・警察官が何名も行方不明(実は悪徳警官。殺害されていた)
・通常知り得ない警察情報をスクープするケーブルテレビ局の記者
・ローカル記者に情報をリークする謎のネタ元
・陰で暗躍する「タカハシ」
・正義感溢れる警視総監の奇妙な行動
・やる気を感じさせない黒水署長と署員たち
・麻薬栽培、密売
・前科者を支援する人の良さそうな黒水町長の和合(八嶋智人)
・宗教者の寛容に魅了されていたことがあるアパート住人たち
・過去に陰を持つ喫茶店経営の男女
・ラテン語で書かれた「私は獣として帰還する」とチラつく白熊のぬいぐるみ
多種多様な謎が浮かび上がり、特命係の2人がその謎に迫り、真相に近づいていく………
非常に面白そうな展開……しかし、このストーリー構成………
……………ある脚本家が脳裏をよぎり、嫌な予感が………………………
(先入観を持たないため、視聴終了まで脚本家名を見ないことにしています)
殺人衝動を持ち、「殺すことが楽しい」という狂人。今風に言うと“サイコパス”。
動機がないに等しく、動機を考察する意味はない……何をしても説明がつく
しかも、IT企業経営者で町長、財力も技術力も権力を持つ……何でもできる(総監の護衛も瞬殺できる特殊部隊さえ雇え、テレビ局に爆弾を仕掛けることもできる)……
ドラマ視聴者にとって、推理しても無意味。
ドラマを観終えて、「ああ、そうですか」と右京風に呟くしかない………
おもしろそうに見せているだけで、まったく面白くなかった!
右京の台詞も同様……
………………良いことを言っているように思わせているだけ
(槙野真理男に対して)
「僕が約束できるのは一つだけです。
“君がなぜ、この町に返ってきたのか?”
そのことだけは、必ず明らかにします」
その言葉の決着が
「君は利佳子さんと幸せになるために、この町に戻ってきたのです。
罪を償ったら、彼女の許に帰りなさい。
そしてもう二度と、彼女を一人にしてはいけない。
正義よりも大事なことです」
いい話風にまとめているが、
右京が“君がなぜ、この町に返ってきたのか?”について拘る理由が不明。
最後に真理男に掛ける言葉を言わせるための脚本家の都合だった。
そもそも、
“過ぎた正義感”右京が「正義よりも大事なことです」ということ自体、違和感あり過ぎ!
「(人はギリギリのところで踏み止まり、縁の下から這い上がろうとする)
人間そのものの姿をあなたは知らない。永遠に理解できない。
あなたは人生の本当の楽しみを知ることはない……今までも、これまでも。
………哀れな人だ」
この言葉も含蓄のある言葉だが、サイコパス・和合にはこう語るしかない。
また、若月詠子を殺害した和合を怒りにまかせて殺そうとし、それを悔い「右京さんのそばにいる資格がない」と言う冠城に対して、「キミはギリギリのところで踏み止まった」と認める右京のシーンにも絡めている。
よく練った構築だとは思うが、この和合に投げかけた言葉は、右京ではなく亀山が言った方がしっくりする。今回の場合は、冠城が言うべき言葉のように思う。
いろいろ面白そうな要素をチラつかせ、勿体ぶって少しずつ解明していく……
…………真野勝成氏が脳裏に浮かんだ。
真野勝成氏については、『season15 第2話「チェイン」』で次のように評している。
≪脚本の真野勝成氏は、『相棒』においては、風変わりな視点や捌き方が多く、微妙な作品も多い。“要注意脚本家”候補に昇格?≫
今回、“要注意脚本家”に昇格決定!
真野氏の過去の作品……「右京さんの友達」、「死命」、「サイドストーリー」、「ストレイシープ」、「苦い水」、「ファンタスマゴリ」、「英雄~罪深き者たち」、「陣川という名の犬」、「チェイン」
【その他の疑問点】
・「この事件を起こせるのは世界でただ一人、あなた(和合)しかいません」という推理の結論を言い切ったが、黒水署長も可能性がないとは言えない
・ぐうたらな署長と署員たちが、急に張り切り出すのは不自然
・死亡していたタカハシを和合が利用しただけ。「タカハシ」「ぬいぐるみ」など意味深なだけの事象が多い
・「ネタ元は死んでも明かせない」を強調し、「骨のあるジャーナリストでした」と美彌子(仲間由紀恵)に言わせていたが、それほど立派なジャーナリストとは思えない
【ストーリー】番組サイトより
特命係が閉鎖! 右京と亘は郊外の駐在所に左遷!?
