絵葉書ロマン譚 絵葉書資料館ブログ

絵葉書を通して、古き良き時代にタイムスリップ

加藤まさを~大正・昭和絵葉書名作品集①~

2010-02-05 14:00:54 | 大正ロマン

立春を過ぎましたが、まだまだ寒い日が続いております。
風邪をひきやすい時期でもありますので、皆さんもお気をつけ下さい。



絵葉書は子どもから大人まで幅広く親しまれておりました。
今ほど印刷物が溢れておらず、
インターネットはもちろんテレビもなかった時代、
色鮮やかな絵葉書にどれほど心躍らせたことでしょう。
特に流行に敏感だった子どもたちの人気獲得のため、
多くの出版会社から活躍中だった、挿絵画家の絵葉書が発行されました。




帆船 春の夜の夢


娯楽雑誌は大正から昭和初期の間に多数出版され、
生活水準が高まるのと同時に、様々なジャンルの雑誌が刊行されました。
児童文学などを主に扱った、少年・少女向け雑誌もその一つでした。
子どもたちは主人公らが繰り広げる、
勇ましい冒険や美しい青春物語に夢中になりました。

そして文に添えられた数々の挿絵も、雑誌の人気を支えておりました。
物語のイメージを視覚化することで、
彼らの姿をよりリアルに想像することができたのです。




海辺のこども 岩の2人


加藤まさをも、そんな人気挿絵画家の一人でした。
大学時代に挿絵画家としてデビューし、
彼が主に『少女倶楽部』などの少女向け雑誌にて活躍。

人気を博した抒情画の特徴でもある、郷愁と哀切を伴う作風は、
繊細な心の移り変わりを詩情豊かに表現しておりました。
もの悲しさを宿した揺れ動く瞳を持つ上品な姿に、
当時の読者たちは深く共感を抱いたことでしょう。




谷のゆり


少女たちの心情を美しくメルヘンチックに表現した抒情画は、
通り過ぎる思春期の寂しさと、それを見守る優しさが、
胸を打つ作品に仕上げているのかもしれません。




次回も素敵な絵葉書を紹介します。
お楽しみに!



次回は3月5日の予定です


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