かなりがっかり……まあ、これは前シリーズを考えると、覚悟はできていたこと。
『相棒』においては、「テロ」発生?の場合、たいがい個人的な動機(理由)で、テロではなく、実態はしょぼいことが多い。
今回は、しかも、導入部がじれったくて、さらに、内容もスカスカ。
甲斐峯秋誘拐の誘因となった殺人事件も、「遺体から2種類の毒が検出」「署名が万年筆からボールペンに切り替えたこと」の謎も、「峯秋絡みの遺書が隠ぺいされた」事実を知った時点で、右京にとっては二つの謎が、推理のヒントとなり事件真相が把握できてしまうような軽い扱い。
陰謀吹聴者・綾辻(忍成修吾)のキャラは面白かった。
視聴後は、あの吹聴ぶりは、仲間に誘拐を手伝わせるためかと思ったが、誘拐自体は予定外だったので、そうでもないらしい。となると、陰謀論を吹聴してその反響ぶりを楽しんでいたのか、それとも、本当に陰謀を信じている痛い人なのか……。それにしても、忍成くん、ピッタリキャラにハマっていた。
初回のテーマは、
「テロリストの誘拐に対する身代金」と「甲斐親子の信条」
「相手がテロリストの場合、いかなる交渉もしない」というのが日本の方針らしいが、実際はどうなのだろう?
また、今回のように、警察幹部や政府要人と一般人とでは対処は違うのだろうか?
一つの回答として、峯秋は「身の安全は望むが、身代金と引き換えに助かりたいとはこれっぽっちも思っていない」と言い切っている。前シリーズでは、単に憎々しくて人間のスケールを感じなかったが、今回は世間の悪評など気にも留めないのと合わせて、少し見直したぞ。
この親父(峯秋)のことを、理解している享。峯秋の言葉を猪瀬から教えられ、嬉しそう。
また、猪瀬孝徳の峯秋評「立派なクズだ」に同意しながらも、「他人に父親をクズ呼ばわりされるのは、良い気持ちしませんねぇ」と思い切り殴る。……えっ?そこで殴るのって、変じゃない?なんだかんだ言って、親父のこと好きなのか?
純粋な者を巻き込んだこと、三浦が大怪我したこと、真実を明らかにするため殺人を犯したことなど、もっと怒るべきことはあったのでは?
犯人・猪瀬もミイラ取りがミイラになってしまっていた。
身代金の授受とは関係なく、峯秋を開放するつもりだった。そうすれば、世間は身代金の裏取引があったと思うはずと。「世の中、真実かどうかなんて、実はどうだっていいんだよ。非とは信じてえことだけを信じんだよ」
これに対し、右京さんが激昂。
「恥知らずには、何を言っても無駄ですか?」
「開き直るんじゃない!」
さすがに猪瀬も自分の行いを恥じたようだ。
初回のビックリは三浦の勇退
三浦の警部補昇進(係長に)にも驚いたが(伊丹・三浦の仲もぎこちない)。
太腿を刺される直前に、≪あぁ三浦さん、殉職?≫という考えがよぎったが、太腿だったので、≪三浦さんらしいなあ≫と安心したが、神経を損傷してしまったとは……
悲しみに体を震わせる伊丹。
右京は「そうですか」と一言だけ。「どんな言葉を発しても、空回りしそうな気がしてしまいましてねえ」……そう言えば、以前、亀山が異動になった時も「そうですか」の一言だけだった。
この右京のこういう思いが伝わったのか、「相変わらずだなあ警部殿は」と。
三浦さんがいなくなるのは、寂しいなあ。
【些細な突込みなど】
・峯秋がターゲットなのに、綾辻が峯秋の息子の享の顔を調べてないのはおかしい
・急遽、峯秋誘拐を決行したのに、用意周到だった
・猪瀬は初めから峯秋誘拐をメインにした方が良かったのでは?効果的だし、殺人をしなくてもよいし
・蛸壺や綾辻を尋問する前の、右京、享、伊丹のスローモーションは意味があるのだろうか?