隠蔽された警察官連続失踪事件の闇に切り込む!
右京(水谷豊)と亘(反町隆史)に、郊外のベッドタウン黒水(くろうず)町の駐在所への臨時異動辞令が下った。黒水は問題がある警察官の左遷先と噂される署だった。
その夜、都内では警視総監の四方田(永島敏行)を囲む会合が開かれていた。それは、都内の浄化作戦で成果を上げた四方田のためのパーティーで、会場には副総監の衣笠(大杉漣)や峯秋(石坂浩二)の姿もあった。また、前科のある人間を積極的に受け入れ、寂れかけた町を再生させるプロジェクトに取り組んでいる黒水町の町長・和合(八嶋智人)も列席していた。
その会場に、四方田宛の差出人不明電報が届く。そこにはラテン語らしき文章と子供が描いたようなシロクマの絵が記されていたのだが、それを見た四方田はなぜか動揺して…!?
翌日、黒水署に到着した右京と亘は、前任者が交代になった理由が気になり、調べ始める。すると、駐在所に住み込んでいた2人の警察官のほか、黒水署の有本(森岡豊)という刑事も行方不明になっていることが判明。右京と亘は失踪現場となった団地の住民から話を聞くが、収穫はゼロ。しかし、有本が最後に乗っていたパトカーから血液反応が検出され、2人は何らかの事件が起きたことを確信する。
そこに、若月詠子(伊藤歩)という女性ジャーナリストが現れる。黒水署の警察官連続失踪事件を追っているという彼女は、警察内部ですら統制されている機密情報をなぜか持っていた。
その後、広報課長の美彌子(仲間由紀恵)に取材の矛先を向けた詠子だったが、「ノーコメント」と突っぱねられる。しかし、それも含めて自分のニュース番組で警察官の不可解な失踪事件を報じてしまう。
いっぽう、黒水町で捜査を続けていた右京は、ひょんなことから町長の和合と知り合う。和合いわく、町の再生に大切なのは志を持った“人”だというが、警察内部には「前科者を優遇するとは何事だ」と、今の政策を快く思っていない人間もいるという。その話が出た矢先、右京と亘に、なぜか四方田警視総監から捜査をやめるよう圧力がかかる。
そんな中、四方田の指示を受け、黒水町で暮らす元受刑者・槙野(平岡拓真)を見張っていた刑事が遺体で発見される。現場には、四方田に届いた電報と同じフレーズ「私は獣として帰還する」というラテン語が書かれていた。この事件により、失踪中の警察官たちも既に殺害されている可能性が高まり、未曾有の事態への緊張が高まっていく…。
失踪事件の裏で暗躍する警視総監。警察官殺害事件とも関係が?
スクープを飛ばす女性ジャーナリストの危険なネタ元とは…!?
特命係の捜査に、美彌子、大河内、さらに伊丹たち捜査一課も協力し、
東京郊外で進行する不気味な事件と権力の巨大な闇を解き明す!
出演:水谷豊 反町隆史 鈴木杏樹 大杉漣 仲間由紀恵 石坂浩二
ゲスト:八嶋智人 伊藤歩 永島敏行 小宮孝泰 平岡拓真 仁村紗和
脚本:真野勝成
監督:兼﨑涼介
・通常知り得ない警察情報をスクープするケーブルテレビ局の記者
・ローカル記者に情報をリークする謎のネタ元
・陰で暗躍する「タカハシ」
・正義感溢れる警視総監の奇妙な行動
・やる気を感じさせない黒水署長と署員たち
・麻薬栽培、密売
・前科者を支援する人の良さそうな黒水町長の和合(八嶋智人)
・宗教者の寛容に魅了されていたことがあるアパート住人たち
・過去に陰を持つ喫茶店経営の男女
・ラテン語で書かれた「私は獣として帰還する」とチラつく白熊のぬいぐるみ
多種多様な謎が浮かび上がり、特命係の2人がその謎に迫り、真相に近づいていく………
非常に面白そうな展開……しかし、このストーリー構成………
……………ある脚本家が脳裏をよぎり、嫌な予感が………………………
(先入観を持たないため、視聴終了まで脚本家名を見ないことにしています)
殺人衝動を持ち、「殺すことが楽しい」という狂人。今風に言うと“サイコパス”。
動機がないに等しく、動機を考察する意味はない……何をしても説明がつく
しかも、IT企業経営者で町長、財力も技術力も権力を持つ……何でもできる(総監の護衛も瞬殺できる特殊部隊さえ雇え、テレビ局に爆弾を仕掛けることもできる)……
ドラマ視聴者にとって、推理しても無意味。
ドラマを観終えて、「ああ、そうですか」と右京風に呟くしかない………
おもしろそうに見せているだけで、まったく面白くなかった!
