の低さを卑下しながら必死にあわせるのです。
新しい考えを生意気と茶化したイラストは、
今ではとても考えられないことです。
女性の社会進出の足がかかりをつくるため奮闘した、
当時の世相を感じ取ることができます。
次回も素敵な絵葉書を紹介します。
お楽しみに!
次回は3月の予定です