・仲間の女子高生はスレタ印象だったが、峯秋のために一生懸命抵抗して、けっこう純粋なんだなと嬉しかった
・陰謀説を利用して、仲間に引き込んだというのは面白かった
・毒が効いている状態で、しかも、仰向けの紙を支えるのも不安定な状況で、よくあんなきれいな署名ができたものだ。
【ストーリー】番組サイトより
特命係・杉下右京(水谷豊)は、甲斐享(成宮寛貴)の彼女、笛吹悦子(真飛聖)から最近、享の様子がおかしい、と相談を受ける。どうやら、「みんなの動画」というサイトで「火の玉大王」と名乗る男の生放送にハマっていると言う。「9.11同時多発テロがアメリカ政府の陰謀」「富士山は今年中に噴火する。それも人為的に。」など様々な諸説を配信している「火の玉大王」こと綾辻(忍成修吾)は陰謀論者のようだ。
心配になった右京は、享を尾行しその行動を探ろうとする。すると、「火の玉大王」を中心に手をつなぎ、夜空に向かって宇宙船を呼ぼうとする享の姿が…。本当に享は「火の玉大王」に心酔しているのだろうか?右京も流石に首をかしげてしまう。
そんな折、大東亜産業の専務・高山(大原康裕)の遺体がホテルで見つかった。所轄によると服毒による自殺の模様だが遺書は無く自殺理由は不明とのこと。そのニュースを見て妙に気になっている享に右京は気づくが…
右京は真相を探るため「火の玉大王」の生放送に潜入するが、図らずもネットの放送上で享と会話してしまうことになり、調べていることが明らかに。
享は一体なにをしていたというのか?
そのあとに起こる警察を揺るがす大事件とは!
ネットの闇が右京たちに迫る!
犯人の目的とは!?
脚本:輿水泰弘
監督:和泉聖治
『相棒』においては、「テロ」発生?の場合、たいがい個人的な動機(理由)で、テロではなく、実態はしょぼいことが多い。
今回は、しかも、導入部がじれったくて、さらに、内容もスカスカ。
甲斐峯秋誘拐の誘因となった殺人事件も、「遺体から2種類の毒が検出」「署名が万年筆からボールペンに切り替えたこと」の謎も、「峯秋絡みの遺書が隠ぺいされた」事実を知った時点で、右京にとっては二つの謎が、推理のヒントとなり事件真相が把握できてしまうような軽い扱い。
陰謀吹聴者・綾辻(忍成修吾)のキャラは面白かった。
視聴後は、あの吹聴ぶりは、仲間に誘拐を手伝わせるためかと思ったが、誘拐自体は予定外だったので、そうでもないらしい。となると、陰謀論を吹聴してその反響ぶりを楽しんでいたのか、それとも、本当に陰謀を信じている痛い人なのか……。それにしても、忍成くん、ピッタリキャラにハマっていた。
初回のテーマは、
「テロリストの誘拐に対する身代金」と「甲斐親子の信条」
「相手がテロリストの場合、いかなる交渉もしない」というのが日本の方針らしいが、実際はどうなのだろう?
また、今回のように、警察幹部や政府要人と一般人とでは対処は違うのだろうか?
一つの回答として、峯秋は「身の安全は望むが、身代金と引き換えに助かりたいとはこれっぽっちも思っていない」と言い切っている。前シリーズでは、単に憎々しくて人間のスケールを感じなかったが、今回は世間の悪評など気にも留めないのと合わせて、少し見直したぞ。
この親父(峯秋)のことを、理解している享。峯秋の言葉を猪瀬から教えられ、嬉しそう。
また、猪瀬孝徳の峯秋評「立派なクズだ」に同意しながらも、「他人に父親をクズ呼ばわりされるのは、良い気持ちしませんねぇ」と思い切り殴る。……えっ?そこで殴るのって、変じゃない?なんだかんだ言って、親父のこと好きなのか?
純粋な者を巻き込んだこと、三浦が大怪我したこと、真実を明らかにするため殺人を犯したことなど、もっと怒るべきことはあったのでは?