右京の台詞も同様……
………………良いことを言っているように思わせているだけ
(槙野真理男に対して)
「僕が約束できるのは一つだけです。
“君がなぜ、この町に返ってきたのか?”
そのことだけは、必ず明らかにします」
その言葉の決着が
「君は利佳子さんと幸せになるために、この町に戻ってきたのです。
罪を償ったら、彼女の許に帰りなさい。
そしてもう二度と、彼女を一人にしてはいけない。
正義よりも大事なことです」
いい話風にまとめているが、
右京が“君がなぜ、この町に返ってきたのか?”について拘る理由が不明。
最後に真理男に掛ける言葉を言わせるための脚本家の都合だった。
そもそも、
“過ぎた正義感”右京が「正義よりも大事なことです」ということ自体、違和感あり過ぎ!
「(人はギリギリのところで踏み止まり、縁の下から這い上がろうとする)
人間そのものの姿をあなたは知らない。永遠に理解できない。
あなたは人生の本当の楽しみを知ることはない……今までも、これまでも。
………哀れな人だ」
この言葉も含蓄のある言葉だが、サイコパス・和合にはこう語るしかない。
また、若月詠子を殺害した和合を怒りにまかせて殺そうとし、それを悔い「右京さんのそばにいる資格がない」と言う冠城に対して、「キミはギリギリのところで踏み止まった」と認める右京のシーンにも絡めている。
よく練った構築だとは思うが、この和合に投げかけた言葉は、右京ではなく亀山が言った方がしっくりする。今回の場合は、冠城が言うべき言葉のように思う。
いろいろ面白そうな要素をチラつかせ、勿体ぶって少しずつ解明していく……
…………真野勝成氏が脳裏に浮かんだ。
真野勝成氏については、『season15 第2話「チェイン」』で次のように評している。
≪脚本の真野勝成氏は、『相棒』においては、風変わりな視点や捌き方が多く、微妙な作品も多い。“要注意脚本家”候補に昇格?≫
今回、“要注意脚本家”に昇格決定!
真野氏の過去の作品……「右京さんの友達」、「死命」、「サイドストーリー」、「ストレイシープ」、「苦い水」、「ファンタスマゴリ」、「英雄~罪深き者たち」、「陣川という名の犬」、「チェイン」
【その他の疑問点】
・「この事件を起こせるのは世界でただ一人、あなた(和合)しかいません」という推理の結論を言い切ったが、黒水署長も可能性がないとは言えない
・ぐうたらな署長と署員たちが、急に張り切り出すのは不自然
・死亡していたタカハシを和合が利用しただけ。「タカハシ」「ぬいぐるみ」など意味深なだけの事象が多い
・「ネタ元は死んでも明かせない」を強調し、「骨のあるジャーナリストでした」と美彌子(仲間由紀恵)に言わせていたが、それほど立派なジャーナリストとは思えない
【ストーリー】番組サイトより
特命係が閉鎖! 右京と亘は郊外の駐在所に左遷!?
隠蔽された警察官連続失踪事件の闇に切り込む!
右京(水谷豊)と亘(反町隆史)に、郊外のベッドタウン黒水(くろうず)町の駐在所への臨時異動辞令が下った。黒水は問題がある警察官の左遷先と噂される署だった。
その夜、都内では警視総監の四方田(永島敏行)を囲む会合が開かれていた。それは、都内の浄化作戦で成果を上げた四方田のためのパーティーで、会場には副総監の衣笠(大杉漣)や峯秋(石坂浩二)の姿もあった。また、前科のある人間を積極的に受け入れ、寂れかけた町を再生させるプロジェクトに取り組んでいる黒水町の町長・和合(八嶋智人)も列席していた。
その会場に、四方田宛の差出人不明電報が届く。そこにはラテン語らしき文章と子供が描いたようなシロクマの絵が記されていたのだが、それを見た四方田はなぜか動揺して…!?
翌日、黒水署に到着した右京と亘は、前任者が交代になった理由が気になり、調べ始める。すると、駐在所に住み込んでいた2人の警察官のほか、黒水署の有本(森岡豊)という刑事も行方不明になっていることが判明。右京と亘は失踪現場となった団地の住民から話を聞くが、収穫はゼロ。しかし、有本が最後に乗っていたパトカーから血液反応が検出され、2人は何らかの事件が起きたことを確信する。
そこに、若月詠子(伊藤歩)という女性ジャーナリストが現れる。黒水署の警察官連続失踪事件を追っているという彼女は、警察内部ですら統制されている機密情報をなぜか持っていた。
その後、広報課長の美彌子(仲間由紀恵)に取材の矛先を向けた詠子だったが、「ノーコメント」と突っぱねられる。しかし、それも含めて自分のニュース番組で警察官の不可解な失踪事件を報じてしまう。
いっぽう、黒水町で捜査を続けていた右京は、ひょんなことから町長の和合と知り合う。和合いわく、町の再生に大切なのは志を持った“人”だというが、警察内部には「前科者を優遇するとは何事だ」と、今の政策を快く思っていない人間もいるという。その話が出た矢先、右京と亘に、なぜか四方田警視総監から捜査をやめるよう圧力がかかる。
そんな中、四方田の指示を受け、黒水町で暮らす元受刑者・槙野(平岡拓真)を見張っていた刑事が遺体で発見される。現場には、四方田に届いた電報と同じフレーズ「私は獣として帰還する」というラテン語が書かれていた。この事件により、失踪中の警察官たちも既に殺害されている可能性が高まり、未曾有の事態への緊張が高まっていく…。
失踪事件の裏で暗躍する警視総監。警察官殺害事件とも関係が?
スクープを飛ばす女性ジャーナリストの危険なネタ元とは…!?
特命係の捜査に、美彌子、大河内、さらに伊丹たち捜査一課も協力し、
東京郊外で進行する不気味な事件と権力の巨大な闇を解き明す!
出演:水谷豊 反町隆史 鈴木杏樹 大杉漣 仲間由紀恵 石坂浩二
ゲスト:八嶋智人 伊藤歩 永島敏行 小宮孝泰 平岡拓真 仁村紗和
脚本:真野勝成
監督:兼﨑涼介
朝飯前です(実際は夕飯後に確認しましたが)
「外国の元特殊部隊を安く雇って、実行犯として活用」
と語っていました(他の警察さん殺しも彼らが行ったようです)。
>ここは英さんの言葉なのか、ドラマで実際使われた言い回しなのか
微妙な言い回しは違うかもしれませんが、ドラマの中で「縁の下」と言っていたのは確かです。観ていて私も≪?≫と違和感を感じました。
気になるので、再生して確認しますね…………
「人間はいつもギリギリの縁に立っている。
誰だって“人の身体が簡単に壊れること”“心が簡単に操れること”を知っているんです。
それでも、自らの意思でそうしないことを選んでいる。
間違いを犯せば後悔し、自分を責め、縁の下から這い上がろうとする。
そういう人間そのものの姿をあなたは知らない。永遠に理解できない」
「あなたは人生の本当の楽しみを知ることはない。今までも、これからも………哀れな人だぁ」
(右京の言葉に、和合は嘲り笑い、背を向け歩き出し、咳き込み、壁にもたれ座り込み、呆けた表情で目を瞑る)
というものですが、「縁の下」、いくつも意味が怪しい言い回しがありますね。
特に「誰だって“人の身体が簡単に壊れること”“心が簡単に操れること”を知っているんです。
それでも、自らの意思でそうしないことを選んでいる。」は、難解で私にはよく分かりません。
ここは英さんの言葉なのか、ドラマで実際使われた言い回しなのか、見ていないのでわかりませんが、通常縁の下という言葉にあまりネガティブな意味はありません。
どん底辺りの言葉と勘違いしたかと思います。
私も八嶋さんが登場した時、「犯人はこいつ」と思いましたが(おそらく、かなりの人も)、動機が分からず、一生懸命考えたのですが……
それはともかく、私はサスペンスを観すぎて、スレてしまい純粋に面白いと思えなくなっているのかもしれません。
でも、昔の『相棒』を見ると、面白いと思っちゃうんですよ。
脚本家の傾向もあるのかもしれませんね。でも、『科捜研の女・お正月SP』は櫻井氏でしたが、2年連続で批判記事を書きそうです。
>英さんは期待してないのかな~ 短絡的な感想で申し訳ありません でも こういう感想も書いてもいいよね?