犯人・猪瀬もミイラ取りがミイラになってしまっていた。
身代金の授受とは関係なく、峯秋を開放するつもりだった。そうすれば、世間は身代金の裏取引があったと思うはずと。「世の中、真実かどうかなんて、実はどうだっていいんだよ。非とは信じてえことだけを信じんだよ」
これに対し、右京さんが激昂。
「恥知らずには、何を言っても無駄ですか?」
「開き直るんじゃない!」
さすがに猪瀬も自分の行いを恥じたようだ。
初回のビックリは三浦の勇退
三浦の警部補昇進(係長に)にも驚いたが(伊丹・三浦の仲もぎこちない)。
太腿を刺される直前に、≪あぁ三浦さん、殉職?≫という考えがよぎったが、太腿だったので、≪三浦さんらしいなあ≫と安心したが、神経を損傷してしまったとは……
悲しみに体を震わせる伊丹。
右京は「そうですか」と一言だけ。「どんな言葉を発しても、空回りしそうな気がしてしまいましてねえ」……そう言えば、以前、亀山が異動になった時も「そうですか」の一言だけだった。
この右京のこういう思いが伝わったのか、「相変わらずだなあ警部殿は」と。
三浦さんがいなくなるのは、寂しいなあ。
【些細な突込みなど】
・峯秋がターゲットなのに、綾辻が峯秋の息子の享の顔を調べてないのはおかしい
・急遽、峯秋誘拐を決行したのに、用意周到だった
・猪瀬は初めから峯秋誘拐をメインにした方が良かったのでは?効果的だし、殺人をしなくてもよいし
・蛸壺や綾辻を尋問する前の、右京、享、伊丹のスローモーションは意味があるのだろうか?
・仲間の女子高生はスレタ印象だったが、峯秋のために一生懸命抵抗して、けっこう純粋なんだなと嬉しかった
・陰謀説を利用して、仲間に引き込んだというのは面白かった
・毒が効いている状態で、しかも、仰向けの紙を支えるのも不安定な状況で、よくあんなきれいな署名ができたものだ。
【ストーリー】番組サイトより
特命係・杉下右京(水谷豊)は、甲斐享(成宮寛貴)の彼女、笛吹悦子(真飛聖)から最近、享の様子がおかしい、と相談を受ける。どうやら、「みんなの動画」というサイトで「火の玉大王」と名乗る男の生放送にハマっていると言う。「9.11同時多発テロがアメリカ政府の陰謀」「富士山は今年中に噴火する。それも人為的に。」など様々な諸説を配信している「火の玉大王」こと綾辻(忍成修吾)は陰謀論者のようだ。
心配になった右京は、享を尾行しその行動を探ろうとする。すると、「火の玉大王」を中心に手をつなぎ、夜空に向かって宇宙船を呼ぼうとする享の姿が…。本当に享は「火の玉大王」に心酔しているのだろうか?右京も流石に首をかしげてしまう。
そんな折、大東亜産業の専務・高山(大原康裕)の遺体がホテルで見つかった。所轄によると服毒による自殺の模様だが遺書は無く自殺理由は不明とのこと。そのニュースを見て妙に気になっている享に右京は気づくが…
右京は真相を探るため「火の玉大王」の生放送に潜入するが、図らずもネットの放送上で享と会話してしまうことになり、調べていることが明らかに。
享は一体なにをしていたというのか?
そのあとに起こる警察を揺るがす大事件とは!
ネットの闇が右京たちに迫る!
犯人の目的とは!?
脚本:輿水泰弘
監督:和泉聖治
冷静に考えたらストーリーはかなりスカスカでしたね。
カイト君の正体を知り驚くメンバー場面も2度も描写する必要あったんだろうかと
些細な演出のだるさも感じました。
逆に、三浦さんが出世したり伊丹との喫煙だったりとか
今回は三浦さんの役者の卒業を兼ねた
盛大なはなむけのような脚本でもあったのかなと感じる部分も強かったです。
昔「太陽にほえろ」が、番組卒業する役者に最後どういう場面や演出で卒業したいか
脚本家がある程度は要望をかなえてくださったそうなので・・・。
えええっ、三浦さん卒業ですか・・・・。
・・・・ビックリしました。
今回の『相棒』第1話は見られない時間に
やってたので、少し気になっていたのですが
・・・・。
>「相手がテロリストの場合、いかなる交渉もしない」というのが日本の方針らしいが、実際はどうなのだろう?
一応日本はアメリカと同じような対応だったので
そんな感じです。ただ・・・・
昔、「命は地球よりも重い」という発言が
あった事件は、なんかあったらしく、
交渉したみたいなのですが、
なにせソースが雑誌なので、
どこまで信用していいのか・・・・(笑)
それにしても、警部殿は、本当は悲しいはずのに
そっけないですよねぇ~~~~。
PS・>【些細な突込みなど】が見てて楽しかったです。
(笑)
>カイト君の正体を知り驚くメンバー場面も2度も描写する必要あったんだろうかと、些細な演出のだるさも感じました。
ええ、重複感やまだるっこしさ強かったです。
>逆に、三浦さんが出世したり伊丹との喫煙だったりとか、今回は三浦さんの役者の卒業を兼ねた盛大なはなむけのような脚本でもあったのかなと感じる部分も強かったです。
三浦さんが昇進したためのぎこちなさ、張り込みシーンでの二人の心の繋がり、病院での訣別の際の、二人の悲しみのシーンと、こちらのインパクトの方が強かったです。
三浦さんがいなくなるのは、寂しいですね。
確かに三浦さん勇退にも驚いたのですが、ドラマを見ていないこてくんのコメントの長さに驚きました。いえ、皮肉ではなく、感謝しています。嬉しいです。
>昔、「命は地球よりも重い」という発言があった事件は、なんかあったらしく、交渉したみたいなのですが、
ダッカでのハイジャック犯(日本赤軍)との交渉の際、福田赳夫内閣総理大臣(当時)が「一人の生命は地球より重い」と述べて、身代金600万ドルの支払い及び、超法規的措置として獄中メンバーなどの引き渡しを決断したとのことです。
ところで、右京さんも「この世に人の命より重いもの(大切なもの)はない」というような言葉を口にします。
私的には、「人の命は地球よりははるかに軽い」「人間は地球にとっては害虫以上に有害なもの」と考えています。
>PS・【些細な突込みなど】が見てて楽しかったです。
「そうですか」(実は嬉しい)
人の命が紙切れのように軽く扱われる事例が存在するにしても、そんなことを言えば忽ちスキャンダルで失脚する世の中と、ちょっとした失言程度にしかならない世の中では、その事例の数が全く変わってきてしまう。
命の重さというのは、大体その時代の道徳的観念で決定して、人のそれにしろ他の生物のそれにしろ、軽く扱われる世の中は大抵ろくでもないと言えるでしょう。
日本赤軍の事件の時、本来地球と人間の命なんてものは、全く比べるような代物ではなかったのです。まったく別の次元のものだから、人間の命の方が重い、というような発言も可能でした。その後地球環境というものが意識されるようになると、全くあり得ない発言になります。当時地球というのは殆どただのマテリアルみたいな認識のされ方をしていたのではないかと。
テロリスト相手に全く交渉しない、というのは大きな問題があります。
そもそもテロリストって何をもってテロリストなのか。9.11ですが、日本はずっと同時多発テロとマスコミで扱われてきましたが、現在多くの国では政治的バイアスを排した「9.11」「9.11事件」と書かれます。テロやテロリストというのは悪であるのですが、善悪の価値観が個々人で全く違う事例が身近にある場所ではそうなる。
何故全く交渉したがらないのか。
個人的には軍事力で対処できないからだと思っています。軍事力で対処できる国家間戦争は、そもそも外交の一手段という言い方さえあり、それ自体が交渉であったり、軍事力で勝てば相手に言うことを聞かせることができる。
しかしテロ行為というのは本来対処療法である警察組織の管轄で、軍事力で勝利することができません。ですから、要求をのまない、というのは概ね正しいと思います。
自分の国の正義を信じている人間であれば、テロリストに誘拐され交渉がなされず殺されても本望でしょう。
なるほど、「地球より重い」発言は、当時の政治観、環境概念が異なるので、現代の尺度で考えるのは妥当でないのかもしれませんね。
>テロ行為というのは本来対処療法である警察組織の管轄で、軍事力で勝利することができません。ですから、要求をのまない、というのは概ね正しいと思います。
>自分の国の正義を信じている人間であれば、テロリストに誘拐され交渉がなされず殺されても本望でしょう。
甲斐峯秋の信念ですね。
前シリーズでは、イマイチ感が強かったのですが、今回は光っていました。