もちろん、歓迎です。
どうしても、観点が偏りがちになるので、ありがたいです。
今年もよろしくお願いします。
また英さんの記事にやってきました
見る前に見てたのだけど
とりあえずドラマを見てから。。と思って(笑)
私は
今回は あの八嶋さんが出てきた時点で
あっこの人かな?って思ってみていたので割と面白かったです~
サイコパス的な感じなのは相棒には珍しいけど
いろいろ付箋があって面白かったかなと思います
推理は一切関係なかったけどね。
冠城さんが
キャスターの彼女が殺されたあと
ピストルに弾を込め殺意を抱いたのも否めないし
そのぎりぎりでやめたことを 最後に持ってきたかったんだなと思いました
確かに 最後のセリフから逆算してドラマが作られた感もあるね(笑)
今年の相棒はどうなんでしょうか
英さんは期待してないのかな~ 短絡的な感想で申し訳ありません でも こういう感想も書いてもいいよね?
今年もよろしくね
真野氏の脚本を嫌う人は多いみたいですね。
今回感じたのは、描きたいことから逆算してシナリオを組み立ているのではないかということ。
この手法は、主張は際立つのですが、時系列に沿ってストーリーを見た場合、他の可能性を無視してしまうような強引さが生じます。
あと、自分の主張に拘るあまり、登場人物の行動や心情に矛盾が生じ、全体として独りよがりな脚本に陥ってしまう傾向があります。
冠城が情報をリークして、その結果、若月詠子が命を落としてしまうのも、冠城が暴発する危険性を持たせるための強引な展開でした。
>正義より大事なものという杉下の台詞に関しては、ダークナイトを意識したという
なるほど、冠城が拳銃を手にして和合を殺そうとし、踏みとどまったのもダークナイトとの対比ですね。
>そもそも正義という言葉は台詞として多用すべきでないと思います
ええ、そうですね。
“過ぎた正義”と記しましたが、右京の場合、他者から見た場合の“過ぎた正義”で、右京自身は“正義”という概念は薄いですね。
だからこそ、右京が「正義」を口にしたことに違和感を感じたのです。
右京が和合を憐れんだ台詞も、亀山が言うべき台詞ですし。
真野氏はネットではよく二次創作的な脚本を書くと言われており、賛否が強く分かれる脚本家であると認識しています。
今回は犯人が和合と判明したあたりから、話の作りの雑さ加減が目立ち始めて突っ込みどころが追いつかなくなった印象でした。
特に酷かったのが、冠城が情報をリークする場面。ネタ元が不明の情報を垂れ流す危険性について記者の詠子に注意していたはずなのに、自ら捜査情報をリークして彼女が殺されるきっかけを作ってしまう。その先の展開を描くためにわざとこのような構図を作ったのでしょうが、杉下、大河内、社が揃っていて誰も彼の行動を止める人がいなかったのが疑問です。特に監察官が黙認するというのは大問題ですし、「裏切者」や「サザンカの咲く頃」、「SPY」等で一貫して描かれていた姿と矛盾しているように思われます。
正義より大事なものという杉下の台詞に関しては、ダークナイトを意識したという印象です。しかし、正義という言葉を使うのが適切だったかといわれると疑問でした。この場合、拳を使って相手に復讐することより大事なもの、くらいの意味合いでしょうが、そもそも正義という言葉は台詞として多用すべきでないと思います。
比較的新参ファンの私としては、劇場版II以降、制作側も視聴側も、どうも正義という言葉に捕らわれすぎなのではないかと感じています。